第21章・第一部 「最終決戦への鼓動」
長きにわたった派閥との戦いがついに終わり、ホワイトホース本部には一瞬の静寂が訪れていた。
だがその静けさは、嵐の前の静けさ――誰もがそれを理解していた。
全派閥の壊滅報告を受けた本部では、直ちに最高会議が開かれた。
総裁を中心に、各支部の代表者、技術班、戦術顧問、情報部が集う。
会議室の中央スクリーンには、これまでの戦闘データと新たに判明した“宇宙本部”の位置情報が映し出されていた。
「ブラックタイガー本部は、地球軌道上・第七衛星帯付近に存在する。
すでに地球圏への影響が観測され始めている。」
情報部の報告に、室内の空気が張りつめる。
「次の作戦――“オペレーション・ヘヴンフォール”を開始する。」
総裁の言葉に、全員が深く頷いた。
作戦は三段階に分かれていた。
① 宇宙用戦闘機〈ペガサス〉シリーズによる地球圏突破。
② ブラックタイガー本部外郭防衛線の突破。
③ 総裁直属部隊による中枢制圧――。
その準備のため、技術班と整備班が昼夜を問わず稼働を続けた。
格納庫では新型機のエンジンが光を放ち、ホワイトホースの隊員たちが次々と訓練へと向かっていく。
一方、レイたち三人は訓練室へ呼び出された。
待っていたのは、レイの叔父とナツキの母――二人の教官だった。
「ここから先は、誰も経験したことのない戦いになる。
重力も、環境も、敵の強さもすべて未知数だ。」
叔父が厳しい口調で言う。
「あなたたちには、“宇宙適応血気”の訓練を受けてもらうわ。」
ナツキの母の言葉に、3人は真剣な眼差しで頷いた。
重力シミュレーターの中、風・水・火の血気術が交錯する。
宇宙空間での操作性や呼吸の制御、連携技術を磨く日々が続いた。
ホワイトホース全体が、これまでにない緊張感と高揚に包まれていた。
隊員たちは笑顔を見せながらも、その瞳の奥には“決戦”への覚悟が宿っている。
そして、誰もが胸の内で誓っていた。
――この戦いで、必ず終わらせる。
――闇に囚われた者たちを、光へと導く。
レイは訓練室の窓越しに星空を見上げた。
そこには、遠くかすかに輝く光――彼らの次なる戦場があった。




