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マギカ・バトラーズ~1500年後から始めます~  作者: 雪沢 泉
Act.0 『1500年の時』
3/45

マギカ2 王都







「助けていただき、感謝します。」


「いや、たまたま通りがかっただけなので、それより、そっちの人は大丈夫ですか?」



魔導斧マキナ・アックスを持っていた奴にやられたのだろう。騎士の一人が、腹を怪我していた。地味に痛そうだ。



「いえ、大丈「失礼。」ぐほっ!?」


「何をする!」


「がはっ! げほ! げほ! あれ? 痛みが引いた…………?」


「なに?」



少し荒治療だが、『回復』の属性凝縮液エレメント・リキッドを装着して殴った。実はコレ、欠点がある。強く殴れば、殴るほど回復するという使いどころに困るモノなんだよな。



「荒治療ですいません。これしか回復方法なかったもんで。」


「い、いえ、感謝します。」



なんか引かれた。まぁ、それはいい。それよりさっきから、馬車の中から話し声が聞こえる。



『爺、わたくしもお礼を言いたいです。』


『ですが王女様、他国の暗殺者かもしれませぬぞ!』


『命をかけて、わたくし達を守ってくれたのですよ。そのような事を言うものではありません。』


『ですが………』


『とにかく、お礼はいいます。』


『王女様!?』



そんな会話の後に、馬車のドアが開いて、中からドレスを着た、青い髪をロングにして、空色の目をした少女が出てきた。それにしても、王女様って言ってたよな。どこのだろ? 普通に行けば、今いる国だろうけど。



「助けていただきありがとうございます。わたくしは、このラウナ王国の第一王女、メイリア・リエル・ラウナです。どうぞ、メリエとお呼びください。」


「シロ・アルブラスターだ。宜しくな、メリエ。」


「はい、シロ様。」



花が咲くように笑うメリエ。にしても王族か、1500年前に会った王族は面倒な奴ばっかだったが、この娘はいいこみたいだ。



「貴様ぁぁぁぁぁ! 王女様に対してなんたる素っ気なさ、挙げ句のはてに呼び捨てだとぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」



この爺さんはめんどくさい奴だ。どうやら、王族は至高だと思ってるタイプ━━━



「もう恋人気取りか? ああん? 爺は許しませんぞ! こんな何処の馬の骨とも知らぬやつなんかにぃぃぃぃぃぃ!」



━━━違った、王女メリエ至上主義だった。違う意味でめんどくさいな、まぁ、マシなほうだけど。助けを求めてメリエのほうを見るが………



「そんな、恋人なんて…………」



赤くした顔をおさえてクネクネしてる。駄目だ、使い物にならない。それから暫く、爺さんの怒りを聞き流した。そして、復活したメリエが近くにあるラウナの王都に向かうと言ったので、便乗する事にした。乗っている最中、好きな女性のタイプとか、色々聞かれたが割愛する。



「ついたようですね。」


「そうか、それじゃまたな。」


「はい。今度是非王宮に来てくださいね。」


「機会があればな。」



メリエに別れを告げて馬車から降りる。町は、とても活気がある。それにしても、魔導機器マキナが殆ど無いな、魔導技巧科学マギカの技術が劣化したっていうのは本当みたいだな、俺の持ってる物や、作った物を渡してもいいのだが………流石に目立つよな、それはめんどくさい。


適当にぶらぶら歩きながら、屋台で売っている焼き鳥を買ったり、露店を冷やかしたり、俺なりに楽しんで進む。にしても、やっぱり食べ物は、人の手で作られたのが一番美味いな、魔導機器で作っても気持ちは伝わらねぇんだよ。俺は、『魔導機器による全ての料理の全自動作成計画』に、永遠に反対してやる! あ、そもそもそんな計画無くなったのか。よし!


あんまり関係無いことを思いつつ、歩いて行ると前方に人だかりが出来ていた。また面倒事か。人垣の間から見ると、小さな女の子二人が抱き合って震えており、その二人に向かって剣を振り上げている奴が…………って、おい!


人垣を飛び越えて、女の子二人の前に立ち、剣を義手で受け止める。まったく、子供になんて事するんだ。



「なんだ貴様?」


「それはこっちのセリフだ。こんな小さな子供に何するんだ。」



俺が問いかけると、厭らしく笑って



「そいつらはなぁ、俺様の服を泥で汚しやがったんだ。万死に値するだろ?」



はぁ!? なんだそりゃ、んな下らん理由で子供を殺すのか? 久しぶりに見たよこんなクズ。



「邪魔するならてめぇも殺す。」


「…………。」



さて、周りに助けてくれそうな奴はいないし、どうしたもんか……………あ! そういえば、メリエから、この国で困ったら出せって言われたのがあったな。懐から、メリエから貰ったメダルのような物を取りだし、男に見せる。そして、それを見た周りの人垣がざわめく。



「あれは王家の紋章じゃないか!」


「ということは、王家の客人か?」


「なに?」


「客人というか、王女を助けはしたが。」


「おい! なんの騒ぎだ………む? シロ様! シロ様ではありませんか!」


「どうも、カインさん。」



人垣を押し退けやって来たのは、メリエの護衛をしていた騎士の一人で、怪我をしていた人だ。どうやら、なんとかなったようだ。その後、カインさんや、騎士団の人達のお陰で、女の子二人は罪に問われず。剣を持っていた男は、厳重注意になった。これで、一安心だな。



「お兄ちゃん、助けてくれて、ありがと。」


「あ、あの! ありがとうございます!」


「おう。無事で良かった。」



助けた女の子から礼を言われので、とりあえず、頭を撫でておく。二人は笑ってくれたが、次の瞬間恐怖の表情に変わる。



「シロ様!」


「調子にのってんじゃねぇ! 小僧ぉぉぉぉぉ!」



振り向くと、さっきの男が剣を降り下ろしてくるところだった。直線的に降り下ろしてくるって、コイツはバカなのか? 1500年前の知り合いは、降り下ろしただけでありとあらゆる方向から、剣がくるように見えたぞ。しかもアイツ、魔導武器マキナ・ウェポン使わずにやってのけたし。とりあえず、剣を義手で受け止める。



「なっ!?」


「大人しく引き下がっていれば、良かったのにバカだなお前。」


「クックック。バカめ! この魔導剣マキナ・ソードは受け止めても無駄なんだよくらえ、ぐぎゃぁぁぁぁぁぁ!?」



どうでもいいので、予めセットしておいた『雷』の属性凝縮液エレメント・リキッドを使って、電撃をくらわせる。電撃をきると、プスプスと焦げた男が崩れ落ちた。


後の事を騎士団の人に任せ、女の子二人に別れを告げて歩き出す。


にしても、隠すきないのか? 尾行してるのバレバレだぞ。振り向くと、フードつきのマントで全身を包んだ、変な奴がいた。



「やぁ。」


「いや、やぁって。」


「第二マギカ学園に入学しないかい?」


「唐突だな、おい。」



しかし、第二マギカ学園か………………面白そうなので詳しく話を聞く事にした。








この世界の王族は、名前を2つもっています。一つ目の名前は、王族としての名前。2つ目の名前は、人としての名前です。メリエの場合は、メイリアが王族としての名前。リエルが人としての名前です。つまり、これから私は王族の名前を出すときは、名前を2つ考えなきゃいけないわけです。うっ! 頭が…………

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