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  作者: カナリア
一ノ章
3/20

「日上山」※選択肢あり

・前章で登場した単語

のぞみ→親戚の縁があり、玲と同居しており、普段から家事の手伝いをしている。明るく、元気な性格。


日上山ひのぼりやま→その名の通り山。山道の途中にある広場はお正月、初日の出を見物しにくる人でいっぱいになる。

※因みに某ゲームの山とは無関係

「やっと着きましたねー!」

「大分しんどいわね...」

 玲が疲れているのも無理はない、車では登山口の前の駐車場までしか行けず、五合目までは山道を歩かなければならない。仕事に追われ、運動なんか出来ていない玲にとっては、この道は常に階段を上っているように感じる。

「それにしても、やっぱり凄い人ですねー。」

「そうね。」

 実は、お正月に日上山に来るのは初めてだった。テレビでは見ていたが、改めて人の多さを実感する。

「あと五分ほどで初日の出です!」

 拡声器からの声が聞こえる。

「もう直ぐですね!」

 周りの見物客もざわつき始める。

 しばらくして━━━


 挿絵(By みてみん)


 辺りが橙色に染め上がる。それと一緒に見物客が歓声をあげる。

「綺麗ね...」流石、日上山と呼ばれているだけある。玲は別に日の出を観るのが目的ではなかったが、思わず見とれてしまうほどだった。望もじっと日を見つめている。

 ・

 ・

 ・

「本当に綺麗でしたねー!」望は、満足そうだ。

 あれから何分か経って、帰ろうとした時だった。

(あ、そういえば!)

 危うく、本来の目的を忘れそのまま帰ってしまうところだった。そう、ここに来たのはあの夢の手掛かりを探すためだった。

 と、そんな時━━━

「あれ、あの人たち何処に行くんでしょう?」

 望は林がある方を指差す。

「え...」

 玲はその方を見る。

 しかし、そこに人の姿は見当たらない。

「誰もいないわよ...?」

「えー?ほら、今林の奥の方に行きましたよ?」

 望はずっと林を指差す。だが、どう頑張っても見えない。

「私の視力が落ちてきたのかしら?」

「夜遅くまで仕事してますからね。」

 腑に落ちないが、多分そうなのだろうと玲は思った。その時だけは━━━


 ***


 結局、パッと見ただけでは何も気になるものはなく、そのまま家に帰ってきた。

 しかし、玲はあの後どうにも引っかかっていることがある。

(望は一体、何を見ていたのだろう…)

 そう、林に消えていったらしい人だ。あの時はあまり気にしないでいたが、家に帰ってきてからは、その事がどうにも気になってしょうがない。

 よく考えると、夢の中で見た人も林の中に消えていた。偶然とは思えない。

(望にだけは見えるもの...)

 それを考えていた時、

(まさか、幽霊...?)

 実は、望には霊感があるらしい。本人にはあまり自覚はないが、時折、外に出ていると独り言、それも誰かと話しているようなことをよく言っている。初めの頃は不思議に思い彼女によく聞いていたが、何年もいるうちにあまり気にしないようになっていた。

 今回、その人を幽霊だったと考えると、確かに辻褄は合う。

(じゃあ、私が夢で見た人も幽霊だった...?)

 まさか、夢の中の人物が幽霊だとは考えもしていなかった。そうなると色々と気になることが増えてくる。

 二人の正体はもちろん、なぜ幽霊になっているのか、なぜ幽霊の姿で夢に出てきたのか、幽霊になっているということなら二人は既に死んでいるのか。

 もう、それがただの夢だったとは、玲の頭では考えることが出来なかった。ただの推理好きだからと言われたらそうかもしれない。だが、ここまで身近な出来事で色々結びつくことがあると黙ってはいられなかった。

「ごめん、望。友人からの誘いがあって今からちょっと出かけるわ。」

「はーい。あまり夜遅くならないように気をつけてくださいねー。」

「ありがとう、行ってくるわね。」

 玲は家を出た。当然、友人の誘いなど嘘だ。目的地はあの山、日上山だ━━━


 ***


「さすがに...一日に二回は体に堪えるわね...」

 昔でも、ここまで運動はしていなかっただろう。

 何とか五合目広場に着いたが、もうヘトヘトだ。そろそろジムにでも通おうか。

 そんなくだらないことはどうでもいい、

 今は探索が優先だ。

(さて、何処を探しましょう…)

 玲は辺りを見渡す。


 挿絵(By みてみん)


 探すとしたら広場の辺りか、林の中だろう。

「どちらから探そうかしら...?」


a.林の中

→ b.五合目広場

最後までお読みいただき、ありがとうございますm(_ _)m

今回で3話目となりました。

まだ、初めの方なので短めの間隔で投稿できておりますが、今回、遂に選択肢を追加することが出来ました!そのため、今後は少し投稿間隔は空いてしまうかも知れませんが、何とか早めに投稿出来るように頑張ります!


さて、今回からの要素である選択肢ですが、1番簡単でかつ、気軽に投票出来ると考えて、Twitterのアンケートで集計を取ることにしました!

http://twitter.com/kana_narou

※追記:投票の結果、五合目広場になりました!投票してくださった方、ありがとうございました!



それでは後書きも最後までお読みいただきありがとうございました!是非次話もお願いします!


※2/5追記:最新話を投稿しました!

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