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67.【侵入者:肌色の進化】


ある日の夢は……

アッチノ世界の我が家の三階にいた。

昼間なのか明るかった。


三階には三畳ぐらいの小さな部屋がある。

なぜかアッチノ世界では、その部屋に凄い数の動物がいることが多い。

今回もその部屋には犬がたくさんいた。

一匹のコーギーが近づいてきて、アタシの足元をクルクルと歩く。

それに合わせて振り向くと、知らない部屋に変わっていた。

犬もいない。

最初はカラクリ屋敷にいるのかと思ったけど、上さんの家にも似ている気がする。


とにかく外に出てみよう……。


そう思って歩こうとした時、足首に激痛が走った。

驚いて見てみると、足元にスフィンクスという毛の無い猫みたいな肌色の何かがいた。


挿絵(By みてみん)


この猫に噛み付かれたのかな?


なんて考えていると突然――

その肌色の何かは全く猫ではない、鶏のような鳴き声を発した。

喉の調子が悪いのかと思うほど、不思議な鳴き方。

あえて文字で表現してみると……


〝キィーッ! コォーエッ!〟


こんな鳴き声。

目を見開いて、口を尖らせながら何度も鳴く。

何だかやばそうな気がして、急いで目の前に見える引き戸を開けて中に入った。


そこは五角形のような形をした何も無い空間だった。

窓がある一面以外、全部ガラスの引き戸になっていて、巨大なショーケースみたいだった。


背後からガリガリと音がして振り返ると、さっきの肌色の何かが引き戸に爪を立てていた。

さっきよりも少し大きくなっているような気がする。


肌色の何かの後ろには、どこかに通じていそうな廊下があった。

でも、外に出たらまた噛み付かれそうで怖い。


反対側に何かあるかもしれない……。


そう思って反対側を見てみると、同じような廊下と奥に木造の階段が見える。

62.【三つの別れ道】の夢で見た階段と似ている。


あの階段も危険なのよね……。

この廊下の先に行ってみるしかないか。


そう思って引き戸を少し開けると、爪で床を引っ掻くような足音が聴こえて、すぐに遠のいた。

後ろを見ると、肌色の何かがいない。

どこかへ行ったと思って、外へ出ようとした瞬間――

行こうと思っていた廊下から、肌色の何かが走ってきた……!

慌てて扉を閉じると、肌色の何かは人間のように立ち上がった。

奇声をあげながら、首をガタガタ揺らして近づいてくる。

その姿が怖くて急いで反対側の引き戸へ向かうと、またすぐに現れる。


この二つの廊下は繋がっている……?


そう思って肌色の何かを見てみると、今度は髪の毛のような物が生えていた。

だんだん人間っぽい形になっている気がする。


「もう怖いし、気持ち悪い……」


なんて呟いていると


「あら、 何が?」と真横から声がした。


驚いて横を見ると、ぼさぼさな白髪頭のお婆さんが立っていた。

さっきまでいなかったのに……。


「あの変な生き物のせいで外へ出られないんです。あっちへ行こうと思っていて」


アタシは木造の階段を指さした。


「そんなの簡単よ! 気付かれないように行けばいいじゃない」


そう言いながら、お婆さんは満面の笑顔で引き戸を開けてしまった。

すぐに足音が聴こえてくると思って身構えていたけど……変な生き物は走ってこない。

おかしいなと思っていたら……


〝コーエッ!〟


後ろからあの鳴き声がする。

恐る恐る振り返ってみると、開いていなかったはずの引き戸が開いていて、肌色の何かがアタシの真後ろに立っていた。

今度は幼児ぐらいの大きさになっている。


「お婆さん早く逃げて!」


叫びながらお婆さんの方を見ると、誰もいない。

それに気がついた瞬間、あのお婆さんも肌色の仲間で罠だったんだと思った。


「くぅー騙された!」


アタシは歯を食いしばりながら階段の方へ走った。

前に夢で見た時は上に行く階段しかなかったのに、今回は上にも下にもあった。


挿絵(By みてみん)


階段の間は吹き抜けなっていて、下を見ても真っ暗で何も見えない。

上、下どっちに行っても、またシマシマのいる家に通じてしまうかもしれない。


そんなことを考えていたら、肌色の何かが両手を広げて飛び掛ってきた!


夢だからもういいや……。


そう思ったアタシは映画のワンシーンみたいに、両手を広げて後ろへ倒れるように階段の間にある空間へ飛び降りてみた。


ブワッと風が吹いて落ちていく。

たくさんの階の様子が見えたけど、黒い煙のようにモクモクと夜空が現れて階段が消えていった。

今度は空から落ちていく。


このまま地面に落ちるのかな……。


なんて考えていたら、なにか違う夢に変わって目が覚めた。

次の夢はどんなだったか忘れてしまったけど。

最近、変な生き物に襲われることが多い。


あのお婆さんにはびっくりしたけど

肌色の何かの最終形態は、あのお婆さん……?なんて思ってしまった。


そんな夢でした。

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