35話 王都の歴史 魔王について
俺は宿屋のベッドの上で目を覚まし椅子に座って背伸びしてサクヤに話しかけた。
(おはよう、サクヤ)
『おはようございます。白夜様、今日は何をする予定ですか?』
(あぁ……今日は……暫くする事も無いし王都の観光でもするか?……王都の情報を教えてくれ……それも満足したら スキルでも育てるか……)
『分かりました。王都メザイヤは王城、貴族街、平民街の三重の城壁のある都市です。国の中心で人間の国“メザイヤ”を現在治めている、13代目国王、ロード=ハル=メザイヤが居る都です。』
(そう言えば今までこの国の名前聞いてなかったな……まぁ、興味なかったから聞いてなかったけど……)
『……白夜様の思考を読み取って答えてましたので……言っておりませんでしたね……話を戻しますが、メザイヤは出来て951年の都です。何度か外壁などを強化し、かなり堅牢な守りを有して居ます。』
(よくそんな長い年守れてるな……)
『地下にある秘密の魔法防壁を貼る魔道具や勇者の存在がこの国を951年も維持できている理由です。』
(そう言えば……その“勇者”が捕まったんだが……大丈夫なんだろうか……)
『一応あの“勇者”は今、王城で保護され剣術スキルなど磨いてますが……歴代勇者よりかなり弱くて魔王との戦闘をどうするのだと王様が嘆いていますね……聖剣召喚についても教会との決まり事などあるのでかなり厳重に注意されてますね……』
(そうか……魔王が居ないのにな……)
『そうですね、それに魔王は魔族の王が魔王と言う訳ではないので……魔王探しもしないとですし世界は大変になりそうですね』
(魔王は魔族の王じゃない……そうなのか?)
『はい、この世界では神が特殊な能力を持った強い個体を作りこの世界に落とします。そしてその個体は魔王城を作り、魔物を配下にして勇者の居る世界を攻めて行きます。勇者は必ず魔王を倒せる能力を持っており、勇者は魔王を倒す……と言うのがこの世界なのですよ、なのでこれから人間の国では大規模な魔王城探しも始まりますよ……ありもしない城探し……可哀想ですね……』
(そうか……同郷の奴がかなり迷惑をかけているな……教えられないけど……)
『そうですね……神様達はこう言う人などの法律や決まりは気にしない人達で……』
(そうか……なら仕方無いな、俺達は観光を楽しむか……)
『そうですね、何処に行きましょう?』
(……魔道具屋でも行こ……そう言えば……道具創造魔法で魔道具とかも出せそうだな……)
『……恐らく出せますね』
(……料理店……も出せるな……下手したら、こっちの方がサクヤの情報の修正で美味しいまでもある)
『……そうですね、私の情報産の方が美味しいです。』
(……よく考えたら行って意味ある場所がないな)
『……そうですね……万能なスキルを選びすぎましたね』
(……観光をやめてスキル取得や育てたりするか?)
『……それがいいですね』
(……そうだな)
『……でしたら私達が転生した森の中でスキル取得やスキル上げませんか?あそこは人があまり寄り付きませんし』
(あぁ……そうだな……朝飯を食べたら路地裏から転移するか……)
『そうですね……』
脳内でハルバード侯爵が動くまでの暇潰しをサクヤと相談し、俺は二階から一階の食堂に降り、朝飯を食べ、宿屋から出て俺は森に転移した。
万能になると暇になりますよね。




