お兄さん と 君
深夜帯暇なので投稿が多いかもしれません!
本当に、なんとなくだった。
なんとなく、
あの子は何を考えてるのかが気になった。
心配とかでも、ただ、なんとなく。
僕は、
公園へと体を向けブランコへと足を踏み出した。
少女へと近づく、少女はただひたすら一点に集中を置き。ただ、茫然と一点を眺めている。
足音は聞こえているはずだ、
なのに、ぴたりとも視線を向けるどころか、動かない。
僕は、彼女の前に立った。
やっとこちらの存在に気付いたらしく、
彼女もふと顔を上げる。
「やあ。」
僕は、何気ない挨拶をかけた。
と言うより咄嗟に出る言葉がこれ以外なかった。
「こんばんは」
少女は一瞬驚いていたが、
何気ない挨拶を返してきた。
と言うより咄嗟に出る言葉がこれ以外なかったのだろう。
僕は少女の隣の空いている
ブランコに座りこう言い放った。
「なんでこんな時間にこの公園にいるの?一点に集中して眺めて何か考えてたようだっけど、何を考えてた?」
公園の入口の前で感じたことをそのまま聞いた。
「この世の中のことかな?お兄さんにはわからない難しいことかな」
少女はこちらへ顔を向け、
少し苦笑いでそう言った。
「へえ、君は歳はいくつ?」
「14歳だよ」
「14歳ってことは中学生か、家には帰らないの?」
別に心配してる訳じゃないけれど、そう言った。
今の時代この時間に中学生がうろちょろしてることなんて珍しくない、そんな時代だ。
「家に居たって楽しくもなんともない、ここにいる事が今、私にとっては楽しいの」
その言葉を聞いて、何も返せなかった。
僕だってそうだ。家に帰っても1人だし、
何もすることがなければ、河を見に行き夕日が落用とすると家へ帰るのだから。
「親は?」
「普通に居るよ。居ないとか、かわいそうだとか思った?」
少女は笑いながらそう答えた。
「かわいそうなんて考えるほど俺には余裕はないよ。それより、俺にはわからない難しいことって具体的にはなんなんだ?」
「わかってないってことはそういうこと」
「は?」
僕は、首をかしげた。
「この世の中って、不公平だよね。みんなそれぞれ運命で決まってて、それが底辺に居ようが、頂点に居ようが、一緒。同じことで、みんな一緒なんだよ。運命なんて言葉が嫌い。そんな感じかな」
「へえ、あまりに抽象的すぎて笑ったよ。
この世の中頑張っても、頂点につけなくても運次第では頑張らなくても頂点に立てることがある、どんなに頑張ってもね、そんなとこだろ?」
「おー、よくわかっているねお兄さん。ぜんぜんわかってないと思った。」
少女はそう言うと、ブランコを立った。
「私はそんな世の中、悪くは無いと思う。
でも、自分が底辺に限りなく近いから、この世の中が嫌いなだけ。じゃあね」
少女は出口の方へ向かって走っていった。
そして、今度は僕が一点に集中を置いて茫然と少女の言葉を頭でぐるぐると考えていた。
少女は、僕と同じで被害者ヅラで、惰性でこの世の中を生きているのではないかと。