表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界情報屋暮らし  作者: 紅い狐
鑑定屋「夜空」
146/174

93話 初めてのお客様

CoCに手を出してシナリオ書いてたら遅れました。

申し訳ありません。


店を開けてから二週間程立った

相変わらず客は来ない

本当に人が来るのか不安になってきたが……そんな事を考えながら、叶が寝ている間に一階で座りながら罪花と話していると


『白夜様、あと十分程したらお客様が来られます。』


(そうか……)


「罪花、そろそろお客様が来るぞ」


「えっ……ど、どうしましょう」


「落ち着け、ここ数日しっかり練習した、落ち着けばいける」


「そ、そうね……」


そう言い罪花は深呼吸した。

少ししたら落ち着いた様だ……俺も準備をしないとな


「さて……」


と俺は椅子から立ち、罪花の前で変身をした。


「ひっ!?」


今回は50代後半をイメージして変身したが……この変身の時の痛みには慣れてきたな……


「びゃ……白夜よね?」


「ん?そうだが」


俺は変身で変わった声で返事をした


「そ、それが変身なのね……いきなり顔とか体が歪んだから何が起きたのかと……」


「……あぁ、変身を目の前で見せるのは初めてか……そんなに見た目やばかったのか?」


「夜中に夢に出るくらいには……怖かったわ」


「そうか……ごめん……」


『もうそろそろ来ます。』


(そうか)


「と、こんな話してる場合じゃないな……あと少しで来るらしい……」


「分かったわ」


と俺達は準備に入った。

そして、一分後くらい、扉が開かれた

俺が扉の方を見ると一人の女の人が立っていた……あれ?誰かに似てる気がするが……


『ハルバート家で門番をしていた、ヘルリアさんですよ、どうやら噂を聞いて侯爵家が調べに来た見たいです。』


(あぁ、あの人か、性別を変えて捜査か……大変だな)


俺はサクヤと呑気に話していた。

こうなるのは数日前、侯爵家がムーンの事を調べ始めたのをサクヤから聞いて予測済みだ、動揺はしない


「あのー……すみません、ここお店……ですよね?看板があったので来たのですが……」


とヘルリアさんは演技をする……


「い、いらっしゃいませ、はい、鑑定屋 夜空 です。ようそこ、お客様」


と罪花は挨拶をする。

俺はバーだった時の名残でそのまま店に使おうと残していた、バーカウンターの所でコップを磨いている……良く漫画にいるマスターの演技だ


「えっ……鑑定屋?しかも子供が……?」


とヘルリアさんは驚いた反応をしている


「お客様、どうかなさいましたか?」


と俺はコップを磨くのを辞め、ヘルリアさんに話しかける


「あぁ、良かった……大人の人も居た……あの、道に迷っちゃって……悩んでいたらここを見つけて、道を教えて貰おうと……」


としゅんとした様にヘルリアさんは言った


「そうですか、それは災難でしたね……私で良ければ道を教えましょうか?」


「ありがとうございます!あの、お邪魔になるかもですが……少し疲れたので休んでいっても良いでしょうか……?」


「ええ、構いませんよ、適当に空いている席にお座りください。」


「ありがとございます。」


と俺とヘルリアさんは話した。

ヘルリアさんはお礼言い、適当に空いている席の一つに座り、不思議そうにキョロキョロしていた……


(調査する人ってしって無ければ殆どが自然な動きなんだけど……俺は知ってしまってるからなぁ、まぁ、お客様だ……しっかりもてなさないと)


俺はバーカウンターに戻り、バーカウンターの下に置いておいた冷蔵庫の魔道具を開いた

中は緑茶など、普段俺達が飲んでいる物しか入っていない……飲みかけの物をお客様に出すには少し失礼だな、何か出すか……


『彼女は甘い飲み物が好きですので、果物系のジュース辺りを出すのをオススメします。』


(おっ、そうか、ありがとう、サクヤ)


とサクヤから助言が来た。

俺はサクヤにお礼をしてからそっと小声で詠唱してガラスポットとリンゴジュースを出した。

俺は用意してあったコップにリンゴジュースを注ぎ、トレイに乗せヘルリアさんの所に行き


「これはサービスです。ごゆっくりどうぞ」


とジュースをヘルリアさんの所の机の上に置いた


「ありがとうございます。」


とヘルリアさんのお礼を聞くと、俺はバーカウンターに戻った

ヘルリアさんは軽くジュースを見て、少し考えた後、ジュースを一口、飲んだ


「お、美味しい!甘い!……はっ!?」


と言いヘルリアさんは恥ずかしそうにこちらを見た


「し、失礼しました。」


「いえいえ、気に入って貰えたなら構いませんよ、おかわりもございますので、ごゆっくり」


と俺は言う


「い、いえ、もう疲れも取れましたので……私はそろそろ帰らせて貰います。飲み物、ありがとうございます。」


「いえいえ、サービスですので、分かりました、では」


と俺は彼女に言われた場所までの案内を口で伝え、彼女は再び礼をして帰っていった……


「よし、とりあえず、最初のお客様は帰っていったな……」


「えぇ、そうね……私……必要なかったわね」


と罪花は言う

最初のお客様だったが……昔のカフェのバイトの癖で、俺がほとんど接客してしまった……罪花には悪い事をしたな……



初めてのお客様なのに鑑定しなかったでござる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ