48話 魔王討伐パレード
俺は宿屋のベッドで寝ていると外が騒がしくて目を覚ました。
『どうやら、勇者が負けて、魔王が生きてると国民達が不安になるから、勇者が魔王を討伐したという嘘が国民に広まっているみたいです。昼には大通りでパレードが開かれるそうで、国民達が騒いでるみたいです。』
(そうか……そう広まったか……なら良かったが……)
『ただ、裏では魔王捜索隊などが組まれております。』
(居ない魔王を探す人達か……可哀相だが仕方無いな……暇だしパレードでも見てくか……)
『そうですね、勇者の顔も見れる見たいですよ』
(そうか……勇者になりたいってどんな奴なんだろうな……)
『日本では学生だったみたいですよ、ラノベとか大好きな』
(あー……なら納得だな……さて、朝飯食べに行くか……)
俺はベッドから起き、下の食堂に向かった。
「おはよう、白夜」
「あぁ、おはようルーカス」
「おい、昨日な、勇者達が帰ってきたんだぜ、なんと魔王を倒してだ、戦争も起きなかったし良かったな」
「……あぁ、これで気楽に生活できる、良かったよ」
「今日はめでたい日だから俺の奢りでサービスもしてやる、どんと食え」
「そうか……ありがとうルーカス」
俺はいつもの朝食より豪華な朝食を食べ、ルーカスにお礼を言い、宿屋の外に出た。
外は騒がしく、やったー!、勇者様がやってくれた!と言う声や、屋台からは、めでたい日だからサービスだよ!と言うよ声が聞こえてくる。
(何だか……魔王が全て俺の自作自演だと思うと……皆喜んでいるのに罪悪感が……)
『……白夜様……ずっと人達が暗いよりも、明るい方が良いでしょう……それに白夜様でなく、勇者と、勇者を作ったのに魔王を作らなかった神達に責任があると思います。』
(……ありがとう、サクヤ)
俺は昼くらいまで宿屋近くを散策してから、大通りに向かった。
大通りは宿屋近くより人が多くとても混雑していた。
そしてそこについてしばらくすると
「勇者様だー!勇者様が来たぞー!」
と言う声が聞こえてきた、すると道の真ん中の方を兵士などが歩いてきて、その後、馬に乗った高校生くらいの黒髪の男が豪華な服を着て緊張からか、どこかぎこちない笑みを浮かべていた。
『あれが転生者の勇者です。魔王を倒してないと言う罪悪感と皆にちやほやされる優越感で複雑な笑みを浮かべていますね。』
(……そうか……国民の為とはいえ可哀相だな)
そんな事を思っていると、突然肩を叩かれた、そちらを見ると……この世界では不自然な黒のゴスロリを来た左目が紫色の黒髪ロングに白メッシュを入れた美少女が隣に立っていた。
「汝……いや……貴方は……何者……なの……?」