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異世界情報屋暮らし  作者: 紅い狐
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4話 初依頼

依頼のある掲示板の前に立つと色々な依頼が不思議な文字で書かれているのが見えた


(言語理解でしっかり読めてるんだろな……)


『白夜様は言語理解と全会話によりネゴリア語を読み書きできます。』


色々依頼を見ている中一つ良さそうなのがあった


【レベル1依頼  料理スキル持ち募集 宿屋ネルゲで店主が腕を怪我して娘が料理を作っているが間に合わない 手伝って欲しい 飯時の接客もお願いしたい。

依頼期間 最低10日 報酬 働いている間の宿屋ネルゲへの宿泊無料 まかない有り 200リア〜一日追加毎に20リア 依頼人 ネルゲ】


『宿屋ネルゲは中々に繁盛している宿の様ですので少し忙しそうですね。宿屋ネルゲはここから数分北に歩いたらベッドのマークが付いて居る看板をかけて居ます。』


その言葉を聞き俺はその依頼を取り黒髪ぱっつんの受付嬢がいる受付へ向かう


「依頼は決まりましたか?」


「はい、これにします。」


「あぁ、この依頼ですね 料理スキル持ちの人は何処かに勤めていて中々受ける人が居なかったのですよ だから助かります。場所は宿屋ネルゲはここから数分北に歩いたらベッドのマークが付いて居る看板をかけて居ます。依頼完了時はその依頼書にネルゲさんのサインを貰い受付に持ってきて貰えばいいです。」


「分かりました。ありがとうございます。えっと…」


「あっ、ナナです。ナナと申します。」


「ありがとうございます。ナナさん。」


俺はナナさんにお礼を言い冒険者ギルドから出て宿屋ネルゲへと向かった


ネルゲは2階建ての大き目な建物でベッドの看板に宿屋ネルゲと書いてあった その扉を開けると受付に恰幅の良いおば…お姉さんが居たそして


「いらっしゃい」


と挨拶をしてきた



「冒険者ギルドの依頼を受けてきました。ビャクヤと言うものですが……」


そう言うとおば……お姉さんは立ち上がりこちら側に来て


「冒険者ギルド……?あぁ!良かった!人手が足りなくて困ってたんだい!料理スキル持ちがいてくれると助かるよ!」


と背中を叩いてきた


「いえいえ……私も田舎から来て泊まる場所もお金にも困ってたので丁度良かったのですよ……」


と苦笑いで答える。


「私はキャロって言うんだ!早速厨房に行ってくれないか?娘と夫が居るはずだから指示を受けて頂戴!」


と言い厨房へと案内された

厨房の中を見てみると一人の赤髪おさげの少女がわっせわっせと大鍋を回している中 隣で片腕を包帯で固定させた、赤髪短髪のいかつい髭の生えたオジサンが座って見ていた。


「おい!あんた〜冒険者ギルドから人が来てくれたよ〜!」


そうキャロさんが呼ぶと髭のおっさんが立ち上がり俺の方へと向かってくる


「おぉ、君がそうか 俺はネルゲって言うんだ この宿屋でコックをしている。宜しく頼む」


と頭を下げてきた


「いえいえ、こちらこそ、ビャクヤです。田舎者ですが宜しくお願いします。」


とこちらも頭を下げる。


「あっちは娘のルーだ、今は夕食の仕度をしているが……見ての通り少し力が足りなくてな……普段も少しは練習してるが急にこんな事になるとな……」


「そう言えばどうして腕を怪我したのですか?」


「あぁ……それはな……キャロが転びそうになったのを受け止めてな…そしたらちょっとおも……」


「あんた……?」


「ひっ……ちょっと体勢を崩して骨にひびが入っちまって痛くてな…教会や回復魔法士に貴重な回復魔法とか高い金払ってやる訳にもいかねぇからな……」


と話してくれた


「あぁ、そうでしたか、分かりました。では私は何をしたら良いですか?」


「今日はウサギ肉とキャベツのスープ 黒パンだ。お前はジャガイモで何か作ってくれ。泊まってるお客は10人だが俺らの分と他にも食いに来る奴がいるから30人分くらい作ってくれるとありがたい、客達の夕飯が終わったら部屋とか案内する。」

ネルゲさんが説明をしている間に

キャロさんは店番に戻っていった


(ジャガイモなぁ……そうだあれを作るか……)


「はい、では、私の故郷の料理を作らせて貰います。油と塩を少し使ってもいいですか?」


「あぁ、それは楽しみだ、油は油草の油ならいいぞ」


油草……?


『油草はこの世界では雑草の様に沢山生えており実を臼で絞ると油が大量に取れる草です。生命力も強くこの世界では良く使われています。だから油の価格は割と低めです。』


「はい、分かりました。」


そう言い俺はまず桶の水で手とジャガイモ30個ほどを洗った

そして包丁で芽を取り、皮は剥かずにジャガイモの半分は横に薄く、もう半分は縦に太く切った

その後油を片手鍋2つに入れ火の魔道具(コンロみたいなの)に火を付けた。箸が無かった為窯に使う薪用の丁度いいサイズの小枝を二本貰い油が温まる前に先を削り箸にした。

そうこうしてる内に油が温まり片方ずつの鍋にジャガイモを入れていく。

いい色になった所に少しザラザラの紙を数枚貰い皿に乗せその上に揚がったジャガイモを乗せ余分な油を取る

そうして揚がったジャガイモに塩をふりかけて 異世界転生定番の ポテトチップスとポテトフライが完成した 使った油は壺を借りて入れさせてもらった この油はヘンリーに教えて貰ったスライム(弱くて何でも食べるらしい)を利用したごみ捨て場に後で捨てに行く

油の後片付けをした頃にはルーちゃんはキャロさんと共にお客さん達を呼びに行っていた


「完成しました、故郷の料理ポテトチップスとポテトフライです。」

とネルゲさん達に出します。


「おぉ、初めて見るな、油を大量に使って何するのかと思ったが油で茹でたのか……油何て味付けや焼いたりする時しか使わなかったんだがな……」


『この世界では揚げる事は知られていません。昔揚げようとして火加減を間違えたり 水分が多い物を揚げてしまったり 温度が分からずに指を突っ込んで酷い事になったりなどして油は焼いたり味付けする物と広まって居ました。今でも研究している人が居ますが、揚げるのにぴったりな物を見つけれずに悪戦苦闘してる様です。』


昔の人達もそうやって苦戦したんだろうなぁ…と思っていると


「お客に出す物だ、少し味見させてくれないか?」


とネルゲさんに声をかけられた


「はい、いいですよ。」


そう言いネルゲさんはポテトチップスの方を一枚だけ取りサクッと小気味いい音を立て齧り付いた


「ふむ、素朴で面白い感触もしているが塩味がしっかりしている、いい味だ これなら出せるな……こっちの太い方は……」


といいポテトフライの方も一本食べた


「こっちはホクホクしているがさっきの薄いのよりジャガイモの味がはっきりしているな、これも客に出せる」


と言われた


「俺達は先に飯だ 接客はキャロとルーがする。だが飯が終わったらビャクヤにも接客をして貰う。」


そう言いネルゲはお盆に乗せ片手でスープと黒パン2つとフライとチップスを持ってきた。


「スープとパンはこれで一人前だ俺達が食べるのも一人前だ おかわりは接客が終わった後自分で作るか残りを食え。」


そう言われ黒パンとスープとチップスとフライを盛り付け持ってくる。

(黒パンってどう食べるんだろう……そもそも美味しいのか?)


『この場合、黒パンはスープと一緒に食べるのが最適かと思います。硬いですが白夜様が想像してるよりは美味しいですよ。』


そう言われ食べてみると想像してたのとは違い少し酸っぱかった……


『その酸味は酵母のサワー種のせいです。仕方ありません。この世界ではフルーツ酵母とサワー種とイースト草で作ったパンの三種類があります。』


パンに関してはここの仕事が終われば魔法で出すか……


スープはとても美味しかった。


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