37話 ハルバード侯爵3
俺は突然部屋に現れた少年を見ていた
(……こいつ……まさかムーンか)
「……情報屋ムーン……ネ、今日は報酬を貰いに来たヨ」
やはりムーンだった……どうやら報酬を貰いに来たらしい。
「……どうやって、私の部屋に入った?」
「……秘密……ネ」
(これがシルビが言ってた空間魔法か……)
「さて、報酬の話に戻る……ネ、情報、正しかった……ロ?」
「あ、あぁ……確かに当たっていた……感謝している……」
「それは良かったヨ……で、報酬はいくら払う……ネ?」
「……あぁ、そうだな……あれを放置してたら私の領地は餓死の死亡者が大量に出ただろう……情報量として5万リア……でどうだ?」
俺はわざと適正価格より少なく提示してみた。
「そう……ネ」
とムーンは少し考えていた。
「うん、その額でいいヨ」
とムーンは言ってきた
「……そうか……少し待ってろ」
俺は自室の金庫から五枚の白金貨を取り出しムーンに渡し、ムーンが受け取りポケットに閉まった。
「それじゃ、またネ」
とムーンが帰ろうとする。
「待ってくれ」
俺はムーンを引き止めた
「ん?どうした……ネ?」
とムーンは振り返った。
「……お前の情報収集方法もお前の身元も知らないが……お前のその能力を気に入った。俺の部下にならないか?侯爵家の部下だとそれなりの地位も手に入るぞ?」
と素直に言ってみた。
「断る……ネ、ワタシは何処にも仕えない……ネ」
〈転移〉
そう言いムーンは消えていった。
俺はムーンが消えた場所を茫然と見ていた……
「地位も金も目的ではないか……あいつは何が目的なんだ……」
俺は自室で布団に入りムーンについて考えていた。
報酬の額を変更しました。