89話 水無月 叶4
やっと休みです。
遅くなって申し訳ありません。
朝になりまだ俺のベットで寝ている叶を置いて俺は食堂に向かった
ルーカスがいつも通り朝食を作って持ってきてくれた
そうだ……そろそろ宿屋から出るからルーカスに言っとかないと行けないか……
「おーい、ルーカス」
俺はそう思いルーカスに声をかけた
「ん……ビャクヤか、どうした?」
「あぁ、明日辺り、宿屋を出て別の場所に引っ越す予定なんだ、だからルーカスに伝えて置こうと思ってな」
「そうか……」
とルーカスは落ち込んだ表情をする
「まぁ、王都の中だからたまにはこっちにも来るから永遠の別れって訳ではないからな」
「……そうか、分かった」
そう言うとルーカスは別の泊まっている人の食事を作るのに厨房に戻って行った
よし、これでいいか……俺はそう思い朝食を食べ、部屋に戻った……すると叶が起きていた……眠たそうに目を擦り、ハッとすると何か鬼気迫る表情を辺りを見渡し、俺の姿を見ると笑顔になり
「あっ!お兄さん!」
と言い俺の方に来て俺に抱きついてきた……相変わらず少し力が強い
俺がその突然の行動に固まっていると
「良かったです……昨日寝ている間に居なくなったのかと思って焦ってしまいました……本当に良かったです……」
と叶は言っていた……そしてハッとすると慌てて抱きついている俺から離れた
「すみません、突然抱き着いたりして……ただ本当に居るのか確かめたくって……すみません」
と叶は少し恥ずかしそうに言い俺から少し離れてベットの上に座って俺を見て笑顔でいた
やはりこの子、妙だ……会って一日も立たない俺を信用しすぎている……やはり魅力のせいなのか……?
流石にスキルのせいなら可哀想だな……スキルのせいかそうじゃないかくらいは確認しとくか……
(サクヤ、この子がこんなに俺を信用しているのは魅力のせいか……?)
『それも少しありますね……叶さんは現在愛情と家族的な愛情、隠し状態異常 依存症を持っています。』
(……えっ?依存症……?どうしてだ?)
『……叶さんの過去と性格が主な原因ですね』
サクヤはそう答えてくれる……
過去と性格か……気になる……この際、サクヤに聞いてしまうか……?叶の口から聞こうとすると……昨日みたいな事になりそうだ……仕方無い、あまりやりたくなかったが聞くか……
(サクヤ……叶の過去について教えてくれ……)
『分かりました……白夜様が知りたい所ですと……水無月さんは過去に二度、家族を失っています。』
(……そうか)
『一度目は一人で叶さんをずっと育てていたお母さんを交通事故で、二度目は寿命でお婆ちゃんを失っています。彼女は学校でイジメられており、家族の前では心配させないように明るくしていましたが……家族を二度失った事で抑えていた色々な感情が噴出し、そのまま自分で……なので、不老不死の白夜様を見つけて依存してしまったのです。』
なるほど……そうだったのか……それは辛かっただろう……だが、そのせいで俺に依存してしまっては叶の為になるのか……?駄目だろ……依存症を治さないとか……
(……依存症を治す事は出来るのか?)
『……依存症は、その対象がそばに居なかったり、無かったりすると不安になり色々してしまったりする状態異常です。このタイプの依存ですと……薬で記憶を消して治したり出来ますが……記憶を消す薬を使っても一時的に消えるだけですので、後から思い出されると捨てられたと思い、また……』
(……なら駄目だな)
『では遅くなりますが少しずつなら治して行く事にしましょう……』
(そうだな……)
「お兄さん、どうかしましたか?」
「いや、何でもない」
「そうですか〜、えへへ」
と叶は笑顔で俺を見ている……
俺は叶の依存症を治す決心をした後、叶に見られながら引っ越しをする作業を進めた。
結局、サクヤに聞いちゃいました。
隠し状態異常
状態異常の場所に表示されない状態異常、依存症の他に狂信などがあります。
叶ちゃんは美少女です。好きな人を取られた子達のグループにいじめられました。
髪の毛が白いのは地毛です。
罪花ちゃんも可愛い子です。
髪の毛の白い部分があり、そこは染めていますが、転生した時に定着して地毛になりました。
白夜君目線だと可愛いとかは思いますが、どちらかと言うと、親戚の女の子を見ている感じです。