第四の転生者の書13 村の場所
〜山田 海斗視点〜
「なっ……」
エアが突然目の前から消えたのを見て私は固まった
他の生徒や先生達と共に村雨君も固まっている
「なんだ……空間魔法か、ビックリした」
だが村雨君は直ぐにハッとしてそう呟いた
空間魔法……?
「……あぁ、皆はあまり知らないから驚くよな、俺も突然やられて驚いたけど、空間魔法ってのはまー……テレポートしたり色々できる魔法だ……魔力をかなり使うけど使えると便利って結構覚える魔法使いや冒険者が居るんだ……まぁ、あの人が帰ってくるまでしばらく待つしかないな」
と村雨君が説明をしてくれた、その説明を聞いた私は固まっていた思考や動きが解れ始めた、他の生徒や先生も驚きの表情から普段通りに戻っていく
なるほど……しかしテレポートか……だからエアは一瞬で消えたのか……そんな事も出来るのか……この世界は本当に興味深い
「待ってる間どうしようか」
村雨君の呟いた
「エアさんが確認を取らないと話は進められませんからね……ここで待ってるくらいしか無いですね……」
と直人先生が言った
まぁ……エアが居ないと話は進められませんからね……仕方ないか……
そんな事を思っていると
「村雨!……異世界では勇者らしいけど……どんな事をしてるんだ?」
と少し言葉を考えながら永山君が村雨君に話しかけた。
永山君……村雨君と生前何か合ったみたいだが……やはり少し気になるのだろうか……?
「あぁ、勇者と言っても基本はいっつも訓練所や城の庭で鍛錬をしているな、たまに息抜きで顔を隠して街に来たりして気楽だな……まぁ、今日みたいにフードが取れてバレなきゃだけど」
と、村雨君が答える
あぁ、村雨君と最初に会った時の人だかりはそういう事だったのか……勇者ってのはこの世界では人気なんだな……
「そうか……そう言えばお前夢のチートで美少女ハーレムは作れたのか……?魔王を倒してあの騒がれようだとかなり出来てるんだろ……?」
と永山君は村雨君にさらに質問をしていく……
すると村雨君は少し肩をピクリとさせた後
「……まぁな……一応貴族の女の子とかがちらほらしてくれるぜ……まぁ、女に興味が無いから悪いけど相手にしてないけどな……」
と村雨君は答える……すると永山君はかなり驚いた表情をしていた……
「あの村雨が……あのいっつもモテたいと言ってた村雨が……!……あの修学旅行で覗きを企てた村雨が……女に興味がない……?何があったんだ!?」
と村雨君の肩に掴みかかった。
そんなに驚く事なのか……?
「大丈夫だ……この世界に来て色々変わったんだよ」
と村雨君は少し暗い声で永山君の質問に返答をした……
すると永山君は村雨君から手を離し……
「あぁ……やっぱり俺のせいで……異世界でも元気でやってるか聞きたかったがこの調子じゃ……刺された場所が悪かったのか……?村雨なのに村雨じゃないぞ……」
と永山君は本気で悩んでいた……
私は彼の事をあまり知らないが……知ってる彼からすると村雨君が女の子に興味がないのはかなりショックなのか……
そんな事を思っていると
「ふぅ……疲れた……」
「うわっ」
と言う声と共に何故か少し服が毛だらけのエアが突然私の目の前に現れた。
「おっと、ごめん」
とエアは私から少し離れて。
「村を作る事を伝えたのと作る場所の許可を取れたから戻ってきた。突然消えて悪いな、まぁ、許してくれ」
とエアは私達に謝ってきた。
「……そうか、で、場所は何処なんだ?」
と村雨君は永山君との話を切り替えエアに質問をする。
「あぁ、ここから少し南にあるカナシス平原と王都の間にある森の中間辺りの川がある場所だ、俺達が休憩所にしてたけど、あそこは水もあるし木も良い感じだったからな……それに」
とエアは言う……
あぁ、あのマジックバックを貰った場所か……!
「待ってくれ……森の中か?確かに水があるのはいいけど……木も邪魔そうだし弱いが魔物とか居るから村とか作らないって他の兵士とかから聞いたけど……何で森の中なんだ……?」
村雨君はエアの言葉を遮り質問する……
そんなに立地が悪いのに何故なんだ?
そんな事を思っていると
「まぁ、話は最後まで聞いてくれ……その場所にはな……近頃だが近くにダンジョンが出来るかもしれないからだ」
とエアは言う……すると村雨君が
「何!?ダンジョンが出来るだと!?本当か!?」
と少し大きめな声でエアに問いかけた。
読み返し作業してから時間が過ぎいてた……orz