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83.【白い廊下:モデル歩きと騙し合い】


ある日の夢は……


建物の中から始まった。

アッチノ世界に『競技場』と呼んでいる場所がある。

今回はその場所のどこかの建物にいた。


建物は中央が吹き抜けになっていて、何層ものフロアに分かれている。


挿絵(By みてみん)


その場にいた人達は何階かのフロアで身体測定のようなことをやっていて、アタシも順番待ちをしていた。

誰かに名前を呼ばれて振り向くと、吹き抜けを挟んだ反対側で女の子が手を振っていた。


手を振り返すと……

「Aちゃん。悪いんだけど、私の部屋からタオル取ってきてくれない? 一番奥の部屋なんだけど」と女の子はどこかを指差した。

アタシが並んでいる場所から数メートル先に寮の出入り口っぽいものが見える。


挿絵(By みてみん)


あの子の寮はこっち側のフロアなんだっけ……。


まだアタシは夢だと気がついていなくて、何も気にせず言われた通り一番奥の部屋に入ってみた。

部屋の大きさは六畳ぐらい。

中には玩具のような木製のベッドしか置いていなかった。


挿絵(By みてみん)


寮の生活って凄くシンプルなんだなぁ。


なんて思いながら、アタシはベッドの上にあったタオルを持って部屋を出た。

その瞬間、なぜか今自分が夢の中にいるんだと気が付いた。

気がついた途端、出入り口から見えていた建物のフロアは消えて、全く違う廊下に変わっていた。


廊下は正面と左の二手に分かれていて、眩しいぐらい真っ白だった。

35.【白い廊下 : 広場と怪しい屋台】の夢で見た白い廊下とは違う白さ。


挿絵(By みてみん)

壁になっている右側には、また見覚えのあるエレベーターがあった。

今回は銀色のエレベーター。

銀色のエレベーターは悪夢ばかり。

だから、絶対に乗りたくはないと思った。


どちらの廊下も何かの部屋に繋がっているようだった。

正面の廊下には金髪の女性がいて、左側の廊下には黒髪の女性がいた。

二人ともモデルみたいに美人で、オシャレな白いスーツを着ていた。

なぜかファッションショーみたいに、そんなに長くはない廊下を行ったり来たりしている。



白い廊下と白い服と言えば……

47.【屋根のない洋服屋 : 夜の世界】の夢で遭遇した赤い口紅とマニキュアをした強烈なオバサンと、

43.【ゆらゆら : チキンスーツ】の夢で見たノイズだらけの看護師さんらしき人を思い出した。

でも、今回の白い廊下にはいなさそうだった。

それでも安心はできない。


どちらの廊下が安全だろうか……。


その場に座って観察していたら、黒髪の女の人が近づいてきた。

慌てて立ち上がって身構えていると、女の人はアタシに一礼して話し始めた。


「アナタ様がお持ちのポイントカードは紙製で弊社の仕様には合わず、磁気ストライプが正常にダウンロードされませんでした。また、お調べ致しましたところ、アナタ様のポイントは確認できませんでした。申し訳ございません」


そんなようなことを言ってアタシに何かを手渡した。


『 Point Card 』と書かれた紙製の赤いカードだった。

裏側を見てみると、一部分だけ黒いプラスチックのような硬い何かになっていて、本当に途中でダウンロードが中断されてしまったみたいに歪な形をしている。

女の人は一礼するとモデル歩きで来た道を戻ってしまった。


これはどうしたらいいんだろか……。


カードを見ながら考えてみても何も浮かばなかった。


今のお姉さんがいる方に行ってみようかな。


そう思って黒髪の女の人の廊下を見てみると、廊下が暗くなっていた。

さっきまで眩しいぐらい明るかったのに。


挿絵(By みてみん)


黒髪の女の人も誰もいない。

暗い場所は怖い夢になりそうだから行かないようにしている。


こっちはダメかぁ。


諦めて反対側の廊下を見ると、そっちもいつのまにか暗くなっていた。

金髪の女の人もいない。


このままだと怖い夢になりそうな気がして、早くその場から離れた方がいいと思った。

エレベーターを見ると電気がついているのか明るい。

でも、今の状況では絶対に乗りたくはない。


さっきの部屋に戻ってみるか。


そう思って振り向くと、さっきの部屋に通じる出入り口も消えていた。

代わりに派手な模様をした両開きの扉があった。

アッチノ世界の博物館にありそうな扉だった。


挿絵(By みてみん)


博物館に繋がっているかも……?


そう思ってそっと開けてみると、すぐ目の前に同じ扉がまたあった。

狭い空間を照明が強い光で照らしていて眩しい。


下を向きながら扉を開けようか迷っていると、奥から話し声が聞こえてきた。


「その本はこっちか?」


47.【屋根のない洋服屋 : 夜の世界】の夢の中で、子供みたいに小さなお爺さん達に助けてもらったことがある。

そのお爺さん達がいた場所は図書館みたいに本がたくさんあった。

もしかすると、この扉の先にいるかもしれない。


また助けてくれるかも!



そう期待しながら勢い良く扉を開けてみると、その先は真っ暗な部屋だった。

中には誰もいない。

ギィーッと耳障りな音を立てながら、最初に開いた扉が閉まっていく。


騙された?

閉じ込められる……!


慌てて部屋から出ようとした瞬間、地震で目が覚めた。


紙製のカードといえば

50.【マネキンショッピングセンター:探検】の夢で使ったおもちゃのお金が浮かんだ。

関連があるのかな。




気になる夢でした。

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