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76.【謎の黒服男とツインテールと妊婦】

ある日の夢は……


アッチノ世界の学校の廊下から始まった。

廊下の奥に黒いスーツを着た男の人が二人立っていた。

一人は黒髪短髪でハーフみたいな綺麗な顔立ち。

アタシの願望夢なのか、アッチノ世界に出てくる人はハーフっぽい顔の人が多い気がする。




こんな人知らない。誰だろ……。


アタシは警戒して少し離れた所から見ていた。

もう一人は秘書風な若い男の人に見える。


この人も知らないな……。


そう思いながら近づいてみると、夢の中のアタシは知っているのか「リュウ!」と呼びながら、ハーフ顔の人に抱きついてしまった。


「僕は行けないから◯◯(たぶん秘書風な人のこと)と一緒に行っておいで。気をつけてね」


ハーフ顔の人はそう言うとアタシのおでこにキスをした。


驚いている暇もなく、気が付いたら扉の前にいた。

マンションとかアパートの玄関だと思う。

75.【アパレルガール】で出てきた建物と同じなのかわからないけど、暖かそうな陽射しが扉の前に射していた。


秘書風な男の人がインターフォンを押すと、中からメガネをかけたツインテールの女の人が出てきた。


……と思ったら、アタシはいつの間にか部屋の中にいて、座りながら何かを見ていた。

黒と茶色で描かれた風景画が部屋の至る所に置かれている。


見入っていたらーー


「最近、こっちの仕事が忙しくて全然描けてないんだよねぇ。だから個展も出来なくて」


隣の部屋から声がした。

部屋に入ると、たくさんの漫画本や小説、図鑑など、色々な本がビルのように積まれていた。

声はその本の中から聞こえてくる。

覗いてみると、さっきのツインテールの人が本に埋もれた小さなテーブルで漫画を描いていた。


画家さんでもあり、漫画家さんでもあるんだ……。


そう思っていたら――


「一人で黙々とやってると外の情報がわからなくてさ。ねぇー、 ◯◯君(たぶん秘書っぽい男の人のこと)  お願いがあるんだけど、雑誌買ってきてくれる?」とツインテールの人が叫んだ。


チュナだったか、ツナだったか、そんな雑誌とアイリス、アロイス、そんな感じの雑誌名を言うと――


「あっ、 それと育児雑誌もね! これからママになる妊婦さんには必要な雑誌だからね」とツインテールの人はアタシに向かって微笑んだ。

そしてアタシのお腹を見つめる。


「え? アタシ?」


慌てて自分のお腹を見ると、妊娠五ヶ月ぐらいのお腹になっていた。


「ありがとう。産まれたら抱っこしてね」


戸惑うアタシを無視するように、夢の中のアタシは嬉しそうにしていた。


……と思っていたら、またいつの間にか外にいた。

日が落ち始めた時間帯なのか、空はオレンジ色のような黄色っぽいような色をしている。

目の前には、さっきいた部屋の玄関前と同じ色をした五階建てぐらいの建物があった。


ここから出てきたんだ。


そう思いながら振り返ると、陽に照らされた細い道の先に神社公園の入り口が見えた。


ここは神社公園の近くにあるんだ。

また新しい場所を発見したー!


現実の世界のアタシは大興奮。

そんなアタシをまた無視して、

夢の中のアタシは「もうすぐ産まれる。もうすぐ会えるねぇ」と嬉しそうにお腹をさする。

右手には、さっき話していた育児雑誌を持っていた。


もうすぐ産まれるって……まだじゃん。


なんて思いながらお腹を見てみると、もう臨月に見えるほど大きくなっていた。

さっきは五ヶ月ぐらいだったのに……

現実の世界のアタシが少し怖さを感じた瞬間に目が覚めた。


前にも夢に赤ちゃんが出てきた。

お腹の子はその子だったんだろうか。


気になる夢でした。

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