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117.【侵入者:四角い顔の黒鬼】


ある日の夢は……


我が家の三階から始まった。

部屋にはアタシと坊主頭の見知らぬ男の人がいた。


二人で談笑していたけど、アタシは時計を見ると少し慌てながら

「そろそろ帰ったほうがいいんじゃない?」と男の人に言った。


「おっ、もうそんな時間か。鬼に見つかる前に帰らなきゃ」


男の人も時計をちらっと見て、上着を着ると部屋を出た。


二人で階段を下りてまずは二階へ。

アタシはいつもの癖で二階のベランダの窓から外を見た。


空は曇っていて夕方の時間帯なのか結構薄暗い。

男の人は一階へ続く階段を下り始めていた。


「外も薄暗いし、一番怖い黒鬼がいたら大変だよ」


アタシがそう言うと、男の人は階段の踊り場で立ち止まった。


「確かにそうだよな。黒鬼なんかに見つかったらヤバイよ」


少し笑うように言いながら、こちらを振り向いた。

その時、男の人の背後がやたらと暗いのが気になった。

一階に下りる階段は北側にある。

だから、昼間でも薄暗いけど、窓もあるから普段は夕方なら曇っていても外の光が入ってくる。

でも、男の人の背後は暗いのを通り越して黒い。


なんであんな暗いんだろ?


改めて男の人の背後をよく見てみると、黒い何かと目が合った。

少し前かがみになって、見上げるようにアタシの目をじーっと見つめる黒い何か。

それが何なのかわかった瞬間、アタシは階段を駆け上がった。


「黒鬼……黒鬼!」


頭の中でそう思ったのか、口に出して叫んだのかわからないけど、薄情なアタシは男の人を置いて自分だけ三階へ逃げていた。

まるで心霊動画で撮影している人が幽霊を見つけてしまった時みたいな怖さ。


「えっ…わっ」


そんな感じの叫び声が扉を閉める寸前に聞こえた気がする。


「なんで家の中に黒鬼が……」


怖くて仕方がなかった。

三階の扉はガラス張りだから階段が見える。

怖いのに階段を見つめたままアタシは動けずにいた。

ダンダンと大きな足音を響かせながら、何かが階段を駆け上がってくる。

すぐそこまで近づいてきた。

来る!と思って身構えていたら、階段を上ってきたのは黒鬼ではなく白いダウンコートを着た姉だった。


「いやー、急いで来たけど遅くなっちゃった」


そう言いながら扉を開ける姉のダウンコートを両手で掴んで、アタシは強引に部屋の中に引き入れた。


「黒鬼が……黒鬼が家の中にいるんだよ!」


そんなことを言った後に目が覚めた。

そのまますぐに夢を思い出す。

まず浮かんだのは、最後に掴んだ姉のダウンコート。

感触が夢だと思えないぐらい凄くリアルだった。


次に黒鬼。

醜い顔とか怖い顔とかそういう感じではない。

頭に黒い角が2本あって、縦長の四角い顔。

目はまん丸で何かのキャラクターみたいだった。

でも、生々しくそこに存在している。

見たのは一瞬だったのに、見開かれた目で見つめられた時の雰囲気とか、無表情な顔が物凄く怖かった。

アッチノ世界で時々遭遇する、会ってはいけないと感じる生物。

確実にそれの部類だった。


男の人も背が高かったけど、黒鬼の顔は男の人の頭の上にあって、更に前かがみにもなっていた。

かなり背が高いのかもしれない。


2本の角がある四角い顔、背が高い……。

ふと113.【侵入者:色んな肌色に化けた黒い奴】の夢に出てきた黒い奴を思い出した。


あの黒い奴も背が高くて、2本の角が生えた四角い骸骨みたいなお面をかぶっていた。

あの黒い奴の特徴と黒鬼は似ている。

同じ存在だったら?

逃げたアタシを追いかけてきている?

そう思ったら、夢なのにゾクッとした。



他にも似ている夢がいくつかある。


64.【侵入者:マキナさんと茶色い塊:夢が残す目印】の夢。

この夢の時も「決まった時間を過ぎると**に捕まってしまうから」とみんな慌てていた。

でも、何に捕まるかはわからなかった。



91.【学校:鬼退治】の夢。

この夢の時も「一番強いのは黒鬼」だと言っていた。

でも、出てきた黒鬼は今回の黒鬼と見た目が少し違っていて、顔の色が白と黒のグラデーションだった。

あの黒鬼の雰囲気もかなり不気味。



これらの夢に繋がりがあるのかわからないけど、アッチノ世界で忘れられないぐらい怖い存在に遭遇した後は、現実の世界で何か悪いことが起こることが多い。

何も起きないでほしいけれど、暗い場所や階段を見る度にあの黒鬼の顔を思い出す。

それぐらいあの表情に物凄い恐怖を感じた。

あの男の人はどうなったんだろうか。

気になるけど、もう見たくはない。


そう思った夢でした。


挿絵(By みてみん)






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