第四の転生者の書7 異世界人
〜神奈川 裕翔視点〜
私や他の先生達は南滝先生を先頭に生徒達の中、教頭先生を探し歩いていた……生徒達がちらちらとこちらを見てきたりする視線を感じるが生徒達にも先程の声が聞こえてるのか何をしているのかなど尋ねる声はない……
「おっ、教頭先生だ」
と南滝先生の声が聞こえた。
グループで纏まってるとは言えこの人の中よく見つけられるな……身長の高い南滝先生だからなのかな……
さらに南滝先生に付いていき、少し歩いた所で南滝先生が止まり
「教頭先生、今居る大人達は多分全員来ました。全員獅子鳥高校の教師で他の大人は居ません」
と周りに七名の男女が居る少し凛々しい顔をした女性……教頭先生と話していた。
「そうですか……分かりました、南滝先生、ありがとうございます。」
と教頭先生言ったあと、教頭先生は私達の顔を見て少し悲しそうな顔をした……だがすぐにいつもの教頭先生の顔に戻り
「では、代表と大人は集まりましたね、これより異世界生活会議を始めましょう。」
と話し始めた。
……あの表情は何だったのだろう
「まず、自己紹介……と言おうと思いましたが……皆さん知っている顔なので省かせて貰いましょう。」
教頭先生は何事も無かったかの様に話を続けている……気にしなくていい事なのかな……?
「では、まず、今回の会議で話し合う事を説明させて貰います。1つ目はちょっとした情報共有、2つ目は皆さんの能力の把握、3つ目は今後の行動を話し合います。主に話すのは3つ目の事です。代表の皆さんにはこの会議での疑問や意見などを出してもらうのと、この会議で決まった事、他にも色々聞いてくる役割をして貰います。宜しいでしょうか?」
教頭先生が少し黙って皆の顔を見た。
特に誰も話さない……
「誰も反対はありませんね……では、1つ目から、まずこれを見てください……ステータス」
そう言うと教頭先生の前に中に浮いた青い板みたいな物が出てきた。
何だあれ……
「これは神様が言っていたステータスです。神様が言う通りに試してみたら、こんなのが出てきて私も驚きました、皆さんも開いて確認してみてください。」
そう教頭先生に言われ
「ステータス」
他の人達も唱え始めている……すると唱えた人の前に教頭と同じ板が出てきた……
私もやってみるか……
「ステータス」
と唱えると私の前にも青い板が出てきた。
よく見ると変な文字が書かれている……だが不思議とそれを読めた……
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名前 神奈川 裕翔
年齢 26
状態 健康
性別 男
種族 人間
職業 先生
体力 45
魔力 80
特殊スキル
「地球物品創造能力」□
称号
異世界転生者
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「この様にこれには自分の能力など色々な情報が書いてあります。これを踏まえて2つ目の話に移ります。これは恐らく神様から貰った能力でしょう、恐らく白瀬君みたいに皆さんも能力を使えるでしょう、なので今後の行動の為、皆さんの能力を教えてもらいたいのです。代表の方々には会議の後グループに居る皆さんにも聞いてきて貰います。」
と教頭先生は話を続ける……
能力と言われても……どう使うか知らないぞ……聞いてみるか……?
と私は手を上げ
「すみません」
と教頭先生に聞こえる声で話した。
「はい、何でしょうか?」
教頭先生が私の方を見た。
「能力と言われましても……どう使うか分からないのですが……どうしたらいいのでしょうか?」
そう言うと教頭先生ははっとして
「そうですね、失念してました……白瀬君は皆に伝える様に大声を出してみてと言ってみたら使えましたが……他の人の事は考えてませんでした……」
と何やら下を向き呟きながら考え始めてしまった……これ大丈夫か……?会議進められるのか……?そんな時
「私なら能力の使い方わかるぞ」
と声が聞こえた私や他の人、教頭先生がその声の主……校長先生を見た。
「私の能力!超育毛はなぁ!ふっさふさの髪の毛をイメージしたら使えたぞ!つまり!イメージが大事なんじゃろ!はははは」
と笑い始めた……教頭先生が少しポカーンとした顔をした後
「校長先生……そんなので使えたら苦労しませんよ、白瀬君は大声で能力が使えてました……イメージだけでは使えないでしょう……」
「ひっ」
と少し怒気を込めた声で校長先生に話しかけた。
校長先生が少しビビっている……まぁ、真面目に考えている時に変な事言われたら怒りたくなるよな……
「……では、この事はすみませんが能力が使い方が分かるまで置いときましょう……3つ目の話し合いに移ります……これが本題です。今後の行動についてです。これに関して皆さんから意見が欲しいのです。少し考える時間を与えます。考えた人から意見をください。私も考えます。」
そう言うと教頭先生は考え始めた……
私も考える事にするか……今後の行動……か……この世界の事も知らずに対策を考えるか……考えてないよりはマシだが……途方もない会議になりそうだな……
そんな事を考えていると会議に参加していない他の生徒達がざわつき始めた……そして生徒達を避ける様に歩く平凡な顔をした黒髪赤目の革鎧を着て、革袋を持った一人の男がこちらに向かってきた。
「何なんだこの集団……俺はこの平原にウサギを狩りに来ただけなのに……ウサギ狩りに来たどっかの村人達か?まぁいいか……さっさとウサギ捕まえて帰るか……」
そんな事を呟きながら私達の前を通り過ぎようとしていた……
もしかして異世界人か……?
そんな事を思っていると
「すみません」
と教頭先生がその男に話しかけていた。
その男は立ち止まり教頭先生の方を見て
「はい?どうかしましたか?」
と首を傾げてきた。
「あの、私は虎山花子と言います。私達は転生者なんですが、この世界の事を知らず、教えてもらえると嬉しいのですが」
と教頭先生は言っていた……凄いストレートに聞いてるな……
「転生者……?あぁ!勇者様がよく言ってるあれか!別の世界の住人って奴なんだろ?いいぜ、教えてやるよ!」
と赤目黒髪の男はやけに素直に教えてくれると言ってきた……
「本当ですか!ありがとうございます。」
と教頭先生は頭を下げていた。
「いいっていいって、困った時はお互い様だよ、俺の名前はエアって言うんだ、宜しくな」
情報も何も無い会議は進めるのは難しいよね
統率を取る為に会議を開いたがグダグタになる手前でしたね
花子教頭がストレートに伝えたのは異世界ラノベ読んだ事も無く今後の為にも情報が必要な為事実を伝えるしか無いと判断したらからです。