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2.【百鬼夜行】
暗闇に続くのはデコボコな一本道。
幼いアタシは一人立っていた。
前触れもなく風が吹いて引き寄せられるように振り返ると、遠くに丸い光が浮いていた。
ゆらゆらと近づく光に見とれていたら、また前触れもなく風が吹く。
今度は目隠しするようにアタシを包み込んだ。
デコボコ道すら見えない真っ暗闇で、アタシの耳元に聞こえてきたのは、たくさんの足音と笑い声。
そっと目を開けてみると、目の前には不思議な姿をした生き物達が列を作って歩いていた。
先頭には龍もどき。
さっきの光を提灯のように持っている。
どんどんと近づいてくる行列にぶつかるかどうか……
そんな寸前のところで目が覚めた。
幼かったアタシにとってはただの怖い夢。
寝る前に見た本やテレビの影響なのかもしれないけれど、まるで百鬼夜行に遭遇したかのような夢だったと今は思う。
これが記憶にある中で一番、古い夢。
アッチノ世界へのきっかけだと感じる夢。