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81.【アパレルガール:双子と金髪の欠陥品】


ある日の夢は……


体育館みたいな場所から始まった。

建物の中には服や下着、キッチンツールや文房具などの雑貨、化粧品などがグチャグチャに絡み合って山のようにいくつも積み上げられていた。


「Aちゃん何ボーっと突っ立てるのー。 早くしないと遅れちゃうよ?」


背後から声が聞こえた。

振り返ると、そこにいたのは75.【アパレルガール】の夢に出てきた女の子だった。


「隠されてたAちゃんの荷物は私が集めといてあげたから」


そう言ってアパレルガールはアタシがいつも使っている上着とバッグを渡してきた。

バッグの中身を見ようとしたら……


「でも、あのマフラーだけは取れなくてさ。ごめんね」


アパレルガールは一つの山を指さした。

よく見てみると、上の方にマフラーらしき物が何かの棒に絡まっていた。


「なるほど。ありがとう」


アタシがそう言うと、アパレルガールは凄い勢いで抱きついてきた。


「こちらこそ。 さぁ早く行って行って!」


急かされるように建物の外に出された。


「楽しんできてね」


アパレルガールは満面の笑顔を見せると建物の扉を閉めてしまった。

中の様子は見えない。


振り返ると辺り一面、真っ白な雪景色で驚いた。

音が聴こえるようで聴こえない。

しんしんと雪が降る独特な雰囲気。

体育館の前は校庭のような広場になっていて、出てきた扉の直ぐ近くにバスの停留所のような標識とベンチが置いてあった。


挿絵(By みてみん)


ベンチには黒いコートを着た男の人が肩に雪を積もらせながら寒そうに座っていた。

そんな場所にいるのに夢の世界だからか、アタシは全くと言っていいほど寒さを感じなかった。

寒さのことも男の人のことも気になるけど、なんとなく声はかけずに建物に沿って進んでみた。


挿絵(By みてみん)


少し進むと、途中から体育館のような建物から学校の校舎のような建物に切り替わっていた。

長い廊下と教室の扉が窓から見える。

歩きながらチラチラ見ていたら、廊下に人が立っていた。

でも、よく見ると立っていたのは人間ではなく人形だった。

ゴシックロリータな格好をした女の子の人形が双子みたいに並んで立っている。

もっと近くで見てみたくなって、どこかに入り口はないかと少し歩いたら目が覚めてしまった。


まだ起きる時間ではなかったので、そのまま二度寝したら……

今度はさっき見ていた廊下に立っていた。

そのまま続きの夢を見られるのは珍しい。


「彼女、この格好で連れて行くの?」


また背後から声がした。

振り返ると、ゴシックロリータな双子が今度は人間の姿で立っていた。


さっきは人形だったのに……。


そう思ったけど、何も言えずに見ていたら――


「あぁ。 そうだったね」


また背後から声がして振り返ると、男の人が立っていた。

またまた金髪ハーフ風な顔立ち。

76.【謎の黒服男とツインテールと建物妊婦】の夢に出てきた人と似ているけど違う。


そんなことを思いながら男の人を見ていたら、背後に見える廊下が気になった。

アタシと女の子達が立っている場所は学校にありそうな廊下なのに、男の人が立っている廊下はアッチノ世界にある博物館やお嬢様学校に似た雰囲気だった。


挿絵(By みてみん)


床には絨毯が敷いてあって、アンティーク調の照明が並ぶ。

廊下の先は広くなっていて、テカテカに光った焦げ茶色のオブジェのような物が置いてあった。


「どうしよう……。僕のパートナーがこんなダサイ格好だなんて他の僕には見せられないよ。 ◯◯はメイク、◯◯はヘアーをやって」


男の人は嘆くようにズバズバ言うと、頭を抱えながら廊下にかけてあった服を忙しなく見ていた。

彼女達は無言でアタシの手を取って、廊下にたくさんあった椅子に座らせた。


挿絵(By みてみん)


ヘアメイクの道具を取り出すと、一人はアタシと向き合うように座って、もう一人はアタシの背後に立って、それぞれセットを始めた。

二人とも美人でそっくりな顔。

猫目が目立つ濃いめのメイク、フワフワの黒髪にゴシックなワンピースとシマシマのニーハイソックスが似合う。

夢なのに二人とも凄くイイ匂いがした。




「彼は服を作る人。今宵は他の彼等も集まってお披露目会」


「着せて、見せて、触れられて……アタシ達はマネキン人形」


「でもね、アナタは違うの。見せたいけれど他の手には触れられたくない。彼にとって特別な存在。彼も特別」


双子は交互に言うとアタシを軽く抱きしめた。


「特別?」


「そう。他の彼等はマネキン人形だけ。でも、アタシ達の彼にはアナタがいる」


「他の彼等とは違う。彼は欠陥品」


「そう。彼は欠陥品。だから彼も特別。だから面白い」


そんなようなことを言うと、双子は見つめ合って子供のように笑った。


アタシが何かを聞こうとしたら――


「ねぇ、二人共! 彼女に何を着せたらいいと思う?」


男の人が焦った様子で叫んだ。


「タイルパンツなんてどうかしら?」



アタシにメイクをしている女の子が片足を上げてスカートを捲ると、下にハーフパンツを穿いていた。

タロットカードのような縦長の絵がいくつもプリントされている。



「おっ、 新作のやつね。それでいいね」


そう言いながら男の人がアタシに近づいてくる途中で目が覚めてしまった。



最近、アッチノ世界に出てくる人は金髪ハーフ率が高いし、抱きついてくる人も多い気がする。


他の彼等にも会ってみたかった。



そんな夢でした。

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