67話 エア1
場所を移動しました。
俺はカフェでサンドイッチを食べ終わり、紅茶を飲みながらサクヤと話しながら次に行く場所を考えていた……
(なぁ、サクヤ、この次どこに行くのがいいと思う?)
『そうですね……オススメの場所は何ヶ所かありますが……罪花さんのお祝いですので、罪花さんに聞いてみるのがいいと思いますよ。』
(それもそうだな……)
「料理も食べ終わったし……次は何処に行こうか……罪花、何処に行きたい?」
そう言うと罪花は少し考えて
「この街の事、我は知らないから……このカフェみたいに白夜のオススメの場所に連れて行って」
と答えられた……
(オススメの場所……うーん……
女の子の行きたい所よくわからないな……)
『白夜様……あの……』
(どうした?サクヤ)
『王都の南のカナシス平原に転生者が現れました……それも228人……転生者の中に勇者や魔王も居ます。』
(……は?)
『ですから……転生者が228人現れました……』
(まじか……)
『はい、恐らく放置していたらすぐに王都に来て大惨事になるかと』
(知ってるのは俺だけか……このまま放置して何か起こるのも嫌だし……何とかできないかな……)
『……そうですね……この転生者達はこの世界についてあまり知らないみたいですので……問題を起こす前に助言し、王都に来させないようにするのがいいかと……ですがあの人数の足止めはかなり大変で時間がかかるかと……』
(そうか……罪花には悪いが今すぐ向かうか……)
「……ごめん、罪花、用事を思いだした。宿屋に戻る事になるけど……いいか?」
そう言うと罪花は少し驚いた表情をした後
「特に行きたい場所も無いし、我は別に良いわよ、そんなに焦ってどうしたの?」
と聞いてきた……
「……ちょっと放って置いたらやばい用事を思いだした……だから本当にごめん」
と俺は素直に答えた
「……とりあえず宿屋に帰るぞ」
俺は少し焦りながら席を立ち宿屋まで歩いていった……
そして宿屋に着いた時、ずっと付いてきてた罪花の方を見て
「俺はしばらく出掛けるから……お金を少し置いていく、もしかしたら数日帰らないかもしれない、ルーカスにも伝えておいてくれ」
と金貨を三枚渡しながら話した、すると罪花は心配そうな表情になり
「……そんなに大変なの?どんな用事なの?大丈夫なの?……帰ってこれるの?」
と不安そうな声で聞いてきた……
別に助言と足止めしに行くだけだ……なんでここまで不安そうなんだ……
(そんなに俺、危険な所に行く様に見えてるのか……?)
『だいぶ見えますよ……戦争に行く前の兵士くらい深刻そうな表情でしたし……』
(まじか……じゃあ安心させるか……)
「あぁ、大丈夫だ、必ず戻ってくる」
そう言い、俺は人混みに紛れ王都の外まで歩き出した
(……しかし神様もこの世界の住民の事を考えずに勇者とかにして転生者を送ってくるな)
『法律やその世界で信じられてる法則、考えなどは神には関係ありませんので……神にとって勇者や魔王が複数人居ても関係ないのですよ、そもそも神の中で魔王や勇者は必ず一人という考え自体ありませんからね……』
(まぁ、考え方の違いって事なんだな……)
そんな雑談をサクヤとしながら歩き、門を出て王都の外の森に来た。
とりあえず、罪花の時みたいに見る系の能力者が居ると困るし……人目がない場所で異世界人に変身するかそう思い俺は少し歩き人目がない場所に来た……
(さて……今回は何に変身するかな……怪しまれない奴にしたいな……)
『怪しまれないとなると冒険者が良いかと』
(冒険者……冒険者か……冒険者と言われると昔オンラインゲームで使ってたキャラが居るな……それにするか……)
そう思い俺はそのキャラクターに変身した……身長は適当でいいか…髪の毛は黒髪……目を赤くして……あのゲーム結構リアルに顔とか作れたからイメージするのは楽だな……
そんな事を思っていると変身が完了した。
さて……名前をどうするかな……確かこのキャラの名前はエアだったな……それでいいか
『変身完了しましたね、ですが服装が冒険者っぽくないので革鎧もほしいですね……それと必要な道具を怪しまれずに出す為のマジックバッグもオススメします。』
(分かった。)
そうサクヤに言われ、俺は布袋タイプのマジックバッグと革鎧を出して装着した。
『では、カナシス平原は案内して一時間かかりますが……それだと時間がかかりすぎるので白夜様の体にクイックをかけて走ってください。白夜様は不老不死ですので体に異常は起きません。』
(……そうか、分かった。)
「クイック」
俺は自分の体にクイックをかけた。
その瞬間、周りがとても遅くなった感覚に襲われた……
『では、カナシス平原に向かいましょう。まずはここから南に行きます……走ってみてください。とても速いですよ』
(分かった。)
そうサクヤに言われ、俺は走ってみた……
凄く速い……10m走ったと思ったら100m走ってる感じだ……これならすぐ着きそうだな……
そんな事を思いながらサクヤに案内されながら走っていると
『もうすぐです。クイックを消しましょう。一度止まりダウンを自分の体に使ってください。』
とサクヤに言われ、俺は止まった……凄いな……ここまで十分くらいしかかからなかったぞ……
そんな事を思いながら俺は
「ダウン」
と自分の体に唱えた……するとクイックを使っていた時の感覚が元通りになった……
『では、あと少し歩くと転生者達に会いますので……演技をしてください。』
そうサクヤに言われ俺は演技を使った後、カナシス平原に向けて歩き始めた。