27.【ガラクタ山】と【廃墟村】
アッチノ世界にある追われる右ロードを道なりに逃げていくと【ガラクタ山】が現れる。
ガラクタ山は不法投棄された家具や大型家電製品が山になったような場所。
家具や家電製品以外にもバスタブやシンクなど、家に備え付けてある大きめの物が柱のように積んである。
青い廃墟ビルの廊下みたいに、積まれている物を乗り越えたり、潜ったり、間を縫って進まなければいけない。
ガラクタ山を抜けると、今度は【廃墟村】と呼んでいる場所に辿り着く。
そこには青い廃墟ビルみたいに使われていない家や店舗のような建物がたくさんある。
どれも屋根や壁が崩れ落ち、半壊したボロボロの建物ばかり。
中を覗いてみると、まるでガラクタ山に置いてきたかのように、どの建物にも家具や生活用品は見当たらない。
廃墟村を通り過ぎた先には、青い廃墟ビルや白い布に包まれた家の場所に繋がっている。
廃墟村はいつも夕方の場所。
でも、夕暮れの六丁目のように、明るいオレンジ色の風景ではない。
墨色ワールドに近いせいか、空も空間もセピア写真のような濃い夕暮れ色をしている。
ここにあるのは、壊れた建物ばかりで人も全くいない。
それなのに、なぜか寂しさを感じない不思議な場所。