7879T列車 日本海
皇紀2745年4月3日(第40日目) 国鉄米坂線米沢駅。
奥羽本線の特急列車を降りて、米沢ホームの一角にある米坂線のホームに移動する。そこに止まる2両編成のディーゼルカーに乗り換える。そのうち1両は郵便車、荷物車と客室の合造車になっている。実質人が乗れるのは1.5領分だけだが・・・。これだけでも足りるって事だろう・・・。
「混んでるね。」
青春18きっぷシーズンと言うこともあり、こういうローカル線巡りを楽しんでいる人が席を埋め尽くしていた。
米沢→米坂線→坂町
山間をのんびり抜ける列車に乗り、坂町駅で羽越本線と合流する。米坂線から羽越本線に乗り換えるとローカル線の雰囲気はどこかに消える。坂町から村上の間を普通列車に乗り、村上から先は特急「いなほ」に乗り換えて一気に秋田を目指す。
坂町→羽越本線→村上
村上→羽越本線特急「いなほ」→秋田
羽越本線は日本海に沿って走る区間が多い。鼠ヶ関の玄関を叩いて再び東北地方へと足を踏み入れる。お昼も過ぎて午後の日差しが「いなほ」の左側の窓から差し込んでくる。日本海に沈む夕日というのはどこか美しい。
鶴岡、酒田と止まれば、車内にいる客は徐々に減っていく。再び海岸線に出た頃には日は完全に西の空に没しており、辺りは暗くなり始めている。
「今日って横手で降りた以外移動しっぱなしだな。」
「ナガシィはそういうのは不満。」
「不満じゃないけど・・・。」
「けど。」
「ちょっとねぇ・・・。」
「・・・もうちょっと降りる回数増やした方がいいかな。」
「明日は五能線の方へ行くからなぁ・・・。」
「・・・でも、五能線ってローカル線よねぇ。」
「時間空いてゆっくり観光できると考えたら儲けもんじゃないか。」
「あっ、案外楽しみにしてる。」
「まぁね。一度乗った区間の中でもう一度乗りたいと思った数少ない路線だし。」
「数少ないって言うのが以外。」
「そう。」
「うん。ナガシィって電車好きだから、一度行ったところはもう一度乗りたいのかなと思ってたから。」
「僕だって三江線には乗りたいとは思わないからなぁ・・・。」
「こっちの三江線だったらもう一度乗ってもいいんじゃない。あっちみたいに必殺徐行とかしないわけだし。」
「・・・。」
「いや、そこノーコメントかい。」
特急「いなほ」が秋田に着く頃、僕たちは次の日の心配をし始めた。
枕崎→広尾間の最長往復切符往路秋田駅で途中下車




