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134.【オジサンと光る猫と不思議な宴会】



ある日の夢は……


誰かと一緒に広い和室にいた。

アッチノ世界のゲームセンターで会ったオジサンだったと思う。


夕方の時間なのか、部屋の中は薄暗い。

かなり広い和室なのに物が何も置かれていなかった。

オジサンらしき誰かと座って話をしていたら、突然猫が近寄ってきた。

動かずに見ていたら、ゴロゴロ喉を鳴らしながらスリッとしてくれた。

その数秒後、反対側から違う猫がまた歩いてきた。

同じようにゴロゴロご機嫌でスリッと挨拶をしてくれた。


兄弟かな?


そう思いながら、最初の子を見るとお行儀良く座っていたけど、その子の体全体がランプのようにぽわんと光っている。


え?光ってる?


驚いて、もう一匹の子を見ると同じように体を光らせながら座っている。


なんで光ってるの?


近づいて見てみようとした時だった。また畳をシタシタと歩いてくる足音が聞こえてきた。


見ると白い猫。でも、体がボロボロ。

ケガとかでボロボロではなくて、枯れすぎて崩れている木のような……老いを通り越してミイラに近いように見える。

うまく表現できないのが悔しい。

一目でわかるぐらい背骨とか周辺の肉体もえぐれるように無くなっているのに、血とか生々しい物は見えない。

ぼかされたような見え方をしていて、夢の中で「あっ、モザイク処理されてる?」と思った。

透明な何かで形を維持しているのか、背骨はないけど頭も尻尾もついていて普通に歩いている。


その猫を見た時あー、彼女は普通の猫じゃない。

神様とか、妖怪とかそういうのに近い存在なんだな。


そう思った。他の子と同じように近づいてきて、アタシにスリッとしてくれた。

見上げた顔はとても可愛らしいおばあちゃん猫だった。

その子が座ると、他の猫より強く光り始めた。

同時にぞろぞろとたくさんの猫が部屋に集まってきた。

みんなアタシにスリッとしてから、ゴロゴロ喉を鳴らしながら近くに座る。

座った途端に猫の体が光るから、薄暗かった部屋がどんどん明るくなっていく。

ふと横を見たら、最初の猫がいた場所に和服を着た男の人が座布団を敷いて座っていた。


えっ? 誰?


驚いて反対側を見ると、他の猫がいた場所にずらっと和服を来た人達が座っていた。

みんな猫が喉を鳴らすようにケラケラと笑い声をあげたり、にっこり笑っている。

和室の中は何にもなかったのに、いつの間にか部屋の真ん中に長い座卓が置かれていて、上にはたくさんのご馳走が並んでいた。

オジサンと和服を着た人達が楽しそうに飲んだり食べたりしている。

それを見ている間も続々と猫達が来て、アタシの体にスリッとしていく。

右にスリッとされたと思ったら、今度は左にスリッと……右を見ると、一瞬で猫がいた場所に人が座っている。

部屋を見渡すと、たくさん座っていたはずの猫の姿が見当たらない。

代わりに和服を着た人がどんどん増えていく。

猫が和服を着た人に変わっている?


そう思っていたら……


「遅くなっちゃったー」


背後から声がした。

見ると58.【茶色いエレベーター】で会ったお姉さんが立っていた。


「あれ? ここって猫がたくさんいるって聞いたけど、この子しかいないの?」


お姉さんとアタシの間にボロボロの白い猫が座っていた。

眺めるように宴会が開かれている方を見つめている。


この子は人にならないのかな?


そんなことを思いながら


「オジサン以外はみんな猫だったのに、人に変わっちゃったんです」


「えー、ほんとに?」


お姉さんの驚いている声を聞いていたら目が覚めた。

69.【パラレル・ワールド:気紛れターミナル】の夢の中で、猫又のマタさんという猫の話が出てきた。

56.【上さんの家 : 百鬼夜行とお坊さん】の夢に出てきたお坊さんが飼っている猫らしい。


あのボロボロの白い猫がその猫又のマタさんなら、あの場所は上さんの家だったのだろうか。

わからないけど、穏やかで賑やかな雰囲気が凄く心地良かった。


そんな夢でした。


夢を見た日:2020年12月03日



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