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111.【異世界:世界史の先生とフミカちゃん】


ある日の夢は……


見知らぬ女の人に薄暗い場所に連れて行かれた。

そこには黒っぽい柱のような物が四~五本並んでいた。


女の人が一番左端の黒い物に触れた瞬間、黒い部分がスーッと消えて出入り口のような穴が空いた。

その奥はどこかに繋がっているように見える。


女の人はこちらを見ると「私は地球の人間ではない。他の世界から来た」と言った。


他の世界とは他の星?

それともパラレルワールドみたいな違う世界なのか?

住んでるのは地球じゃないけど、人間ではある?

人間でもない?


そんなことをアタシは考えていた。


その場には他にも女の子が二人いて、不安そうな顔で話を聞いていた。

一緒に奥へ進んでみると、広い場所に出た。

外国の古いホテルや洋館のような建物だった。


「私達は人間と同じように生活しながら、必要な存在を選出している」


そう言いながら、女の人はタブレット端末のような物を見せてきた。

画面にはアタシがSNSにアップした写真などと一緒に、それにイイネやアクションを起こした人達の一覧みたいなものが表示されていた。


「これはみんな私の仲間。選出した人間の行動をチェックして、アクションや印を残している。あなた達もその一人」


大きな瞳でアタシ達の顔を見つめる女の人。


「普段の私は世界史の先生をしているのよ。ここは仲間や選出された人間が生活する場所。いつかはあなた達も住む場所だから、見学してきて」


そう話す女の人の顔は嬉しそうだった。

それまで堅苦しい話し方をしていたから、その一瞬だけ何だか物凄く普通の人間みたいに思えた。


一通り話を聞いて、アタシと女の子達は大きな建物の中を見て回ることにした。


歩きながら名前を確認し合ったけど、一人の名前が何度聞いても覚えられない。

もう一人の名前は夢の中でハッキリ覚えたのに、起きたら忘れてしまった。


アタシは人の名前を覚える時は、相手と話したことや似ている人物などを頭の中で写真みたいにイメージにして名前を覚えることが多い。

アニメが好きな◯◯さん、某キャラクターみたいな顔をした◯◯さんとか。


「もう一度聞いていい?」

「アハハ。そんなに覚えられない名前かな?私の名前はフミカだよ」

「そうだった!ごめんね。フミカ……フミカ……。◯◯ちゃんは覚えていられるのになんでだろ。フミカちゃんは誰に似てる? フミ……フミ……猫?」


何か覚えられるイメージはないかと色々悩んだけど、なかなか出てこない。

夢の中だと覚えられないのに、なぜか『フミカ』という名前は起きた後でも覚えていた。


繰り返し名前を呟きながら辺りを見渡すと、バルコニーみたいな場所が気になった。


引き寄せられるように一人で外に出てみると、自分がいる建物とコの字に繋がった建物が目の前に見える。

この場所に入ってから、アッチノ世界と違う感覚が少しあった。

夢の世界じゃなくて、現実みたいにはっきりしているような……。


そんなことを考えながらバルコニーの外を見渡してみると、建物の左側に何も建っていない広い場所があった。

グラウンドの芝生なのか、それとも野原の雑草なのか、緑色になっている。


その奥には山のような何かが見えるけど、霧に覆われているのかぼやけている。

それを見て65.【カップラーメン島】に出てきた場所に似ていると思った。

だから、アッチノ世界なのかもしれないけど、やっぱりいつもとは違う感覚が気になる。


ふとバルコニーの下を覗いた。

アタシがいたのは三階ぐらいの場所だった。


もしここがアッチノ世界なら、この高さから飛び降りてもきっと無事に着地できるはず。

でも、そうじゃなかったら……死ぬかもしれない。


悩んだけど、アタシは下へ飛び降りた。

その瞬間、二階辺りで何かがアタシの腕を掴んだ。


手で手首や腕を掴まれたような感覚とは違う。

上にあげていた両腕を空気ごと掴まれているような……。

不思議な感じがした。

そのまま大した衝撃もなく、一階部分に着地。

すぐに上を見上げたけれど、誰もいなかった。

女の子達もいない。


無事に着地できたのだから、やっぱりアッチノ世界なのだろうか。


モヤモヤ考えていたら、他の世界から来た話していた女の人の顔が浮かんだ。

ここがアッチノ世界なのか、別の世界なのか、彼女と改めて話せばわかるはず。

アタシはすぐそばにあった扉から建物の中に入ってみた。

広い廊下のようになっていて、少し行った先に大きな螺旋状の階段があった。


よく見ると、階段に寄り掛かるように男の人が立っていた。


あの人に聞いてみよう。

でも、あの女の人が世界史の先生をしているのは、この空間?

それとも最初の出入り口の外の世界?


どっちなのかと悩んでいたら目が覚めてしまった。





とても不思議な感覚の夢でした。

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