表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/135

56.【上さんの家 : 百鬼夜行とお坊さん】


55.【上さんの家】の夢を見た次の日の夢。

初めて見る家の中から始まった。


お坊さんの格好をした人が部屋に案内してくれた。

壁も天井も床も焦げ茶色の木の素材で囲まれた部屋だった。

部屋の中には壺や箱など、高くて古そうな物がたくさん並べられている。


入ってすぐに、お坊さんが壁にかけられた横長の絵の説明を始めた。

真っ暗闇の中に光る一本道。

その道を歩く百鬼夜行が描かれていた。


「これは模造品なんですよ。でも、この風景をあなたは知っているはず」


そう言って、お坊さんは微笑んだ。


アタシが覚えている限り一番古い夢が浮かんだ。

子供の頃に見た【百鬼夜行】の夢。

真っ暗闇の中、光っている一本道を不思議な軍団が通り過ぎて行った。

確かに絵に描かれているのと似ている。


あの夢のことだろうか……。


そう思っていたら、次の部屋へ案内された。

今度はカーペットが敷かれた洋風の部屋だった。

あまりにも雰囲気の違う部屋に通されて、アタシは戸惑ってしまった。


挿絵(By みてみん)


出してもらったお茶を飲みながら、お坊さんと話をしていたら……


「好きに屋敷を見てきていいですよ。きっと本物のあの絵に呼ばれるはずです」と突然言われた。


この家の雰囲気もお坊さんも、とても穏やかに感じる。

怖い夢にもならなそうな気がして、アタシは家の中を見させてもらうことにした。

大きな家だから、廊下がクネクネと続いている。

木の廊下だったり、ツルツルのフローリングだったり、変な廊下ばかり。

その途中途中に部屋があるのだけれど、これも和風だったり洋風だったり、統一感のない家だと思った。


小さい扉を見つけて開けてみるとトイレだった。

アタシの精神状態の表れなのか、いつもアッチノ世界に出てくるトイレは異常なぐらい汚い。

でも、今回は普通にきれいだった。

和式のトイレがあって、壁や床には水色と白の小さなタイルが貼られている。

でも、トイレットペーパーは無くて、なぜか芯の部分にタコ糸のような物がグルグル巻きつけられていた。


糸?変なの……。


そう思いながら扉を閉めると、急にどこからかお香みたいな香りが漂ってきた。

何の香りなのか探していると、焦げ茶色の壁に囲まれた廊下を見つけた。

さっき歩いた廊下と違って扉も窓も無い。



気になって進んで行くと、奥まった場所に引き戸が見える。

近づいて開けてみると、お香みたいな匂いがフワッとして、目の前にはさっき見た絵と同じ物があった。

いや、同じようで全然違う。


これが本物か……!


そう思った。

模造品は横幅が一メートルぐらいだったのに、本物らしき絵は描いてある妖怪達が自分と同じサイズに感じるぐらい何倍も大きかった。


後、模造品は全て筆で描かれた日本画みたいだったけど、本物は筆で描かれた妖怪もいれば、木彫りだったり、陶器、ガラス……

色んな素材で作られた妖怪が点々と貼り付けられているような感じだった。


じーっと見ていると、百鬼夜行がスローモーションのように動く。

でも、瞬きすると元に戻っている。

またじーっと見ていると、昔見た百鬼夜行の夢と同じように、色んな笑い声や話し声がガヤガヤと聞こえてきて絵が動く。


和風のような、洋風のような家。

もしかしてここは、55.【上さんの家】の夢で見た大きな家の中なのかもしれないと思った。


絵を眺めていたら妖怪達の素材が気になった。

44.【ゆらゆら : 仮面道路】(後編)の夢で、古びた改札で会ったお婆さんが持っていたブレスレットみたいな物と同じような気がした。


やっぱり色々繋がっているのかな……。


なんて考えていたら――


「繋がりましたかね」


後ろからお坊さんの声がして、姿が見えるか見えないか振り返っている途中で目が覚めた。


このお坊さんがアッチノ世界で、どんな存在なのか凄く気になる。





そんな夢でした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ