1話~その男、デブ
東京のとあるアパートに住む、田村直樹25歳無職、体重110キロで
趣味はゲームとパソコンとアニメとAV鑑賞で、特技は屁理屈と徹底的に
相手を論破する事。妻は売れっ子漫画でかなりの美人で、直樹には不釣り合い。
この物語は、そんな底辺中の底辺の田村直樹の生き様を描く物語である。
直樹「あぁこのゲーム飽きたわ もう売ってこよう!おーい美織!」
ある日の事、直樹はこの前買ったばかりのゲームに飽きて、それを売るために、
漫画家で多忙の妻の美織に、売りに連れてってもらおうとするのだった。
美織「何?!今ちょっと忙しいんだけど!あとにしてくれる?!」
直樹「この前買ったゲームがクソゲーだったから売りに連れてって!」
美織「はぁ?そんなの自分で行けばいいでしょ!」
直樹「俺、免許ねぇから無理だよ かと言って歩くのも面倒だし!」
美織「ならタクシーで行けばいいじゃない!お小遣いは結構上げてるんだから!」
直樹「節約しないといけないんだよ!今のご時世不景気じゃん!」
美織「アンタの食費と、アンタが一番風呂に入るせいで、ウチの家計は
もっと不景気なの!大体、無職のくせして、夜中に腹減ったって言って、
勝手に焼肉を始めるわ、暇だからって理由で、何回もお風呂沸かして
そういう事をしない様になってから、不景気って言葉を口にしなさい!」
直樹「わかったよ、俺みたいな25歳の無職でデブで、大した趣味もない、
その趣味は世間から見れば否定的なものばかりで、屁理屈ばかり並べる
男は邪魔何でしょ?わかったよ、部屋で静かにしてるよ」
美織「何この、鬱陶しいのに冷静な矛盾してる分析は・・・」
そして直樹は部屋に戻るのだった・・・
直樹「全く、何であんなに言われないといけないんだ 俺だって俺なりに頑張ってるのにさ・・・あぁ!いい!こんな気持ちを忘れるためにFC2を見よう!」
直樹はインターネットでFC2と検索するのだった・・・
そしてとある動画サイトを開くのだった・・・
直樹「よし!まずは無難にランキング上位の動画を見よう!」
直樹はランキング3位にあった動画をクリックするのだった。
直樹「ほぉ!いいね!いいね!これが無料で見れるなんて最高!
俺は最強!西京漬けも好きいいいいいい!」
テンションが異常な程、上がり一般人からは理解不能な言動を起こす直樹だったが、
次の瞬間、そのテンションが怒りに変わるのだった・・・
この動画を快適に視聴するには、有料会員になる必要があります・・・
直樹「あぁ!もういいところで! いつものクリックすれば直る奴か!」
直樹は一度更新するのだった・・・
しかし再生すると、同じ画面が表示されるのだった・・・
直樹「あぁもう!ふざけんなあああああ!」
直樹は怒りを抑えきれずに、エンターキーを連打して、何度も更新してしまうのだった・・・
すると次の瞬間、動画を再生しようとすると・・・
一般会員の方は、視聴回数に制限があります。動画を視聴するには、
0時までお待ちください
直樹「ぶああああああああああああああああ やっぢまっだよおおおおおおおおおおおおおおおお 怒りのあまりに、エンターキーを連打したら、視聴回数オーバー
しちゃったああああああ どうしよううううう まだ10時なのに、あと14時間も1日は
あるのに、俺の大切で健全な行為ができなああああああああああいい」
美織「うっるさい!いい加減にして!こっちは連載が近いのに!もうどっか出かけて!」
直樹「わかりました。でもそちらから出かけろと申しましたよね?僕には家にいる義務がありますが、あなたに出かけろと言われたので出かけます。なので、娯楽費として
3000円を頂戴します」
美織「は?アンタがうるさいから出かけろって言ってるんでしょ?バッカじゃないの?」
直樹「漫画を描きやすい環境を提供するのだから、当然の事ですよね?
仕事場を提供しているのですから」
美織「わかったわよ!あげるからさっさと出かけて!」
美織は直樹に3000円を渡す。
直樹「いってきまーす!」
そして直樹はゲームソフトを持って出て行った。
美織「昔は確かにデブだったけど優しくて、純粋で、とっても可愛かったのに・・・」
直樹はレンタルショップでゲームを売るために来ていたが、そこで新たな考えを
思いつく。
直樹(待てよ?PS3のソフトは、問題があると言っても手間がかかるから
動作確認まではしないぞ?!うまい理屈を考えれば、買取じゃなくて
一週間以内だから返品出来るかも!)
そして直樹はレジにゲームを持っていく。
直樹「すいません。このゲームなんですけど、特定のミッションで必ずフリーズしてしまいます。ソフトに異常がないか確かめてもらえますか?」
店員「あぁそういう場合は、交換か返金になりますが、どうしましょうか?」
直樹「じゃあ返金でお願いします。」
直樹(成功だ!俺のうまい理屈で、相手の裏をかいて作戦成功!)
店員「では、こちら5780円になりますね。本当に申し訳ありませんでした。」
直樹「いえ、こちらこそお忙しい中すいませんでした。」
(何だよ店員男かよ、女の子だったら、いい人アピールできたのに!)
直樹は買取を終えると、外に出るのだった。
直樹「今の俺の全財産!8900円!ひゃっふいいいいいいい!
昼飯は、吉野家でふた品頼もうっと!」
そして直樹は牛丼チェーン店に入っていく
店員「いらっしゃいませ!ご注文は?ちなみに本日のおすすめは、キムチチゲ丼になります!」
直樹「じゃあそれ、ふたつください!どっちも大盛りで!」
店員「に、二人前ですか?」
直樹「はいそうです。」
店員「かしこまりました!少々お待ちください!」
直樹(そう言えば美織ちゃんって、辛いもの大好きだったよなぁ・・・)
直樹「すいません!さっき注文したのひとつだけお持ち帰りにしてください!」
一方美織は、漫画の連載を描いていた
美織(ちょっとさっきは言いすぎたかも・・・やっぱり色々悩んでいるのかも、
だから、ゲームばかりして悲しさを紛らわせているのかも・・・)
そして直樹が帰ってくるのだった・・・
直樹「ただいま、あのさ!これお土産!美織ちゃん辛いの好きだったでしょ?」
美織「え?私に?!」
直樹「他に誰にお土産買ってくるんだよ!食べなよ!」
美織「あのさ私少しさっきは言いすぎたかも!ごめんね」
美織はあまりの嬉しさに、涙を流すと同時に、直樹に惚れ直したのだった・・・
そして今までのキツく言いすぎた言動を悔い改めるのだった・・・
この瞬間、謎の感動が生まれるのだった。
END