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異世界情報屋暮らし  作者: 紅い狐
第四の転生者“達”
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73話 エア7


「ほら、食べてみろよ、美味いぞ」


俺はそう言いボアファングの串焼きが入った皿を転生者達に差し出した


「……これは?」


すると若い男性教師が質問をしてきた……あー……転生者に魔物の肉って言うと驚かれそうだし……今は黙っておくか……


「あー……これはイノシシの肉だよ、多少臭みがあるが塩と香辛料で味付けしてあるから少しピリッとするけど美味しいぞ?ほら、食べてみろよ」


俺はそう言いその教師に串焼きを食べるように勧めた


「……ありがとうございます。」


「おう、良いってことよ、他の皆にも配って来るからまたな」


教師は串焼きを一本受け取りながらお礼を言っていた、俺はそれを聞くと離れて別の生徒や教師にも串焼きを渡していった

皆、美味しかったのかすぐに串焼きを食べきっている人も居た


「おっ、食べ終わったか、串は俺が回収するから渡してくれ」


「ん……?あぁ、分かった」


「それじゃ、俺は他の人のも回収してくるわ」


俺はそう言いながら食い終わった串を回収しながらサクヤに話しかけた


(サクヤ、勇者はあとどれくらいで広場に付く?)


『はい、勇者はあと一時間半くらいで広場に付くかと』


一時間半か……まだ時間があるな……暇を潰すか……


「うっし、皆食べ終わったな……これから少し暗くなるまで……どう時間を潰そうか……」


時間を潰せる様な場所……地球ならゲーセンや色々と時間を潰せる場所があるが……一時間半歩きっぱなしってのも……


『転生者達を図書館に連れて行って罪花さんの時みたいに本を読ませるのはどうしょうか?多少入場にお金がかかりますが、異世界での知識なども付きますし一石二鳥かと』


(図書館か、それはいいな……しかし金か……転生者達は125リアしか持ってないが……)


『本は貴重ですので、入場料には200リアかかります。ですが本を傷つけたりしなければ150リアが返ってきます。』


(そうか……出費が少し痛いが……返ってくるなら俺が払うか……ありがとうサクヤ)


「んー……図書館にでも行くか……?色々な本を見られるぞ?この世界について色々知れると思うし……どう思う?」


サクヤと話た結果、俺がそれとなくそう言うと


「図書館……良いですね!」


「お、おう……じゃあ、図書館にするか……行くぞ」


若い男性教師が食い気味に目を輝かせながら賛成してきた……何か凄い迫力だったな……

俺は転生者達を連れ図書館へと歩いた、図書館は冒険者ギルドから近く、すぐに到着した


「ここが図書館だ、まぁ、入場料は俺が払うから、少しの間、暇を潰そうぜ」


俺はそう言いながら図書館に入った、図書館は2階建てで吹き抜けになっており、中央に2階建への階段、出口左側に受付、右側に読書スペース、左側には間隔を開けて置かれる数個の本棚、壁は埋め込めれた本棚と沢山の本があった

初めて来たが思ったより本があるな

俺は受付に座って本を読んでいる長髪白髪の眼鏡をかけている女の司書さんに話しかけた


「すみません、13人、入りたいんだが」


そう声をかけると司書さんは読んでいる本から目を離し俺の方を見た


「……2600リア」


「はいよ」


俺はその司書さんに入場料を渡した


「……本は貸出不可、写すのはあり、紙とペンは売っている、帰る時に1950リア返す。本の場所は私に聞いて」


と司書さんは軽く図書館の説明をしてまた本の方に目を落とした……接客してるのに凄い態度だな……まぁいいか……紙とペンは……一枚1リア、ペンは10リアとインク2リアか……節約の為に俺が出すか……


「受付終わったから自由に見に行っていいぞ、本は貸出不可だけど写すのはありだから、紙とペンが欲しけりゃ俺に言ってくれ、俺も本とか適当に見てるから、本を探したかったら受付の人に聞いてくれ、出る時また声をかける。」


俺はそう伝え適当に図書館を歩き始めた

しかし図書館か、前世では昔行った事はあるが、この世界では俺にはサクヤが居るから来た事が無かったな……本も適当に罪花とかに買うだけで自分用に買っても途中にサクヤから情報が入って読まないようになったな……久しぶりに俺も読書でもするか?


(サクヤ、今から俺は読書するから、少し話しかけないでくれ、情報を知る為じゃなくて暇潰しだから)


『……分かりました。本より私の方が……どうして本が……』


俺はサクヤにネタバレしない様釘を刺した……少し不満そうだがサクヤにネタバレされたら本を読まなくて良くなって暇になるからな……

そんな風にサクヤに言っていた時


「すみません、紙とペンを下さい。」


と若い男性教師が本を持ちながら紙とペンを俺から受け取りに来た


「おう、分かった」


「ありがとうございます。」


そう言い俺は紙とペンとインクをマジックバックの中で創造しをその教師に渡した、それを受け取るとその教師はさっさと読書スペースの机の方へと向かった

さて……本を探すか……どの本にしようか……ここまで多いと悩むな

そんな事を思っていると本棚の前で一人本棚の上の方を見つめている女生徒が居た……あの背丈は……花鳥さんか……雀さんか?何してるんだろうか


「どうしたんだ?」


「あっ……えっと……エアさん……」


……この感じは雀さんだな


「司書さんに聞いて美術系の本が此処の上の方にあると聞いたのですが……届かなくて、踏み台は他の人が使ってますし……とりあえず使い終わるまで待ってようと……」


そう言い本棚の上を見ていた……まぁ雀さんは小さからな……俺なら届くな……


「どの本だ?取ってやる」


「ありがとうございます。えっと……赤い表紙の本です。」


俺は雀さんに言われた本を取り雀さんに渡した


「ありがとうございます」


「別にいいよ」


「えっと……それでは……」


彼女はお礼をいい俺から離れて行った……しかし絵の本か……最近本もだが絵とか見てなかったし丁度いいな……俺も見てみるか

そう思い俺は雀さんが見ていた本棚を眺め、適当に感覚で表紙が青い本を一冊取り、読書スペースの方へ向かい椅子に座り本の表紙を見た

その青い本には歴代の絵画集と書かれていた

俺は適当に本をめくっていくと色々な絵が白黒の状態で念写の魔道具で念写された物とタイトルや解説が書かれていた

俺はその画集を見ていった

俺には理解できない抽象画、誰かの自画像、どこかの風景画など、その中で一枚、とても迫力のある肖像画があった、その肖像画は一人の力強そうな威厳のお爺さんが書かれていた、絵ではあるがとてもリアルでまるで生きているかの様な眼をしていた、俺はこの絵を気に入りタイトルと詳細を見てみると


作者不明 偉大な王


作者不明の絵 タイトルが裏に書かれており、恐らく絵本の作者不明シリーズの主人公の一人、偉大な王を描いたのだろうと噂されているが詳しい事は分かっては居ない

この絵はとても力強く芸術的な価値があると言われている。

王城の宝物庫に何年も前から飾ってある。


と書いてあった……作者不明シリーズ……?何だろうか……まだ時間があるな……読んでみるか……場所が分からないが……サクヤには今は黙って貰ってるから司書さんに聞くか……

俺は読んでいた画集を戻し、受付へ向かった、司書さんは相変わらず本を読んでいた……


「あの」

 

そう声をかけると視線を本から俺の方に移した


「作者不明シリーズの偉大な王がある場所を知らないか?」


「……受付近くの本棚の左手前下段、タイトルは背表紙に書いてある」


そう言うと司書さんはまた本を見始めた

俺はその司書さんに言われた通りの本棚の場所を見ると数冊の絵本が置かれていた、俺は背表紙のタイトルを見ていった、不幸な薬師……ピエロと少女……森守りのエルフ……偉大な王……あったな

俺はその絵本を手に取り表紙を見た、表紙にはあの画集に書かれていたお爺さんがイラスト画にされた様な絵とタイトルが書かれていた。

俺はその絵本を持ち読書スペースに行き、椅子に座り絵本を開いた

サクヤが黙ってなかったら作者不明(笑)シリーズになっていました。

サクヤちゃんは本を読んでて間違った所があると黙ってられないタイプです。

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