31話 マリド伯爵5
次々と貴族との挨拶を終え、特に何事もなく挨拶は進んでいった……あぁ、妻との離婚を突かれるのは二人目辺りで慣れたからな……はははは……胃が痛い……
「お父様、お腹を抑えて大丈夫ですか?そろそろハルバード侯爵家ですよ?」
「あぁ……そうだな……」
「着きましたよ」
そう御者の人に言われ、俺とナーサリーは馬車から降りた。
ハルバードの屋敷はかなり立派で扉を執事が開けると中から……
「よぉ!ルーン!久しぶりだな!ナーサリーも久しぶりだな!病気が治ったのはめでたいな!後で娘が会いたがって居たぞ!」
「あぁ、フィン、久しぶり。」
「お久しぶりです。リリーがですか、楽しみです。」
ハルバード家当主、赤髪の大男 ロルフィン=ハルバードが出迎えてくれた。
「とりあえず中に入ってくれ、応接室に案内する。」
「あぁ……ありがとう……」
そう言われ俺は中に入った。
するとフィンはメイドの一人に声をかけ
「おう、ナーサリーはリリーの部屋に案内してやれ、俺達二人で話したい。」
「かしこまりました。ナーサリー様、案内させて貰います。」
「分かりました。」
そう言われナーサリーとは別行動となった。
そうして応接室に入ってフィンが座った後
「まぁ、座れ。聞きたいことがある。」
と言われ俺は座った
「……フィン、どうした?」
「ルーン!お前奥さんに浮気されたんだってな!」
「ぐふっ……と、突然何を……」
「それで、娘の病気も重なりかなり家が疲労してたみたいだな」
「……あ、あぁ」
「……その2つどうやって解決した?」
俺は何度かフィンに手紙を送り娘の妻との不仲を治す方法や病気の手掛かりを聞いていた。だがフィンも知らないと言っており諦めて居たが……急に治って不思議がってるんだろうな……こいつは昔から口も硬いし信頼もしている……伝えるか?……あぁ伝えよう
「……実はな……俺はこの件に関しては全て情報屋から情報を買ったんだ……」
「情報屋だと……?」
フィンの目付きが変わった。
「あぁ……最初は中性的な顔と声だったんだが……二回目に会った時には胸のでかい美女になり空間魔法すら使っていた……そして自分の情報を売らないときたもんだ……怪しい奴だったよ……だがそいつは妻の浮気と娘の薬の情報をピンポイントで売ってきた。妻の浮気と娘の病気が治ったら報酬を貰うと言うくらい自信があったみたいだ……」
「……ほぉ……で、名前は?」
「……情報屋ムーンって奴だ、満月のペンダントを付け黒いフードを被った奴だ」
「……そいつは他にどんな事を言っていた?」
「あぁ……面白そうだった、貴族と繋がりを持ちたいから情報を売った、変な奴に教えたりばら撒くな、そうした場合私の情報をばらまく、誰に伝えたか私は分かる、そいつに情報を売りに行く……とな」
「……そうか、この事は俺以外に伝えたのか?」
「……いいや、伝えていない、あいつは俺が王都に行く事すら知っていた……私が飲んでるその日に妻が浮気している事すら……お前以外信用できて頼れる奴が居なかったのもあるな……」
フィンが少し考えていた。
「そうか……ルーン、そいつはまた現れると思うか?」
「……分からない、だが情報を売りに来る時は“月の雫を持ってきた”買う時は“月の雫を飲みに来た”と言えばいいらしい」
フィンは目を瞑り頷いた。
「そうか、ありがとよ、信用してくれて」
「あぁ……」
「今日は俺の屋敷に泊まれ、昔みたいに飲もうぜ、愚痴とか聞いてやるよ!」
とフィンは笑った。
「……あぁ!ありがとうフィン!」
「良いって事よ」
こうして俺達の話し合いは終わり。
俺はフィンの屋敷に泊まり、久しぶりに一緒に飲み愚痴を吐きあった。
とてもすっきりした。持つべき者は親友だな……




