14話 情報屋ムーン初仕事1
(酒場に行く前に顔と声を変身させておくか……どんな顔にしよう……そうだな……最初だし性別がバレにくいように声と顔をちょっと中性的にして……身長を160cmほどに小さくして……うん……これだな…後は月のペンダントと黒ローブを来て……路地裏に転移して…酒場までの移動の間は隠密を発動するか…変身かぁ……違和感あるって言ってたが……どんな感じだろう……依頼者と会ったら演技で先輩の演技をして…)
『もうそろそろ向かうには丁度いい時間です。白夜様』
(あぁ……サクヤ、変身してから転移だ)
『了解です。変身する場合私もサポートさせて貰います。』
(分かった……いくぞ……変身っ!)
途端顔に急な痒みと体が四方から押しつぶされる様な感覚が白夜を襲う
(うっ……少しきついな……)
その感覚に数十秒ほど耐えていると
『変身完了です。声を少し出してみてください。』
「あー……おぉ!」
いつもの声より少し高い声が出た、そして服が少しぶかぶかになった……まぁ少し捲っておけばいいか……
『声の方も完璧です。では転移をしましょう』
(あぁ、分かった)「〈転移〉」
そう詠唱すると背景は宿屋の部屋から路地裏に変わった。
『酒場はここから北ですね。そこの端っこ辺りでマリド伯爵が一人お酒を飲んでいます。』
(あぁ……行くか……隠密)
そう言って俺は酒場に向かった……途中豪華な屋敷が見えたがあれが領主の館らしい。街中に作り住人達との親近感を与える為、前々当主がそこに作った……らしい、一応貴族街もあるみたいだがこの街は小さいらしい…サクヤの情報うろ覚えだなぁ…
そんな事を考えていたら酒場に付いた そして扉には「貸し切り」と言う看板が付いていた。 俺はそれを無視して隠密を解き演技を使用して扉を開けた。
中はこじんまりとした酒場と言うよりはバー見たいな感じの場所で渋いマスターがコップを磨き、幸薄そうな白髪のイケメンが一人で酒を飲んでいた。
本日はマリド伯爵のみで他の客などは居ない。
マリド伯爵とマスターの仲がよく一人で飲みたい気分と言ったらマスターが店を閉めてまで一人にしてくれたらしい。
俺が入ってきたのを見て渋い感じのおじさんマスターが
「お客様、本日は貸し切りになります。看板がありましたよね?」
「やぁやぁ、すまないネ、でも追い出すのは勘弁して欲しいネ、今日はちょっとそこに居る人に良い情報を伝えに来たんだヨ」
と幸薄そうなイケメン……マリド伯爵に聞こえる声出す。
「だ……そうですが」
「はぁ……そんな奴、知らん……帰らせてくれ……」
マリド伯爵は溜息を吐きながらそう言う
「だ……そうだ……帰ってくれ」
「それが娘の病気を治す薬の情報でもカ?」
俺がサクヤから事前に効いた情報の一つを言うとマリド伯爵はピクリと肩が反応した。
「あーあー残念だネ、折角いい情報があるって言ったのに…追い返すとは、じゃあ一人で薬の情報探し頑張ってネ」
と、わざとらしくフラフラと出ていこうとすると
「ま、待ってくれ!」
「はい?」
「何処で……それを……そして何故俺の正体が分かった……」
「ワタシはムーン、情報屋をしてるネ、お前…マリド伯爵の周りが面白そうだから調べてた…ネ?」
「なん……だと……!?いつからだ?」
「……いつからだろう……ネ?」
そう言いながらニコニコと笑う。
「信じてもいいのか……」
「信じると良いネ、ワタシの情報は確実だヨ……なんなら薬の情報代のみで初回サービスとして妻の浮気の情報もオマケしちゃうヨ?」
「ッ……そんな……リーシャが……でも…いや……まさか……」
「さて、どうするネ?今ならたったの五千リアだヨ?」
「……あぁ、話を聞こう。」
「毎度ありぃ…報酬は情報を聞いてから貰うネ」
「あぁ……とりあえず座ってくれ……」
そう言われ俺はマリド伯爵の隣に座った。
先輩の情報屋ロールプレイの演技がエセ中国人の件について。
白夜の見た目
身長175cm
黒髪黒目
平均ちょい上の顔をしている。
ミスでちょっと二重で送ってしまいましたが、色々調べてみたら何とか消せました。
1月7日 三点リーダーは2つがいいと読んだ知人に言われ変更しました。
1月14日 マリド伯爵の髪の毛の色を追加しました。