115話 転生者村へ来た理由
初っ端から疲れてたが、折角来たのだ、村を見て回るか……確か門でも言ってたが、村雨村って名前らしいが、まぁ、勇者への褒美で作った村だから勇者の名前を使います。って安直な考えなんだろうな、その方が勇者との繋がりや色々便利そうだしな
干支の事を忘れようとそんな感じの事を考えながら俺達は少し歩くと、先程門の方で見かけた冒険者風の人達が群がってる場所を見つけた、少し気になってそこに行くと
木製の大きめの看板を見つけた、冒険者風の奴等は全員それをみながら
「おぉ、なんだこれ、地図?」
「やけに色が多いな?なんだこれ?どう書かれてんだ?」
「この地図が本当だとしたら……いや?嘘だろ?この土地は前まで……」
「いや、俺も最初これ見た時疑ったよ、でも本当だよ、本当」
等とザワついている
なるほど、案内板か……まぁ、この世界に来てからそんなの見たこと無かったが、この地域には無いらしい
おそらく現代のペンキを使ったイラストで村の地図と現在地っぽい所に赤い逆三角のマークが書かれている
右下の方にこの世界の文字で紹介文も軽く書かれており、それを読んでみると
ようこそ、村雨村へ
この村は、勇者村雨の故郷の者達の村、この看板に書かれているのは現在地と現在の村の地図です。
※たまに村が改築されます。その時はご注意ください。
そんな風に書かれている、
俺達が今いるのは門の前の通りみたいな所らしい
最初の頃はこの辺りは木が沢山生えてた森で凹凸も激しく、建物を建てるのには適してない土地だったのだったが、魔法やスキルを使って整地したのだろう……
俺は案内板をさらに見ると
門前通り 宿屋 商店 食堂 ダンジョン(現在立ち入り禁止) 生活区と小さく書かれているのに気付く
おぉ、案外普通の村……と言うより何と言うか地球の校外学習とかでよく使う自然体験施設みたいな感じの作りになってんな……
……しかし、ダンジョンが立ち入り禁止?あそこは結構出来たてだからあんまり危険は無いダンジョンだった筈だし、最初の頃は国の調査とかで入れなかったが、今は一般に解放されてた筈だが
『ふふふ……』
そんな風に考えているとサクヤが何やら笑う声が聞こえる
(どうした?)
『はい、ついに気付きましたね!そうなんです!ダンジョンが現在立ち入り禁止何ですよ!』
(……だから?何だ?)
俺はサクヤが何が言いたいのか分からなかった
『はい!実はですね!もうそろそろこのダンジョンは成長するんですよ!それで今ダンジョンの中で色々な原因不明な異変が起こってて立ち入り禁止なんです!』
(はぁ……)
俺はどうしてサクヤがそんなに嬉しそうなのか理解できなかった
『このダンジョンは成長した後は恐らく、かなり稼ぎがいいダンジョンになるんですよね……ですが、まだ、周りの人達はダンジョンが成長すると理解もしておらず、ただの新しいダンジョンだからそう言うのがあるとしか思ってないんです!』
(……なるほど?)
サクヤは嬉しそうに言うが、今一、分からない
『えっと……………………』
何やら俺が疑問符を浮かべているとサクヤが少し黙ってしまった
『えっと、だから、この情報を貴族や冒険者に売ったり、エアの状態ダンジョンが成長する情報を買ったとか陽動したら知名度が上がるかと……』
サクヤは何やら考えたのち、そう説明してくる
(あー!なるほど)
そこまで説明されてやっとサクヤが何を伝えたいか伝わった
(今この状況で情報を広めたりして情報屋として名を売ろうって話か)
『はい……』
サクヤが少ししゅんとした声で答える
(どうした?)
サクヤが珍しく落ち込んでるような声だったので思わず聞いてしまった
『……いえ、考えていたより、私の意図が伝わらなくて、少し動揺してしまいました』
俺に聞かれたからかサクヤはそう答える……
つまり俺が想定より察しが悪かったと言うことか
(あー……いや、何と言うかダンジョンとかの価値があんまり分かんなくて、結び付くのに時間がかかった、ごめん)
『いえ、多少の差異は仕方ありません……はい……』
俺が謝ってもサクヤは少し落ち込んでいるようだ
(そういえば、出掛ける時にタイミングが良いって言ってたのは、もしかしてこのダンジョンの事か?)
『……はい、そうですね』
サクヤは口数少なく、そう答える
(まぁ、分かった、観光してしばらくしたら作戦を一緒に考えよう)
『はい……』
……何と言うか、ここまで落ち込むのは珍しいな、俺が察しが悪かったのがそんなに落ち込む要素だったのだろうか……?
来たのに全く観光してないなと思いますが
転生者村の設定も一から考えながら書いてます。
そして完成したので次から観光予定です。
サクヤが落ち込んでいる理由はサクヤの心情を書く事は白夜が寝ている時間以外はあまり出来ないので……まぁ、なんで落ち込んでいるかはいつか分かると思います。