堕天使の書14 カフェ
我達がテーブルで待っていると、エプロン姿の女の人がトレイに料理とカップを乗せて席までやってきた
「おまたせしました。ご注文の品です。2500リアになります。料金と引き換えにお渡し致します。」
とエプロンの女の人は言ってきた……
2500リア……かなり高い……大丈夫なのかしら……
「はい、分かりました。」
そんな事を考えていると、白夜が金貨二枚と銀貨五枚をエプロンの女の人に手渡していた女の人はそれを受け取ると料理と紅茶、我の方にナイフとフォーク、白夜の方にナフキンだけ置いて店の中へ戻っていった。
紅茶はとてもいい香りがしていた……パンのベリーソースかけは丸めのパンに、ミントらしき葉っぱ、粉砂糖と紫色のジャムの様なソースがたっぷりとかかっており、とても甘そうな匂いがしていた
地球の物とあまり変わらないわね
我はナイフとフォークを持ち、パンを一口サイズに切った、パンは柔らかくてすんなりと切れた、我はそれを食べた……とても美味しい、見た目や匂い程ソースは甘くなく程よい甘さだった……
「美味しい」
と思わず声が出てしまった……白夜がサンドイッチを食べる手を止めて我の方を見てきた……少し恥ずかしい……けど見られてるのは気まずい……何か言って誤魔化さないと……
「このベリーソース……とても美味しいわ……」
と我は焦ってさらに料理の感想を言ってしまった……
白夜は特に何も言わずにサンドイッチを食べ始めた……それを見て我も黙って料理を食べる事にした……恥ずかしい……
二人黙りながら料理を食べ終わると白夜が
「料理も食べ終わったし……次は何処に行こうか……罪花、何処に行きたい?」
と私に聞いてきた……行きたい場所……特にないわね……この街の事あまり知らないし……何があるのか分からないから……白夜ならこのカフェみたいに何かいい場所を知っているかしら……
「この街の事、我は知らないから……このカフェみたいに白夜のオススメの場所に連れて行って」
と我は白夜に答えた……すると白夜は考え始めた……白夜が数分考えていると白夜が口を開いた
「……ごめん、罪花、用事を思いだした。宿屋に戻る事になるけど……いいか?」
と白夜が焦った様に言ってきた……
「特に行きたい場所も無いし、我は別に良いわよ、そんなに焦ってどうしたの?」
と我は白夜に聞いた
「……ちょっと放って置いたらやばい用事を思いだした……だから本当にごめん」
と白夜は頭を下げて謝ってきた……そんなにやばい用事があるのね……そんな事を思っていると
「……とりあえず宿屋に帰るぞ」
と白夜は席を立ち帰ろうとしていた……我はその白夜に付いていった……そうして宿屋に帰ってくるなり
「俺はしばらく出掛けるから……お金を少し置いていく、もしかしたら数日帰らないかもしれない、ルーカスにも伝えておいてくれ」
と白夜は我に言いながら金貨を三枚渡してきた
「……そんなに大変なの?どんな用事なの?大丈夫なの?……帰ってこれるの?」
と我は白夜に聞いてみた……
「あぁ、大丈夫だ、必ず戻ってくる」
そう言い白夜は歩き出し、人混みの中に消えていった……
カフェの続きでした。