13話 情報屋ムーンの始まり
「〈転移〉」
そう詠唱すると空間が歪み浮遊感を感じ風景は森から薄暗い路地裏に変わった。
『転移が終わりました。これより服屋への案内をさせて貰います。』
「あぁ、ありがとう」
そう言い俺は歩き出し、サクヤに案内された服屋に付いた、扉を開けると色々な服とカウンターに老婆が居た
「いらっしゃい」
「日よけになる黒いフードが欲しいんだが……あるか?」
「あぁ……そこにあるよぉ 一つ15リアじゃよ」
老婆の指差した所から丁度いい黒いフードを選び老婆にお金を渡した
「毎度ありぃ……」
その声を聞いた後、腰カバンに畳んだフードを入れ、俺は服屋を出て宿屋の自分の部屋に帰りベットに寝転がりながらサクヤに話しかけた
(なぁ……サクヤ……俺は今日からそろそろ情報屋として本格的に動こうと思う、その時のルールを考えた、何か他にも良い物があったら教えてくれ)
『はい、分かりました』
(まず一つ目だ “俺の正体は秘密にする” これは絶対だ)
『そうですね、どんな情報でも持っている男なんて国が全力で囲いに来ます。他にも色々ありますし、それが良いかと』
(二つ目は “どの国にも属さない”)
『これも上と同じような理由でございますね』
(あぁ、三つ目は “裏方として動く” だ。情報屋は裏で情報を売り情報を集める、それ以外はしない。)
『はい。それも特に問題ないですね』
(四つ目は “合言葉は気に入った奴のみ、口外は余程の事がない限りしない事を約束させる” これは変な犯罪者とかに変に情報を与えたら困るからな、そう言う対策だ)
『それでしたら、私が客の犯罪歴など調べましょう。』
(そうか、ありがとう……そして最後五つ目は “俺自身の情報は絶対に売らない”)
『……なるほど、そうですね 特に問題無いかと思います。』
(現在の目標は二つ 情報一つで国すら動かせる情報屋になる と 知る人ぞ知る情報屋になる。誰もが知ってる情報屋じゃ秘密の格好いい情報屋じゃない。強者や一部の人が知る情報屋や裏社会のボスとかそう言う人たちだけが知っていてあとは噂程度とかの方が格好いい。)
『そうですか』
(そして俺は情報屋としてさっきの名前は買った満月のペンダントを見て思いついた……“情報屋ムーン”って名前でやって行く。)
『ムーン……ですね、分かりました。』
(ムーンの時の時は顔や見た目、声を変え、先輩のロールプレイを参考に語尾に少しアクセントを付けて話す。そして満月のペンダントを付けてそれ以外での見分ける方法を無くす。合言葉は情報を売りに行く時は“月の雫を持ってきた”買いに来る客に教える合言葉は“月の雫を飲みに来た”だ。)
『白夜様が考えるのなら良いと思いますよ。』
(うん、そうだな。じゃあこれで決定だ。うん、よし!初回の人には合言葉無しで……貴族辺りに売りたいんだがどう思う?)
『そうですね……はい、良いと思います。売るのに丁度いい貴族が一人…マリドの領主 ルーブルク=マリド伯爵が居ます。マリド伯爵は現在妻との不仲や娘の病気で悩んでおり、気疲れから息抜きにお忍びで北の方にある伯爵邸近くの酒場を貸し切りにして飲んでいる事があります。その時に売りに行きましょう』
(あぁ、ありがとうサクヤ情報を売るのは今は夕方辺りだから今日の夜にしとくか……サクヤ、伯爵に売れそうな情報を教えてくれ)
『了解です。』
作者が偽名を考えてた時月を見て思いつきました
月の雫に関しては何となくです。