98話 ハルバート侯爵5
遅れてしまい申し訳ありません。
体調を崩してました。
~ハルバート侯爵視点~
今日も俺は自室で椅子に座りながら部下達の三枚の報告に大雑把に目を通していた
領地の貧困が順調に治ってきました、領地に呪いをかける命令をした貴族達は粗方捕まえました。
数名程、拷問などで情報を聞こうとした時、その貴族達は自殺しました。
ぬいぐるみ屋の呪具の回収は終わりました。呪具の量が多く、周りに被害があるので燃やす場所を探してます。
ぬいぐるみ屋の店員など、数名消息不明、捕まえた奴等は何も知らないの一点張り、現在も消息不明の人物達を調査中
トリミヤ商店が最近、新しく出来た村に到着した後、色々道具を開発する予定、その村でも噂を広めている、引き続き監視をします。
要点を抑えると三枚の報告書にはそう書かれていた。
俺はその内容にため息を付いた
あまりに情報が無さすぎる……関係者が軒並み死んだり、消えている……俺は何やら関わってはいけない領域に行っている様な気がする……
ムーンは俺に何をさせたいんだ……それを聞く為にも今一度ムーンに会いたい、だがムーンはぬいぐるみ屋の時以来こちらに来ていない……
トリミヤ商会長から聞いたムーンの知り合いが開いたと言う鑑定屋にはヘルリアを送っているが……あちらも収穫がない……
そんな事を思いふけていると
コンコンとノックの音と
「ハルバート様、偵察から帰ってきました。」
とヘルリアの声が聞こえた
「……入れ」
「はっ、失礼します。」
俺はそう言うと彼女は部屋の扉を開き部屋に入ってきた
「どうだったか?」
俺がヘルリアにそう聞くと
「はい……あそこの店主だと思っていた人物は雇われで、そこにいた子供の一人が店主でした、そしてその子供は高度な鑑定眼を持っていました……」
「そうか」
なるほど、店主が子供……その子供がムーンの知り合いなのか?
「それで、鑑定をしている間に話を聞けたのか?」
俺がそういうと彼女は申し訳無さそうな顔をして
「いえ……鑑定が一瞬で終わり……話を聞けませんでした……そしてその鑑定は作者の名前までも分かるレベルで……その一つで急いで報告しないといけない事も出来たので帰ってきました」
「作者の名前までわかるレベルを一瞬だと……!?」
俺はその報告に驚いた
鑑定は普通名前だけならすぐ分かるが、細かい事を鑑定しようとすると集中力と時間を使う、そしてその細かさは術者のレベルにもよって出る情報も違う
それを一瞬でやりとげるとは……
俺は驚いて問い詰めようと思ったが、それ以上に報告したい事が気になり
「それで、報告したい事とは」
と話を進めた
「はい、その鑑定師が言うには……」
そういい彼女は一枚の絵を取り出した
道化師のパレード……今回の鑑定の為に俺がヘルリアに貸した絵だな……私が昔買った絵だ、鑑定書だとかなりの価値だと書かれていたが……この絵がどうしたんだろうか
「この絵が贋作で、作者の名前や住んでいる地域まで言い当てました。」
「贋作……!?」
その言葉に俺は衝撃を受けた
俺は確める為に一つ偽物は混ぜたが、それは最後に用意してた壺だった
その壷は俺の知り合いが趣味で遊びで作ていた壺だったのだが、この絵が贋作だと!?
「本当か……?」
「彼女は我が娘に関して事前に見せて貰った鑑定書通り……いえ、それ以上の事を鑑定できていました……なので恐らく本当かと」
俺はその報告を聞いてしばらく考えた
そして結論を出した
「……俺が直接行って確かめるか、その贋作と言うのについては今は保留にしとくぞ」