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異世界情報屋暮らし  作者: 紅い狐
第四の転生者“達”
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78話 トリミヤ商会1

78話 トリミヤ商会1


〜トリミヤ商会会長 トリミヤ視点〜


トリミヤ商会の私の部屋で私は一人の青年と座りながら話をしていた。


「会長様、今日は熊のぬいぐるみを持ってきました。」


「うむ、ご苦労、報酬はいつも通り渡そう」


「毎度あり〜では、私はこれにて」


そういい一人の男が私の部屋から出ていく


「さて……私も早速行くか……」


私はそう言いぬいぐるみをマジックバッグに入れ席を立ち店の者達に挨拶をしてからこっそり目的地に向かった。

そうして目的地の建物に付き、その建物の裏口まで歩き扉の鍵を開け、扉を開き建物の中を歩いていく。

そして目的の部屋に付くとその部屋の扉を開いた

その部屋はぬいぐるみに囲まれたベッドと絵本が入った本棚が置いてあり、そしてそのベッドの上では一人の少女が絵本を読んでいる手を止めこちらを向き


「あっ!お爺ちゃん!」


ベッドの上の少女……私の孫娘エレンが笑顔で私を迎えてくれる

これがここ数ヶ月、私の日課となっている


「お爺ちゃん!今日も冒険者だった頃のお話して!」


「あぁ、エレン、いいぞ、じゃあ今日は雪大猿と戦った時の話をしよう!」


私は数十年前は仲間達数人と冒険者をしていた

私達は冒険者の中ではかなり活躍をしていた……だがある日

ダンジョンに挑み、仲間の女魔法使いを庇った時に左目と左足を失い私は冒険者を引退した。

引退してからは冒険者時代のコネで商人になり、商人でも成功した

その後は私が庇った女魔法使いと再開して結婚し、それからさらに数十年して孫が産まれたが……

孫が数ヶ月前から病気になった

その病気は古い文献にしか乗っておらず、心臓に魔力が溜まり最後には破裂してしまう病気だった、定期的に魔力を吸い出し、破裂しない様に抑える事は出来るが、心臓に負担が大きく体が弱っていく……エレンは今年で9歳なのに……このままでは持って数ヶ月らしい……

治す方法も一つしかなく、その方法もクナイの雫と言う幻の飲み薬を使った事例のみらしいが……中々見つからない……

今も私の話を聞いて笑顔で居るが……本当は無理をしていないだろうか……


「お爺ちゃん!急に黙っちゃってどうしたの?」


おっと……昔の話をしてたら色々な事を思い出して黙ってしまった

エレンが心配そうに私の顔を見てくる


「おっと、何でもない悪いの……そうだ、お爺ちゃんが今日もプレゼントを持ってきたぞ!」


「えっ!本当!」


そう言うとエレンは顔を輝かせた


「あぁ、そうじゃ、今日はの、熊のぬいぐるみを持ってきたんだ!」


私はマジックバッグから熊のぬいぐるみを取り出した


「わぁ!!可愛い!」


そう言うとエレンは熊のぬいぐるみを受け取り抱きしめた

エレンは昔からぬいぐるみが大好きで、いつもお見舞いに来る時に私は持ってきている

エレンの笑顔を見れて私は満足した……さてと仕事に戻るか……


「お爺ちゃんはまだ、これからも仕事があるけど、仕事が終わったらまた来るからの」


「うん!またね!お爺ちゃん!」


娘は笑顔で私を見送ってくれた

私は部屋から出て、その建物……息子夫婦の家から自分の店へと帰っていった


「会長、今日も仕事中にエレンちゃんのお見舞いですか……エレンちゃん、どうでしたか?」


そして店へ帰った時、店にいた一人の従業員が話しかけてきた


「あぁ、今日も笑顔で元気そうだった、私はあの笑顔を見ないと仕事に気合が入らなくてね……」


そんな雑談をした後、私は階段を登り自分の部屋に入ろうとドアノブを握った時、ふと違和感に気づいた


(……むっ、誰か私の部屋に入ったのか?)


私は警戒しながら扉を開けるとそこには

黒フードを被り首元に満月のペンダントを付けた長身の誰かがいた

誰なんだ……泥棒にしては部屋は荒らされていない……武術などは少しはしている見たいだが……刺客か?


「誰だ……?」


そう言うと黒フードの人物はニヤリと笑い


「初めまして……ネ、ワタシは情報屋ムーン……宜しく……ネ」



雪大猿

雪の様に白い毛の大きな猿の魔物

昔、地球の創造神が魔物を出してみようと!と適当な雪山に放った事があるが、魔力が無くすぐに消滅した




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