33話 ハルバード侯爵家との交渉
俺は門番達が居る門の所で隠密を解いた。すると門番達が俺に気づいたのか鎧を着て顔を隠した門番の一人が話しかけてきた。
「おい!お前は誰だ!何をしている!」
「……ワタシは情報屋ムーン……ネ……ハルバード侯爵とマリド伯爵に用がある……ネ」
「ッ……怪しい奴だな……帰れ!」
「…………そんな事言うなヨ、雇われ冒険者から出世して門番になったヘルリア“ちゃん”」
「ッ!?何故それを…………」
と言い少しうつ向いて
「……隠して……変えてるのに……」
と呟いていた。
「どうしたのカナ?」
「いや……おい、少し待ってろ!お前はこいつを見張っててくれ」
「はい!わかりました!」
そう言うとヘルリア“ちゃん”は屋敷の中に入っていった。
しばらくするとヘルリアちゃんが帰ってきて
「……付いてこい、ハルバード様がお前をお呼びだ」
「あぁ、ありがとう……ネ」
そう言われヘルリアちゃんに案内されて俺はハルバード侯爵屋敷を案内された。
そこには約190cmの赤髪の大男と約175cm白髪の男……ハルバード侯爵とマリド伯爵が酒とツマミを机に置き、一緒に座っていた。
そしてヘルリアちゃんが帰った所を見て俺は立ったまま
「……月の雫を持ってきた……ネ」
と言った
「ッ……!?また姿を変えて……こいつはムーンだ……間違いない」
マリド伯爵が驚いている。
「…………」
ハルバード侯爵は俺を睨んでいる。
「マリド伯爵、良い人に伝えてくれてありがとう……ネ、ハルバード侯爵の事は調べさせて貰ったが……合格……ネ」
「そ、そうか……とりあえず座ってくれ……」
「ありがとうネ」
そう言うと俺は余ってる椅子に座った。
「今回はハルバード侯爵家にとって有益な情報を持ってきた……ネ」
「……」
「そ、そうか……フィ……ハルバード侯爵に有益な情報か」
ハルバード侯爵はまだ俺を睨んでいる。
「情報料は……そうだ……ネ、次会った時にハルバード侯爵が有益だと思い適正だと思う額を渡して欲しい……ネ、見ての通り怪しくて信用も無いから……ネ……どうする?買うかネ?」
と俺はハルバード侯爵に問いかける。
「…………買わせて貰おう。」
と間を開けてハルバード侯爵が答えた。
「毎度ありぃ……」
と俺は笑った。
「さて、今回仕入れた情報はネ……ハルバード侯爵家の治めている土地の貧困の原因を止める方法だヨ」
「ッ!?」
「いやぁ、まさか出世を妬んだ複数の伯爵や男爵家が連携して呪術師を用意し、土地に不作の呪いをかけてるとはネ、嫉妬って見苦しいネ……で、ワタシが持ってきたのはその呪いをかけてる奴らの拠点とその呪いをどう止めるか……ネ」
そう言うとハルバード侯爵は少し眉が動いていた。
「……何処で、その情報を得た?」
「……それは秘密……ネ」
「そうか、続けてくれ」
「はいはい、まずは拠点ネ、ドリア村北の洞窟を本拠地とし、彼らは商隊に扮して村に止まったり呪術道具を売ってたみたい……ネ、呪術道具を回収したら不作も止まるネ」
「……そうか……今度部下達に相談してみよう」
「それじゃ、今日の所は帰るネ……じゃあネ」
「あっ、待っ……」
と引き留めようとする声を無視して、俺は扉から出て玄関へと向かって歩いていく。
(あぁ……良かった……中に入れて話を聞いてもらえて……門番の秘密を知ってる感じを軽く匂わせて案内させる作戦が通って……怪しすぎて兵士達が来た場合転移で逃げて、姿を変えてまた来る作戦だったが……使わなくて良かった)
『そうですね、……しかしムーンの時の喋り方、疲れませんか?』
(……演技で楽だけど語尾が難しい)
サクヤとそんな感じの雑談をしながら玄関に行き、玄関から出て門まで歩き
「用事は終わったネ、門を開けて欲しいネ、ヘルリア“ちゃん”」
「……あぁ」
と門を開けてもらい宿屋へ……帰らない。
『白夜様、やはり偵察兵を付けられています。』
(そうか……サクヤの予測通りだったな)
俺は適当な路地裏に入り。
「じゃあネ」 「〈転移〉」
転移を使い宿屋に戻った。一瞬変な影が見えたが……気にしない気にしない……うん
そして変身を解き黒フードとペンダントを収納魔法にしまいベッドに倒れ込んだ。
(はぁぁ……疲れた……)
『お疲れ様です。白夜様……ハルバード侯爵が領地の確認を終えるまで少なくとも一ヶ月はかかりますが……これからどうしますか?』
(あぁ……サクヤが確認したらハルバード侯爵家に行くよ……それまで俺は……王都の観光や軽くスキルを手に入れようかな……)
『そうですね、それが宜しいかと』
(明日から暫く休みだと思うし……ゆっくり寝るか……)
『はい、おやすみなさい。白夜様』
ちなみに収納魔法は出す時にイメージが必要です。
ですがイメージなどはサクヤに任せています。
現在の収納内
鉄の剣 黒マント 満月のペンダント 星のペンダント 皿×10 コップ×5 箸×6 茶碗×10




