「神門村」
・前話で登場した単語
神門村→日上山の奥地に昔存在した村。所々に山の木が生えており、常に薄暗い。
「神門村...」
玲はその名前に聞き覚えがあった。
前に、何かの新聞の記事で取り上げられていた。結構昔の記事だった為、詳しいことは殆ど覚えていないが。
ただ、まさかこんな山奥にその村があったとは驚きだ。
どうやら、あの二人もこの村に向かっていたらしい。ただ、こんな寂れた場所に一体どんな用事があるのだろうか?
とにかく、玲はこの村を探索することにした。
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相当昔から放置され続けてきたのだろう、見える家は全てボロボロに風化しており、所々に生えている木の間から漏れている仄かな月明かりに照らされて、どこか不気味な雰囲気を漂わせている。
道も石で舗装はされているが、あまり丁寧にはされて無く、その石の間から膝ぐらいまでの雑草が生い茂り道と言えるのかすら怪しい位の荒れ具合だ。
「誰か居ませんか?」
玲はそこらの住居に声をかけてみる。
予想通り、反応も無ければ、人の気配もない。
家の中に入ってみようかとも思ったが、こんなにボロボロじゃ探索にも危険を伴うだろうと思いやめてしまった。
どの住居も、もう人は住んでいそうもない。
結局、またここでも人に会うことは叶わなず、無駄足を踏んでしまったようだ。
玲は宛もなくそこら中を彷徨いた。
しかし、村の奥の方に進んでいくと、何かボンヤリとしたものが宙に浮いているように見えた。それは何か火の様に見えた。まさか鬼火じゃないのかと玲は驚いたが、それへ近づいてみると、どうやら石灯篭の光だったらしい。
石灯籠に光が灯っているということは、つまりこの近辺に人がいるはずだ。
更に石灯篭の方へと玲は近づいた。
ここら辺の道は雑草も生えておらず、白い石で丁寧に舗装されている。やはりこの近くに人が居るのだろう。
そうこうしてると、目の前に階段、その先に塀と門のようなものが見えた。
「ここは...」
周りはその塀に囲まれていて屋根しか見えないが、その長さからかなり大きな屋敷であるようだ。
正門には表札が飾られている。
一条━━━それがこの家の一家の苗字らしい。
もしかしたらあの二人もこの屋敷の中に入っていったのかもしれない。
門の間に僅かだが隙間があった。玲はそこから一条家へと足を踏み入れた。
いつの間にか、玲の頭から「戻らなければ」という考えは無くなっていた。
その代わりに「その先のものを見なければいけない」という考えが玲を支配していた。それが彼女を深い深い場所へと引きずり込んでいるとも知らずに━━━
追記2/18→最新話を投稿しました!




