第20章・第六部 「闇の中心へ」
戦闘が終わり、山に静寂が戻った。
黒狼会の本拠地は瓦礫と灰に覆われ、風が冷たく吹き抜ける。
レイたちは周囲の安全を確認すると、すぐに通信機で本部へ連絡を入れた。
「こちら神崎レイ。黒狼会の壊滅を確認。捜査班の出動を要請する。」
数時間後、捜査班が現場に到着し、慎重に調査を開始。
崩れた建物の下からは大量の資材、兵器、そして異常なほどのエネルギー装置が発見された。
報告によれば――黒狼会は、ブラックタイガー本部から膨大な支援を受けていたという。
「だから、ここまでの防御が異常に堅かったのか……」
シュンが低く呟く。
ナツキも険しい表情でデータを見つめた。
「本部は私たちが派閥を潰すことを、初めから読んでいたのかもしれないね。」
本部からの通信が入る。
総裁の声は静かだったが、その奥には確かな緊張があった。
『捜査班の解析で、最終的なエネルギー転送の行き先が判明した。
――やはり、ブラックタイガー本部は“宇宙”にある。』
3人は顔を見合わせ、息をのんだ。
宇宙。
それはこれまでの常識を超えた、完全な隔絶空間。
ホワイトホースが地上から手を出せない唯一の場所。
『さらにもう一つ。3週間後、硫黄島上空にブラックタイガーの母艦が接近するとの情報が入った。
本部部隊が地球への直接介入を開始する可能性がある。』
――それは、決戦の合図だった。
その頃、宇宙に浮かぶ巨大な黒い要塞では、闇の紋章がゆっくりと輝き始めていた。
各部隊が動き出し、黒い血気をまとった鬼たちが次々と武装を整えていく。
崩壊した派閥の代わりに、本部直属部隊が全面出撃の準備を進めていたのだ。
「ついに……動き出すのね。」
ナツキが呟く。
レイは空を見上げ、拳を握り締めた。
「ここからが本当の戦いだ。」
雲の切れ間から、遠く宇宙の闇が微かに光る。
それは、次に訪れる“最終章”の始まりを告げるようだった。




