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異世界情報屋暮らし  作者: 紅い狐
第四の転生者“達”
110/174

70話 エア4

俺達が休憩場所に戻ると他の皆が安堵していた

そして若い男の先生が俺を見て


「……その髪、どうしたのですか?」


と聞いてきた……あぁ、まだベタベタが残っていたのか……


「……何も聞かないでくれ……川で洗ってくる」


と言い俺はスライム達の事を思い出しながら川に歩いて行き髪の毛のベタベタを水で流していきタオルを出し髪の毛を拭いた、スライムのベタベタって中々落ちないな……本当にスライム怖い……

そんな事を考えながら頭を綺麗にして皆の場所に戻った


「待たせてすみません、それじゃあ休憩もそろそろやめて王都に向かうよ」


俺がそう言うと座ってた人達は立ち上がりまた森の中を俺達は歩き出した

此処からは特に何事も無く休憩を一回挟み、歩いていると、街道に出て、王都の方に行くや人がちらほら見えるようになってきた。

そしてそこからしばらく歩くと王都の門とそこを入ろうと並ぶ馬車や人の列が見えてきた

そこでふと思い出した、俺以外門を通る時の入場料を持ってるのだろうか……俺が転生した時、お金貰ってなかったが……最悪俺が払うが……


「もう少しで王都だな……そう言えば皆さんは金持ってるのか?入場料に25リアかかるけど」


俺は他の人達にそう聞いてみた、すると


「あっ、お金ってこれの事かな……ズボンのポケットからずっと違和感あって調べたらあったんだけど……」


と一人の男子生徒がズボンのポケットから銀貨一枚と銅貨五枚を取り出した

ちゃんと持ってるのか……150リア……全然足りないな……


「おぉ、それそれ……150リアか……足りないな……他の人も持ってないか?」


そう言うと他の人達もポケットを探り始めた、どうやら他の人達の全員ポケットにも150リアが入ってたらしい……


「全員持ってるな……じゃあ行くか」


俺はそう言い歩き出し、王都への入場する列に並び数分待ち、俺達の番になった


「……身分証と入場料をお願いします。」


とやる気の無さそうな兵士が俺に話しかけてきた。


「あぁ、ここの十二人も俺の仲間だから、一緒に頼む……身分書だけど他の十二人は持っていないから入場料だけとってくれ。俺の身分書は……」


と俺は身分証を出そうとしてふと気がついた、身分証……まずいな……俺は持ってるがビャクヤで登録されてる……ステータスとかは隠密や変身で何とか出来るが……失くしたふりをするか……

俺はポケットを全て漁ったふりをしてから


「あれ……ない……まさかあのスライムの時っ!」


と俺は落ち込んだように話した


「はぁ……では全員ステータスと入場料をお願いします。」


すると門番はため息を付きながらステータスの表示と入場料を求めてきた……良かった……何とかなかった


「分かった。皆もこの門番に入場料を渡してステータスを見せてくれ……ステータス」


そう言うと俺は名前のみだがステータスを開いた。

他の皆も俺を見てステータスを開いたりお金を出したりしていた


──────────


名前 エア


──────────


入場料を受け取り、おつりに鉄で出来た硬貨を渡しながら門番の人が黙って俺達のステータスを見ていく……そして全てを見ると納得したように頷いてから


「名前がよく読めない文字だし……どっか違う場所から来た人か……そりゃ持ってないわ……怪しんでごめんね、一応仕事だから……入場料払って通っていいよ、身分書は冒険者ギルドで発行してね……冒険者ギルドの案内は君に任せるよ」


と兵士は俺に言ってきた


「あぁ、分かった、皆、行くぞ」


俺は兵士の許可を貰い歩き始めた。

そして門を抜け王都に帰ってきた……さて……これからとりあえずムーンになって勇者を誘導するか……


(サクヤ、勇者は今何処に居る?)


『……白夜様、勇者が丁度庶民街の噴水広場に居ます。今すぐ会えるかと』


(……まじか……運がいいな……じゃあ行くか……)


「……運がいいな……広場に勇者様が居るらしい、勇者様とならすぐ会えそうだ、付いてこい」


俺はそう言い他の転生者達を連れ噴水広場まで歩いて行き、噴水広場に行くと人だかりが出来ていた


「きゃー!勇者様ー!」


「勇者様ー!こっちを見てー!」


「勇者様ー!」


と声が聞こえる、本当に勇者が居るんだな……


「……」


突然、一人の男子生徒がその集団に向かって走り始めた。

あの生徒は……あの時、俺に勇者について何度も聞いてきた生徒か……しばらくすると集団は解散して噴水広場には勇者と俺達転生者だけが残っていた……俺達が勇者とその生徒に近付こうとすると


「村雨……本当にごめん!!俺のせいで……お前が死んじまって……」


とその男子生徒が勇者に向かって泣きながら頭を下げていた

前世で何かあったのだろうか……まぁ、話に割り込むのも駄目な空気だし見守るか……そんな事を思っていると


「……は?」


勇者は突然何を言われたのか分からないかのような声で返事をした……


「俺が……お前の事を遊びに誘わなければ……お前の近道を止めていれば……お前はあの路地裏を通らなかったのに……」


泣きながら頭を下げている男子生徒は泣きながら説明した……それでも勇者は訳の分からないと言う風な顔をしている……


「……村雨……?」


頭を下げていた男子生徒も異変に気づいたのか顔をあげて勇者の顔を見た


「……もしかして……覚えてないのか?」


頭を下げていた男子生徒が勇者にそう尋ねる


「……あぁ」


勇者はそう返事した……何というか……大事な話そうだったのに本人が覚えてないとは……泣いて頭を下げていた生徒が可哀想になってにた……


「そうか……覚えてないのか……」


頭を下げていた男子生徒は残念そうに言い、頭を下げるのをやめ下を向いてしまった……謝りたくても本人が覚えてないとなるとどうしたらいいか分からないからな……まぁ、こんな所でいいか


「……話は終わったのか?」


俺は二人にそう話しかけた、すると勇者はこちらを見て


「っ!?」


驚きの表情をした


「どうして……何で……先生と永山とかがいるんだ?ここは……異世界だぞ」


勇者はそう呟いた……

他の転生者初めて見るのか?説明しておくか、そんな事を思った時


「……俺達も転生したんだよ、俺達は地震に巻き込まれてな……他にも沢山転生してるぞ……雪村や真田とか……」


俺が説明しようと思っていた事を下を向いてた男子生徒が説明をしてくれた……


「真田とかにも会いたいんだが……居ないのか……?」


勇者はそう言う


「俺達しか居ないのはそこに居る……エアが連れてくる人数を制限したからだ……」


下を向いてた男子生徒は顔をあげ俺の方を見た……ここは俺が説明するか


「いやぁ、結構な大人数だったので俺が適当に絞ってくれって頼んで連れてきたのですよ」


俺は普通にそう説明した……ついでに村を作る許可を貰ってくれるように頼むか……

すんなり勇者が頼み事を聞いてくれるか分からないから……勇者には悪いが勇者の持っている罪悪感を利用するか……


「異世界に来たけど何も出来ないし何したら良いか分からないから勇者様に手助けして貰おうと思って連れてきたのですが……例えば王様に頼んで全員怪しまれずに入場させて……少しの間の宿や生活費を手配するとか……魔王を倒した勇者様ならそれくらいなら余裕で頼めるだろ!って思って連れてきたんだ」


俺は軽く説明してからサクヤから事前に聞いていた無理難題をまず勇者に頼んだ


「あぁ……魔王を倒したから王様に魔王を倒した功績で頼んでほしいと……少し王様に話してみるが……魔王を倒した功績はもう色々貰ってるから頼めるかどうかわからないけどな……」


勇者は少し考えてからそう返事した……まぁ、無理な事を頼んでるのは知ってる……


「そうか……それが無理なら転生者の皆は野宿か……」


俺は残念そうに勇者に聞こえるようにぼそっと呟き勇者の罪悪感を揺さぶった

と言うか村を作るとなっても野宿じゃないか?やばいな……後でしっかり説明して対策しないと……

おっと思考がぶれてしまった……考えを戻さないと……


「だけど……勇者様なら功績が無くてもすぐに王様に話したら村を作る権利とかくらいなら貰えると思ったんだけどなぁ……それなら野宿でも希望はあるし……仮にも魔王を倒した勇者様だからな……貴族達の目もあるし王様も断りづらいだろうと思ったけど……まぁ、出来ないなら残念だけど俺がちまちま人を連れてくるしかないか……時間がかかるし、王都に来ても何も出来ずにスラムに行く奴とかも出そうだな……まぁ、仕方ないな、勇者様が無理なんだし、平原に居る皆にそう伝えるか……」


と俺は勇者の罪悪感をさらに揺さぶるように話した……ここまで詳細に話すのは不自然だと思うが……ここまで言わないと勇者は気づいてくれるか分からないからな……


「……村作りの権利くらいなら今から頼んでこようか?」


すると勇者は少し考えそう返事してくれた……交渉成立だな……勇者の気が変わらない様に次に合う時を決めてさっさと退散するか……


「そうですか!じゃあここでまた会いましょう!俺達は身分証明書作ったり街を見てくるので!今は昼時だから……少し暗くなる前くらいにはここに来ます。」


と俺は他の転生者達の身分証を作ると言うのを理由にそそくさとその場を離れていった









作者はこの辺りであれ?野宿回避しようとしてるのに結局野宿してね?って気付いて急いで対策を考えて居ました……

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