109話 サクヤのサプライズ
「おぉ……なんだ、これ」
俺はさっきまでの気持ち悪い状況を頭から切り捨てながら思わず声に出しながらサクヤに聞く
これがサプライズなのか?
『はい、これは転生の魂の器から作った肉人形です。ばっちり内蔵や骨まで再現された魂無き人形です。衣服も魔法で作らせて貰いました。』
(転生の魂の器……?)
『はい、白夜様以外の転生者達が入ってる肉体の事です。魔力回路や言語を理解できる機能が備わっており、見た目もある程度の変えれて、これに魂を入れると転生者が完成するアイテムです。』
(なるほどな……俺以外の転生者が……?)
……目の前の物が何なのか分かったが、何か気になる単語が出てきたな?俺以外……?どういう事だ
『はい、白夜様が転生した後に出来たアイテムです。白夜様の身体はあまりにも無茶苦茶なスキルが多かった為に神が特別に作った物ですので、それを参考に作られたものですね』
(そうなんだ……)
確かに俺は考えられる沢山のスキルを言ったがそんな風になっていたのか……
まぁ、それは置いておいて、今は目の前にあるその転生の魂の器についてだ
(まぁ、話を戻すが、この人形がサプライズってどういう事だ?)
『はい……まぁ、本当はもっと後に出そうと思ってましたがこれをですね……こうするとですね』
そうサクヤが言うと
「やぁ、いらっしゃいませ」
「!?」
と目の前のジンの形をした人形が動き話し始めた 俺は分身スキルも何も使っていない
『と、こんな感じに操作できます。』
(おぉ)
『人形操作魔法を使って操作してます。夜な夜な練習していましたが、数日前に遂に物になったのですよ、これを使えば様々な辻褄合わせや、アリバイ工作に使えて、ますます白夜様のお役に立てると思ってました、本来はもう少し情報屋としてピンチの時に出して白夜様に褒められ……お役に立てる時にと思っていましたが』
とサクヤは言う……つまり役に立つ為にに裏で練習して、俺を驚かせようとしてたってことか?
(おぉ、凄いな、ありがとう)
『いえ、白夜様のお役に立てたのなら嬉しいです。この人形があれば、私なら遠隔で操作して、監視の目も誤魔化せますので、外出しても怪しまれません。ただ、白夜様は転移で二人と合流する形になりますが』
(あぁ、そうだな……なら安心だな)
しかし本当にサクヤは凄いな……
何と言うかますますスキルと言う枠組みから外れてきている様な気がするが……これで店に関しても大丈夫だな
俺はサクヤに感謝した後、人形を空間魔法でしまい、そろそろいい時間だから夕飯を用意した後、部屋に戻り寝る事にした
明日は久しぶりの外出だし、何も起きないといいが
『……まぁ、サプライズの一部だけですし、これは今明かしても構いませんね、ふふっ、白夜様が喜ぶ姿が楽しみです。』