116話 神からの能力について
「ねぇ、お兄さん?大丈夫?」
俺がサクヤと脳内で話していると何か心配したのか、腕にしがみついてる叶が話しかけてきた
「あ……あぁ、何でもない」
「急に黙ってじっと案内板見てたし何かあったのかと……」
叶はそう心配そうに言う……そうだよな、サクヤと話してる時って周りから見たら無言で立ち止まってたりしてるように見えるんだよな……
うん、案内板だけ見てサクヤと話しているだけだと折角来たのは勿体無いよな
「うん、本当に何でもない、村を見て回ろうか」
「そうだね!」
「えぇ……しかし、村と言うより、何と言うか、既視感ある構造してるわね……」
叶は楽しそうにしてたけど、罪花も案内板を見て地球にある施設の何かと既視感を感じていたらしい
他の人も感じると言うことは多分それ系の施設を参考にしたのだろう
「最初は食堂でも行くか……丁度そろそろ昼頃だしな」
俺は次に行く場所を案内板を見ながら決めた、二人も了承してくれて
俺達は村を歩き出す
「うわぁ……凄い、あの建物……本当に異世界?」
門前通りを歩きながら叶が、キョロキョロしながらそんなことを呟く
叶が見てる建物はどうやら、二階建てで下の階が何か売ってるお店になっているビルの一つだった王都の家とかと比べると窓ガラスとかめちゃくちゃ綺麗だし……自動ドアまで付いてる……よく見ると他の自動ドアが付いている建物でも自動ドアに驚いてる冒険者が何人か居る
「電気……?どうやって通してるのかしら……?そもそもなんで自動ドアが?」
罪花が疑問に思っている
俺は村で長く過ごしてたから何と無く心当たりがあった
「あぁ、それなら心当たりあるぞ、多分家電は……家電持ち込めたら最強じゃね?とか考えて 家電だけ を作れるスキルを貰って肝心の電気を忘れてた奴が居たんだよな、多分そいつの能力だと思う、他にも候補はいるし、その数人が出したんだろう」
「そんな能力者が居るのね」
「あぁ、他に電気作れる奴とか雷魔法とか発電機作れる奴が居たから何とかなってるけど……」
罪花に聞かれて該当しそうな奴を思い出す。
他にも地球の物を作るスキルや地球の物を取り寄せるスキルの奴も居たから、多分その複数人が出してるんだろう
「何であるのかは分かったけど、送電の方はどうしてるのかしら?」
「あぁ、電気の方は……見た感じ電気とか送る線とか見えてないし、埋まっても無さそうだな……だとしたら一人しか居ないな、遠くの物同士のエネルギーを繋げて送る能力者が居たんだよな……そのスキルが試した時に電気とかも送れてたし、多分そいつだ」
「へぇ……道中でも聞いていたけど本当に色んな能力者が多いのね」
「あぁ、本当に能力の多彩っぷりは凄いぞ」
俺が送電について解説してると罪花が感心している
何でもバフとか魔力やエネルギーを送る~と言うのを神に伝えたらこの能力になったらしく、最初はエネルギー送れるのは良いけど肝心の送るエネルギーに関しては何も考えておらず、何も知らずに使っていたら生命力をそのまま送っていたらしく、あれは危険なスキルだったな……
「……そういえばずっと気になってたんだけど、罪花と叶はどうしてそんな能力を選んだんだ?」
俺がスキルについて考えているとふと、疑問に思った事を二人に聞いてみた
「急にね……まぁ、答えてもいいけど、えっと、そうね……うーん、何て言えばいいのかしら……」
「選んだ?私は能力適当に貰っただけだから選んでないよ?もし選べたなら私は……動物とお喋りできたりするのが良かったし!」
罪花が答えを渋って悩んでいると叶からそう飛んでくる
「あぁ、そうか、叶は別の神からの転生だったな……選べないのか」
「うん!なんか魂の形?みたいなのからスキルが出来たらしいの!」
叶はよく分かって無さそうに言う
……俺も良くわからない
『邪神はその人の魂の形や適正に合わせてスキルを作る力があります。彼女の魂が今のスキルになっているのでしょう』
そんな事を思っているとサクヤからすかさずフォローが入る
なるほど……しかし叶の魂の形が武器を作る能力なのか……そうは見えないが
「そうなのか」
俺は何と無くで相槌をうつしかなかった
「……私は、何と言うか……その時の設定とノリで話してたら……」
叶と俺の話が終わったのを見て、何かまとめ終わったのか、そう話した……設定とノリ……?
「……その時、まだ転生したとか考えてなくて、堕天使の設定と能力をノリで話してたら……そのまま通っちゃって」
「……なるほどな、でも、良く考えてみたら、その設定が現実になってるんだぞ、良くないか?」
「えぇ、まぁ、そうなんだけど……」
罪花は話していると何か苦虫を潰したかのような顔をする
「……いざ、なってみたら全然想像と違って……何と言うか……そう考えたら話すのが恥ずかしくなって来て……」
あぁ、なるほどな、中二病だったのが、いざ現実でなってみたら色々違って目が覚めた奴か……
「……そういう白……エアはどうしてそんな出鱈目なスキルになってるのかしら?」
「えっ、俺?」
罪花が恥ずかしさ等を隠すかのように急に俺に話題を振ってきた
そうだな……まぁ、凄い単純な理由だし答えてもいいか
「俺は単純な話、生き残りたかった、それだけだ、飯も情報も現実だと生きるのに必須だし、魔法がある世界と聞いたから魔力も必要だと思ってな……あとは、まぁ、ゲームの先輩への憧れかな?」
「ゲームの先輩への憧れ?」
「あぁ、何と言うか、その先輩に俺は青春時代色々お世話になっててな、いつかそうなりたいとか考えてたんだよ……これは罪花と似た理由だな、憧れとか言ってて少し恥ずかしいな」
俺は少し過去を思い出しながら言う
うん、俺は生き残りたいのと先輩に憧れて情報屋を目指そうとしたからこう言うスキルになったんだ
「へぇ、いい先輩だったの?」
「あぁ……まぁな、っと、そろそろ食堂に付くし、この話はまた今度な」
「えぇ、分かったわ」
雑談しながら歩いているとすぐに食堂についた……ここも何か学食とかそう言う既視感がある感じの施設の見た目をしているが、まぁ気にしない、その食堂と呼ばれている施設には看板が付いており
村雨食堂と書かれている……この村を歩いてる時、軽く見てると、村雨って名前の店が多いんだよな……村雨、この村居ると恥ずかしそうだな
俺はそんなことを思いながら食堂に入っていく、中も普通に学食っぽい作りになっており……何か食券機まであるぞ……しかもご丁寧に異世界の通貨に対応している……冒険者達は普通にカウンターで頼んでいるが、混んでるな……
俺達は混んでいるカウンターを避け食券機で頼むことにした、メニューもどれも学食にありそうなのが多いな、うどん、ラーメン、カレー……値段も大体こっちの世界だと高いが、地球の値段と同じくらいだな……30~100リアくらいだ、それでも混んでるってのは、多分異世界の物を食べれるからだろう……そう考えると破格の値段だな
「俺が出すから好きなの選んでくれ」
「……分かったわ」
「うん!分かった!」
俺が二人にそう言うと罪花はうどん、叶はカレーを選んでいた
俺は焼き魚定食と言うのを見つけたからそれを選んだ
そして食券を手に入れると、そこには番号と
完成したらこの番号で呼びますので、お待ちください
と書かれていた……本当に便利だな
俺達はそれに従い、空いている席を探し座ることにした
彼女たちのスキルについての設定を思い出したので書いておいた、観光だと言うのに設定開示みたいになってるのは、作者が設定思い出す為ですね……申し訳ない