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夢想歌

作者: 狗月ユウ

他サイトからの転載です。

時代を感じる表現があります…。

弾けないギターを買ってきたんだ

その日の内に倉庫に閉まってやったんだ

「ワイルドだろ?」なんてドヤ顔決めても

満たされないのはこの心


「こんなはずじゃなかったろう」

冴えないミュージシャンの詩を見て

「そりゃお前が悪いんだろうよ」だなんて

動けない身体で嘲笑った


夢想家バカ気取って嘯いたって

夢は見るものでしかなくって

「叶えるもんだろ」なんて笑って

本当に叶えている輩のことは

「何も出来ない僕に期待なんかすんなよ」って

それこそ夢の中に追いやった


伸べられた手をなかったことにした癖に

伸ばした手は触れられるのを待っている

さんざん掃除してきた僕の道には

人っ子一人も落ちちゃいない

何も掴めないこの手を見て

神なんか居ないと悟ったんだ


満たされたい空っぽな心は

ガラクタで埋まってく

重量オーバーで動けない身体は

空気よりも軽い


夢の中の俺はさ

誰もが羨むロックスターで

現実での私は

誰もが気づかぬ虫けらだ


「汚いから報われないんだ」

そう思って潔癖症バカみたいに

懇切丁寧に手を洗い続けて

初めの時より汚くなった


なぁ気付いたんだろう

何が原因なのかって

なぁ知ってたんだろう

何をすべきなのかくらい


満たされたいんじゃなくて 欲しいだけだ

動けないんじゃなくて 認めたくないだけだ

何も出来ないんじゃなくて 逃げたいだけだ

神が居ないんじゃなくて 自信がないだけだ


「自分を変えるのは自分だけだよ」

って怪しいセミナーみたいな文言ぶつけてさ

それで自己を啓発したつもりなのか

そんなもんはとうの昔に

哲学者バカたちが開拓し尽くしてんだ

僕の入れる余地はない


論点をすり替えて 

暗喩なんか多用して

問題の本質を隠蔽して

誰を騙すつもりだったの

誰が騙されると思ったの


もう間に合わないって

また逃げようとしてるんじゃないの

それじゃ本当に

ロックスターは夢になってしまうのに

本当にそれで良いのか

その答えくらい

わかってるはずだろう

俺は全力で

ロックスター(バカ)になるんだろう


思いついた端から書きだしたこんな歌は

所謂詩人文法なんて模してなくて

たとえ専門家バカじゃなかったとしても

評価なんて得られたもんじゃないし

何よりそういうことにして逃げてるわけだけど


「こんな詩なんてワイルドだろ?」


そうやってドヤ顔決めて

ちょっぴり笑顔で応えても

やっぱりどうして満たされない

満たされたいのはこの心

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