11話 マリド観光 露天市場にて
露天市場に行くと辺りは賑わっていた屋台や布を広げてその上に商品を広げている人達がところ狭しと商売していた
『露天市場です。ここでは掘り出し物やお買い得の物など色々あり、私が居るので偽物を掴む可能性もないのでオススメしました。』
（おぉ……そうか……しかし色々あるな……）
そう話しながら露天を見て歩いていると
『白夜様、お待ちください、あの左側にある青年が箱を置いて黄色の布の上で売っているお店、かなり品揃えが良いです。』
（ん……？箱しかないみたいだけど……）
『あの箱の中身、ほとんど魔道具ですよ。しかもどれも1000〜1万リアくらいする奴です。それを20リアで売っています。』
（おぉ、それは凄いな見てみるか）
そう話し合い俺はその店の前で止まって青年に話しかけた
「ここの商品を見てもいいか？」
「んぁ？あぁ、構わないよ、爺さんの遺品のガラクタを適当に売ってるだけの店だけどな」
「そうか……」
そう言い俺はガラクタの箱の中身を見ていた変な見た目のぬいぐるみ、古そうな本、小さな何処かの鍵、少しボロい布袋、ボロい水筒と俺にはガラクタにしか見えなかったがぬいぐるみを退けて下を見てみたら綺麗な銀で出来た星のペンダントと満月のペンダントを見つけた
（いいな……これ……）
『満月のペンダントと星のペンダントですね、月のペンダントは夜に視界の補正 星のペンダントは夜に光りますね。ランプなど必要なくなりますしオススメです。どちらも効果が少ないですが綺麗ですので買うとしたら1200リア程度の魔道具です。』
（これを一つ20リアで買うのは罪悪感がなぁ……そうだ……良い事思い付いた……）
「なぁ、兄ちゃん」
「……んぁ？決まったのか？」
「はい、このペンダントを2つ」
「ん？そんなのも入ってたのか…まぁ綺麗だが入ってたもんならいいぞ……」
「ありがとうございます。」
と40リアを払った
そしておもむろに隠密時のステータスを見せながら俺はこう話し始めた
「いや……実は私鑑定能力を持っているのですが……これの中身はどれも魔道具なのですよ……例えばほら、このぬいぐるみ……これは……」
『身代わり人形ですね、致命傷を一度身代わりになってくれるタイプです。安くても一万リアはします。』
「身代わり人形といい致命傷を一度身代わりになってくれる……最低でも一万リアくらいの魔道具ですね……失礼ですがお爺さんのお名前を教えて貰えませんか？」
「えっ！？魔道具！？一万！？……え、えっと……死んだ爺ちゃんの名前は……ゴアミスって言うんだ……」
『ゴアミス 60年ほど前、星6冒険者まで上り詰めた有名だった冒険者ですね、冒険者を辞めた後隠居生活をしたと言われています。』
「……ゴアミスだって！？もしかしてその人60年前星6冒険者まで登り詰めた人じゃないか？」
「星6！？い、いや……爺ちゃんはそんな凄……でも……確かに昔話する時たまに、ワシは凄い冒険者じゃったんやよ！とか言ってた記憶が……でも……ボケてたと思ってちゃんと聞いて無かったが……そんな……」
「……多分、この魔道具達をガラクタ扱いできるなんて……冒険者ゴアミスで間違いありませんね、信じられないなら、店を畳んで早めにちゃんと鑑定して貰った方がいいと思いますよ」
「あ、あぁ……ありがとよ、危うく大損しかけてた……」
「良いですよ……ただし情報料としてこのペンダント2つは40リアで買わせて貰いますね、どちらも1200リア程度とこの中では少額です。」
「あぁ、いいぞ……」
「ありがとうございます。」
そう言い俺は店を後にした。
『優しいですね』
（いや、流石に1200リアの物を40リアで買うとなると罪悪感がな……）
『そうでございますか。』
少しサクヤが笑っている様な気がした
そんな事もあったがそれ以外露天市場では特にサクヤの反応もなく俺も欲しい物も無くフラフラと見るだけで露天市場の観光は終わった、その頃には昼近くになっていた
『次は昼食でも食べましょう。そうですね……今度は転移魔法と、食料創造魔法を使ってみませんか？』
（あぁ、そうだなそうしよう。）
現在の白夜の所持金 262リア
報酬 情報料合計350リア
入場料25リア 水10リア ペンダント40リア ウサギ肉の串焼き3リア
