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  作者: カナリア
四ノ章
12/20

「資料」※選択肢あり

「神門...村...」

 玲は呆然としている。

 日上山の奥地、神門村はまさにそこにあった。

 偶然とか、気のせいはもう通用しなかった。

「お前、もしかしてもうその村のことに気づいて、先に調査しに行ってたのか?」

「いや、全く知らなかったわよ!」

 何故か口調が荒くなってしまった。

「ごめん、別に責めてるわけじゃないんだ。」

「あ、ごめん、こっちもついつい荒らげちゃって...」

「でも、その反応を見ると、やっぱり神門村を見つけたんだな?」

「えぇ...」

 玲は改めて、資料に目を通す。


『神門村大量失踪』

 一部、文字が掠れたり、滲んで見えない部分があるが、その見出しの記事の内容は大体以下の通りだった。


 ***


 12月*1日午後8時頃、日上山へ登山に来ていた時、財布を落としたらしく、それを探しに来た大石*さんが五合目辺りの広場で休憩を取っていたところ、林の中から悲鳴が上がったのを聞いた。


 それを聞いた大石さんは急いで下山、近くの交番へ通報した。


 その交番の警官が、おそらくその林の奥にある神門村での出来事とみて、神門村へ向かってみると、そこの住人が誰一人として居なくなっているのを発見した。


 その警官が応援を*人呼び、その人たちと住人の行方を探ろうとしたが、林に入ってしばらくした時に全員とはぐれてしまった。

 一度戻って応援の人達が帰ってくるのを待ったが、結局戻って来たのは僅か一人だけだった。


 しかも不可解なことに、帰ってきたその一人は、村が見つからなかった、と言ってきたのだ。


 その後、様々な人が捜索を行うが、その度に必ず帰らない人が出てきた。


 その為、警察は捜索を終了し、その一帯を立入禁止とした。


 ***


 玲は資料を置き直す。

「因みに、失踪に関しては別の記事もあった。」

 真司はもう一枚、新聞の切り抜きを渡す。

 こちらは、比較的新しい方の記事で、全文を読むことができた。


 ***


『日上山でまた失踪』

 本日、日上山へ出かけた男女数名が昨日から帰宅していないとして、家族が捜索願を出した。


 帰らなくなっているのは、天川翔あまかわかけるさん、飯島奈緒いいじまなおさん、直江健なおえけんさん、月島花つきしまはなさんの4名、いずれも同じ大学の1年生であった。

 その4名は、大学のオカルト研究のサークルに所属しており、都市伝説の研究として日上山へ向かったということだった。


 日上山では、前にも失踪事件が起きており、その時は失踪した人物が見つからないまま捜索を終了し、日上山一帯を立入禁止にした。

 今回の件で警察は、慎重に捜索を行っていくとしている。


 ***


(日上山で二回も失踪...)

 あの山には、何かがあるのか━━━

 いや、何かがあるからこそ、サークルの人達は山へ向かったのだろう。

「どうやら、この村は心霊学者やら超常現象好きな人達の間で有名になっていたらしい。」

 なるほど、ありそうな話だ。

「ところで、この子達は見つかったの?」

 真司はその質問に対して首を横に振った。

「結局、また見つからないまま捜索が打ち切られたんだ。」

「最初と同じ理由で?」

「いや、また別の理由だ。」

 別の理由?それは一体どんな理由だ?


「どうやら、捜索していた一人の警官が銃殺されたらしいんだ。」


 銃殺...何でそんなことが...

「それは誰が撃ったの!?」

「それが分からないんだ...それどころか銃殺されたということすら事実かハッキリしていないんだ。」

「え...」

「どうやら、警察の方で何かしら隠蔽しているって話だ。知られたくないまずいことでもあるんだろう。」

 何だか、ますますあの山が怖くなってくる。あそこには触れてはいけないことがありそうだった。


「ところで、この村ではどんな儀式があったの?」

 玲が話題を変える。

 色々な話を聞いた玲だったが、本来話すべきその話題が一切出てきていなかったからだ。

「それが...ここまで色々言っておいてなんなんだが...儀式があったのかは分からないんだ。」

 何だそれ。じゃあどうしてこの村のことを調べているんだ?

「そのー、なんと言うか、儀式が行われていることは噂でしか伝わっていないんだ。その噂がそのマニア達の間で独り歩きしていただけで実際のところはわかっていない。」

 そう言いながら、また真司は一枚の紙を玲に手渡す。

 どうやら、村人のインタビューの記事らしかった。

 内容は大体以下の通りだった。


 ***


 神門村では、恋愛関係になった村内の男女は村一番の屋敷に呼ばれて、盛大な祝福を受ける。


 だが、呼ばれたあと、その男女は決して帰ってくることがなかった。


 多分、その屋敷内で殺されているのかもしれない。あの祭の日に。


 ***


 真実かどうかがはっきりしない内容ばかりだったため、あまり信憑性はないとしてこの記事が使われることはなかったそうだ。

 しかし、玲にはこの記事はかなり引っかかった。

「玲さん...私が見たあの人たちも...」

 望はあの時、山で人影を見たようだった。

 それは私もだ。夢、日上山で見たあの男女...

(私と望が見たあの人たちも、もしかして...)

 そしてもう一つ、

「真司、この祭ってどんなものか分かる?」

「ああ、それなら...これだ!」

 机の記事を掻き分けて、もう一枚の記事を手渡してきた。


 ***


明尾祭あかりびさい

 神門村では大晦日とその前日の二日間に渡って、明尾祭というお祭りが開催される。一日目は、様々な出店が立ち並び村人で非常に賑わいを見せる。

 そして、二日目には村の人達が皆、松明を持って村の道を歩いていき、一条屋敷の周りに立ち並んで、死者を祀る行事を行う。

 その際に見られる炎の行列は、不思議で幻想的な風景を見せ、皆る人を釘付けにする。


 ***


 松明の行列...記憶違いでなければ...私があの時に見た...

 この祭の日に、男女が殺される...

 何か理由があってのことか?

「この記事って、どこから持ってきたの?」

「これもさっきの男のインタビューからだ。」

 確かに、インタビューだけの情報なら信憑性がないのも頷ける。

「この村に関する資料とか無かったの?」

「それが...」

 真司が頭を掻く。

「全く無かったんだ。」

 そんな馬鹿な。普通なら、歴史書、地誌、風土記か何かしらには書かれるはずだ。

 それが一つもないなんて...

「どうして無いの?」

「あの村自体、ほとんど隔絶された状態になっていて、資料が全く無いらしいんだ。今その村に行ってもさっきの有様だから

 、調べようとする人もでてこないんだ。」

 あの事件があって行こうとする人は自殺志願者かよっぽどの物好きくらいのものだろう。


 しかし、確信が持てる資料が自分の目で見たあの光景しか無いとは。

 もっと、何か情報が欲しい。

 ただ、自分はこの足だ。しばらくは外を出歩けないだろう。

「真司、悪いけどまた調査頼んでもいいかしら?」

「ああ、わかった。その足で無理されてもこっちが困るからな。」

 真司が苦笑いする。

「いつも悪いわね。」

「いいってことよ。ところで。何について調べればいい?」


 a.神門村を調査してもらう

 →b.失踪したサークルの人達について調査してもらう

最後までご覧頂きありがとうございますm(_ _)m

今回が4回目の選択肢になります。

自分だったらこうするなとか、こっちだと何か起こりそうだな、と言った感じで投票してくださると嬉しいです!

下のURLから投票をお願いします!

http://twitter.com/kana_narou


今回も後書きまで読んでくださり、ありがとうございました!


※追記:選択肢はbになりました。投票してくださった方、ありがとうございました!

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