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33.【研究所:白色と黒色の生産工場】

32.【遊園地&プール】と【研究所】の夢の中で、怪しい場面を目撃してから暫く経ったある日の夢。


抹茶色に光る廊下に立っていた。

建物の中は窓が一つも無くて薄暗い。

アタシは何か隠密行動をしているのか、スパイ映画やSF映画を思わせるようなピッタリとしたスーツにブーツという出で立ちだった。


手には、おもちゃみたいな光線銃。

そんな光線銃を構えながら格好良く奥へ進むと、また映画のような光景が目に飛び込んできた。


目の前にとんでもなく広そうな空間があった。

上下左右どちらも吹き抜けのようになっていて、先がどうなっているのか見えない。


挿絵(By みてみん)


見えているのは、自分が立っている側の壁と正面にある壁だけ。

よく見ると、細長い大きな容器が壁に半分埋め込まれた状態で綺麗に並んでいた。

空間の壁一面おびただしい数の容器。

その容器の中には、ネオンランプのような緑色の液体が入っている。


何か移動する乗り物があるのか、細いレールのような物が空間の所々に設置されている。

慎重にレールの上を歩いて壁に近づいてみると……

それは前回のプールの夢で目撃してしまったメガネケースのような容器だった。



中を覗いた瞬間、アタシは絶叫しそうになった。

連れて来られた人達が中に入っているのかと思ったら、寝かされていたのは人間ではなく、前回の夢にも登場した白色と黒色の人型ロボットだった。

見える限りの壁一面にオセロのように並ぶロボット達。


あの人達が殺人ロボットに……?


また知りたくも無い裏側を知って驚いていると、自分が歩いてきた廊下の方から騒がしい音がする。

警戒しながら見ていると、奥からヌイグルミのような物体が三体出てきた。

近づいてきたのは、よく見るとシンバルを持ったサルのおもちゃだった。


またシンバルのサル……。





でも、今回のサルのおもちゃは黄色い毛じゃなくて、焦げ茶色の毛をしていた。

それにサイズがオラウータンのように大きい。


シンバルを激しく叩きながら鳴き声のような音を出して、大騒ぎで近づいてきた。

お尻の下にローラーか何か付いているのか、動くのが速い。

アタシは急いで手に持っていた光線銃をサル達に向けて撃った。


勢い良く何かが出るのかと思ったら、何も出ない……。

せめてピロリロ音が鳴ってくれればいいのに、電池が切れたおもちゃのように鈍い音が小さく聴こえてくるだけ。


「この役立たず!」


使えない武器にイラッとしたアタシは光線銃をサルに投げつけて、細いレールに飛び移りながら下へ向って逃げた。

数段下りた所で上を見上げると、サル達はいなくなっていた。


さすがにレールは走って来られないか……。


なんて思っていたら、サル達の鳴き声のような音が聴こえてくる。

音は横から……

空間の奥の方から聴こえる気がして、目を凝らして見ていたら、サル達がシンバルを叩きながら飛んできた!

背中にはプロペラのような物が激しく回っている。


「なんでもあるなぁ……」


ボヤキながら辺りを見渡していると、さっき立っていた場所と同じような抹茶色の入り口を見つけた。

そこへ急いで入ると、後ろからサル達が迫ってきた。

振り返ると前からも大群のサル達。


挟まれた!


あたふたしていたら、足元に丸い穴が開いているのに気がついた。

覗いてみると、中は滑り台のようになっている。


挿絵(By みてみん)


とても嫌な感じがするけど仕方が無い……。


そう思いながら穴の中を滑って逃げてみた。


ブワッと勢い良く飛び出ると、縦にも横にも物凄く広い場所に辿り着いた。

置かれている物も大きな物ばかり。

太い柱が何本もある……と思っていたら、よく見ると巨大な椅子とテーブルの脚だった。


アタシはネズミぐらいのサイズだろうか。

天井を見上げると、傘付きの照明がぶら下がっている。

傘の中には、灯りの小さな裸電球。

もちろんこれも大きい。

テーブルの近くはキッチンになっているのか、巨大なコンロと赤いやかんが見える。

団地やアパートにある一部屋を連想させるような、そんな場所だった。


部屋にある物全てが巨大だから、辺りを見渡してみても自分がどこから出てきたのかわからなかった。

脱出できそうな場所を探しながらウロウロしていると、キッチンの換気扇の横に小さな窓を見つけた。

少し開いている。


あの窓から外に出られるかな……。


出られそうな気がして、窓の近くにあった戸棚をよじ登ってみた。

途中で、ちょっとした小物が置いてあるような場所に出た。

少し休憩しようと思って置いてあった瓶に寄りかかると、それがゆっくりと傾いて下へ落下。

見事に割れて中身が飛び散った。


あー、やってしまった。

まぁ、人はいないみたいだし、大丈夫そうかな。


なんて悠々としていたら、背後からガサゴソと物音が聴こえる。

ドキッとして振り返ると、別の部屋に繋がっていると思われる出入り口を見つけた。

その先は真っ暗で何も見えない。

けれども、音はその奥から聴こえてくる。


あのサル達かしら……。


動かず見入っていると、出入り口に付けられていた珠のれんがジャラジャラと動いた。

それが波打つように大きく動いた瞬間――

巨大な男の人が珠のれんを掻き分けながら、アタシのいる部屋に入ってきた。

ゆっくりと辺りを見渡すと戸棚に向って歩いてくる。


男の人に思えた物体は近くで見ると、マネキンショッピングセンターにいるような人間の形をした人形だった。


アタシの存在に気が付いたのか、人形はゆっくりと手を伸ばしてきた。

慌てて端へ逃げると、戸棚の下に小さなゴミ箱っぽい容器を見つけて勢いのまま飛び込んでみた。

大した衝撃も無く何とか無事に入れたと思ったら、中はまた滑り台のようになっていた。


そのまま転がるように滑って行くと、今度はコンクリート打ちっぱなしの部屋に出た。

アタシの出た穴は二階部分にあったようで、上から部屋を見渡してみても何も無い。

壁際にあった階段を下りてみると、階段の横にはアタシが出てきたのと同じような穴があいていた。


ここもどこかに通じているのかな……。


そう思いながら横を向いて驚いた。

目の前には下水道のような大きな穴があいていた。


挿絵(By みてみん)


丁度、アタシが滑ってきた穴の真下にある。

照明は見当たらなくて中は薄暗いけど、外に通じているのか一番奥が光っている。


この穴から外に出られるのかな?


そう思っていたら――

またあの騒がしい音が聴こえてきた。


上を見上げると、アタシの出てきた穴からシンバルを持ったサル達が現れた。


「しつこいな!」


サル達に向って叫んでいると、今度は階段の横にある穴から何かが滑ってくる音が聴こえる。


またサルか……


イラッとしたアタシ。

一発殴ってやろうと穴の前で構えていたら――

穴から出てきたのはサルではなく、なんと白色の殺人ロボットだった。


ロボットの姿が見えた瞬間、アタシは大きな穴の中へ一目散に走った。

この穴が怪しいのはわかっているけれど、逃げずにはいられなかった。

段々と光が近づいて外の風景が見えてきた。

揺れる視界の中には、見覚えのある道路が映っている。


アタシが今、必死に走っているのはどこでもトンネル。

この先で待っているのは殺人ロード。

そう思いながらもアタシは走り続けた。


「あー。やっぱりな……」


アタシは徒競走のゴールテープを切るようにトンネルの外へ出た。

その瞬間、ゆっくりと目が覚めた。


あの研究所はアッチノ世界の悪夢を製造している。

起きてすぐにそんなことを思ってしまった。

もしかすると、殺人ロードよりも危険な場所なのかもしれない。


そんな夢でした。

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