30話 マリド伯爵4
14話にマリド伯爵の髪の色を追加しました。
私は事情聴取を終え、馬車の中で愚痴を吐いていた
「はぁ……全く……王都での交流会前に……妻との離婚と……聖剣泥棒捕獲に……はぁ……本当にツイてない……」
「お父様、元気を出してください。」
そうため息を付いていると
暇だったのか私の隣で自分の白い髪の毛を弄っていた手を止め、最愛の娘ナーサリーが声をかけてきた。
「あぁ……ありがとう……ナーサリー……しかもあいつが勇者とか口走ってたが……もしそれが本当なら……あぁ……はぁ……」
「……でも勇者でも聖剣泥棒は泥棒ですよ?」
「そうなんだが……あの剣の名前と魔物への傷の付け方を窓から見て……伝承通りの聖剣と決めつけて捕まえてしまったが……もし偽物だったら……あぁ……焦ってしまったな……」
「そうですか……お父様、安心してください。お父様の人を見る目は私、信じてますから。」
「……ありがとうっ!」
私は感極まってナーサリーに抱き着こうとした
「触らないでください。…………少しお父様は臭うので」
「っ…………そうか……はぁ……」
最後の方は少し聞こえなかったが……最近、娘が少し冷たい……慰めてはくれるんだが……抱き着こうとしたりすると露骨に嫌がるんだよな……
「それで、お父様、本日は何方に行くのでしょうか?」
「あぁ……今日は交流会前に数人の知り合いの貴族に挨拶をしに行く……ハルバード侯爵家にもだ、既に王都に行くから挨拶に行くという手紙などは送ってある」
ハルバード侯爵家当主とは昔から仲が良く。同じ地位の時に良く王都にいる間は一緒に飲んだりしていたが……それがハルバードが兵団と共に王に任命された辺境の開拓しを成功し……その功績を得て出世したんだよなぁ……そしてそこの管理は兵団達に管理させ自分は王都に暮らしやがって……羨ましい……
「そうですか……私は病み上がりですので……あまり外には出ずに宿屋に居れば宜しいのでしょうか?」
「いや、そろそろお前の婚約者も探さないといけないから……お前も一緒に挨拶に行くぞ……それと宿屋は挨拶の後に取りに行く。」
ナーサリーは今年で15だ……昔から可愛い綺麗と言われ、婚約者の応募が多かったが……全てナーサリーや私がやんわり断っていた……だがそろそろ婚約者を見つけて置かないと……
「はぁ……そうですか……だから病み上がりの私も連れてきたのですね……」
「あぁ……だが、気に入らないなら断ってもいいし、体調が悪いならあまり無理はするなよ……」
「……ありがとうございます。体調は大丈夫ですので、挨拶には行けます、お父様」
そんなやり取りをしていると馬車が止まり一人目の貴族の家に付いた。
侯爵の字を間違えてました!!本当に申し訳ない!




