堕天使の書16 罪花の接客
白夜から情報屋について聞いてから数日
白夜と接客の練習をしながら私はワクワクしていた
いつお客様が来るのか、私の出番はあるのだろうかと
だけど、何日立ってもお客様は来なかった
来たのは道に迷った女の人が一人だけ……
今日もまた接客の練習なのかな……そんな事を思っていると
今日は珍しくお客様が来た。
前に迷ってきた女の人が来た、掃除をしてて鑑定してもらいたい物が出たらしい
それを聞いて私の出番と期待していたが、女の人は最初、変身した白夜に頼んでいた、白夜は私が店主だと訂正してくれていたりした
そして女の人と私は今、机を挟んで対面していた
「え、えっと……ツミカちゃんでいいわよね?鑑定を頼みたいのだけど……」
「えぇ、構わないわ、鑑定は鑑定する物一つに付き30リア、鑑定書を出すなら50リアよ」
「分かったわ、今回は鑑定書無しでお願いするわ」
と女の人は言う……敬語を使ってないけど……こんな感じで大丈夫かしら?
私は白夜としていた接客の練習を思い出したその時、白夜に
「敬語とか使わないで大丈夫なの?」
って聞いたけど……
「慣れない敬語よりは素でやった方が罪花はいいぞ、無理して使おうとすると不自然になってるから」
って言われたから素で話しているけど……大丈夫かしら
「今回鑑定する物は何かしら?」
「ええ、それはこれよ」
と言い彼女は鞄の中から
二枚の絵と変な形の壺を一つ、輝く布を一枚取り出した
絵は一枚は綺麗な女性が書かれていた
もう一枚の絵は四人の道化師が劇をしている風景が書かれていた
「鑑定にはしばらく時間がかかると思うから……私はそれまで、離れているわね」
と女の人はそう言い、席から立ち離れていった……
……とりあえず、鑑定しないと私は眼帯を外し
今目の前にある鑑定物の詳細を軽く知りたいと思った、するとすぐに詳細が知れた……なるほど
私は席から立ち上がり、白夜の方で話そうとしていた女の人に終わったと告げた、彼女は驚いていたが、すぐにこちらの方に来てくれた
「本当に終わったの……?」
彼女は私に確認する……
「えぇ……まず、一つ目の女の人の絵なのだけど……タイトルは我が娘、作者はドミニク……創神歴821年に書かれた絵で、ドミニクの娘、ローリを書いた絵ね……」
私がそう言うと彼女は驚いていた……だが彼女は何も言わない
白夜との約束通り、鑑定結果で嘘をついてないからいいわよね……?
女の人は黙っている……続きを言ってもいいのかな?
「二枚目は道化師のパレードと言う絵画の贋作……作者はビート、この街の西の方に住んでいる……絵の鑑定は終わったわ」
「なっ!?」
私が鑑定結果の続きを言うと彼女は少し声を出して驚いていた……
倉庫から出てきた物らしいから……贋作が紛れてても仕方ないと思うのだけど……騙されて買ったのかしら……?
「次にこの壺なのだけど……」
と私が言おうとすると
「いや、もう結構、すまないが私は帰らせて貰う、今日はありがとう、報酬は置いていくわ」
と言い鑑定代を払い、鑑定物を鞄にしまうと
白夜に挨拶して帰って行った……
何か変なことをしたのかな……?
軽く別の短編を書きたい……けど時間がない……