44話 魔王もどき召喚と打ち合わせ
閑話が多くなったので閑話の名前を変更しました。
俺は魔王城を作ると決めた日から約三ヶ月、サクヤに案内された場所で魔王城を作っていた。サクヤの予測通り誰にもバレず、廃城って感じの建物が出来た。
『魔王城はもうそれくらいで宜しいかと、そろそろ魔王もどきを召喚しましょう。』
(あぁ……魔王らしくて強めの魔物を教えてくれ……あと知能がある奴……負けたふりを出来る奴……)
『そうですね……強くて知能があるですか……でしたら昔の魔王の幹部辺りですね、魔王には幹部として特殊に召喚出来る魔物が居たのですが……負けた振りをしてくれそうな魔物は……はい、決まりました。』
(おぉ)
『ジャックと言う魔物です。道化師の様な見た目をしており、ナイフや色々な道具で攻撃をします。知能もあり演技のスキルも持っており、負けた振りも出来ると思います。』
(……やってみるか)
「〈魔物召喚 ジャック〉」
詠唱を終えると混沌の様な魔力が集まり
白黒の笑った仮面を付け、道化師の格好をした男の人が出てきた。
そして俺を見つけるや否や
「貴方が今回の魔王様なのですか?私はジャックと言います。宜しくお願い致します。」
と挨拶とお辞儀をしてきた。
「あ、あぁ、俺は魔王じゃないが宜しく……」
「魔王じゃないですと?」
そう言いながら顔を上げてきた。
「まぁ!どうでもいいですね!私も久しぶりに現世に来れましたし!」
「ん?昔の記憶があるのか?」
「はい!私は殺されずに、魔王様が先に殺されて消えた魔物ですので!記憶は受け継いでいるのでございますよ!死んでいたら別のジャックが来ていましたけど!」
と明るい声で話してきた。
「そうか……ちょっと頼み事があるんだが……いいか?」
「はいはい、いいですよ」
とジャックは言ったので俺は勇者騒動の事を色々話した。
「ふむふむ、なるほど、つまり私に魔王のふりをして負ける、又は負けた振りをして欲しいと……良いですよ、ずっといつ召喚されるか待つよりは死ぬか死ぬ前に人をおちょくる事ができる……最高ですね」
とジャックは顔を上げて承諾してくれた
「あぁ……ありがとう……」
「いえいえ、構いませんよ」
……見た目の割に礼儀いいなこいつ
(サクヤ、役者は揃った……早速マリド伯爵に魔王城の情報を売りに行くぞ……)
『分かりました。白夜様。マリド伯爵は現在は屋敷の自室で休んでおります。転移で行きましょう』
(あぁ……)
「俺はちょっと魔王城の場所について売ってくる……ジャックはここで待っていてくれ。」
「分かりました。行ってらっしゃい。」
俺は黒ローブと満月のペンダントを付け適当に前に変身した女の状態になりマリド伯爵の部屋に転移した。
「くふふふ……久しぶりに腕がなりますね……異世界の勇者ですか……楽しませてくださいよ……楽しませてくれないなら…………楽しくするまでですね……」




