第15章 獄炎派壊滅戦(ごくえんはかいめつせん)
第一節 南九州上空、夜明け前
夜明け前、九州南端・薩摩半島上空。
雲の切れ間から、戦闘機の編隊が夜空を切り裂いた。
《テンペスト》《アクアリウス》《ブレイズ》――ゼロウィングの3機が、最新型空上艦艇から発艦。
レイ(通信)「こちらゼロ1、目標空域に侵入する。」
ナツキ「ゼロ2、了解。……何この空気、嫌な感じがする。」
シュン「ゼロ3、燃えてきたぜ!」
地上の森林地帯に、異常な鬼気反応が広がっている。
解析班の声が艦内通信に流れる。
《目標地点、地下に大規模な拠点。鬼気レベル:Cランク×50、Bランク×7、そして……Aランク1体。》
レイ「……Aランク。派閥の頭領だな。」
ナツキ「やるしかないね。」
3機は翼を傾け、山林地帯へと急降下した。
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第二節 獄炎派の牙城
地上――森の中に、古びた採石場跡を改造した拠点が広がっていた。
無数の鬼たちが結界を張り巡らせ、中央には巨大な赤い結晶――鬼核炉が脈動している。
シュン「うわ、派手なもん作ってんな!」
ナツキ「完全に軍事拠点じゃない……!」
突如、地面を割って飛び出す炎の壁。
「ようこそホワイトホースの犬ども!」
拠点の中央に、炎の鎧を纏った巨体の男――**獄炎派頭領・焔鬼**が現れた。
焔鬼「俺の領土に足を踏み入れたこと、後悔させてやる!」
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第三節 ユニオン・フォーム
レイ「シュン、ナツキ。――行くぞ。」
ナツキ「合体ね!」
シュン「了解、レイの指示に従う!」
三機が夜空で交錯する。
機体の接続部が青白い光を放ち、風・水・火が螺旋状に絡み合う。
レイ「ゼロウィング――ユニオン・フォーム!」
轟音と共に、3機は一体の巨大な戦闘機へと合体した。
白と青、赤のラインが走る機体は、夜明けの空を照らす翼となった。
地上の鬼たちが一斉にざわめく。
「な、なんだあれは……!」
レイ「こっちも本気を出す。」
ナツキ「水流加速、出力70%!」
シュン「火力全開! ぶっ飛ばすぜえええっ!」
ユニオン・フォームから放たれた高出力レーザーが、敵陣を貫いた。
爆音と共に、鬼たちが次々と吹き飛ぶ。
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第四節 頭領・焔鬼との激突
だが、炎の中から焔鬼が歩み出る。
「そんな攻撃、俺には効かねぇんだよ!」
全身から噴き上がる火炎が、まるで火山のように空を焦がした。
ナツキ「熱っ……!」
レイ「機体温度上昇中、これ以上は近づけない!」
シュン「だったら……こっちも、燃やす!」
シュンがコントロールを切り替え、火属性ユニットを最大稼働。
炎と炎がぶつかり合い、空気が震える。
レイ「今だ、風流操作――ナツキ、冷却を!」
ナツキ「了解!」
風と水が焔鬼の防壁を削ぎ落とす。
レイ「フルバースト!!」
ユニオン・フォームの中央砲から、三属性が融合した光が放たれた。
焔鬼の炎を飲み込み、爆発が夜空を白く染める。
焔鬼「ぐっ……馬鹿な……こんな力が……!」
爆炎の中、焔鬼は膝をつき、鬼核炉が粉々に砕け散った。
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第五節 終わりと始まり
夜明けの空に、鳥の鳴き声が戻る。
壊滅した拠点を見下ろしながら、3人は通信を開いた。
司令長《よくやった。獄炎派、壊滅を確認した。》
ナツキ「1組、終了。」
シュン「あと4組だな。」
レイは静かに拳を握った。
「……父さん。俺たちは止まらない。」
そのとき、司令室のモニターに赤いアラートが点灯する。
司令長《報告! ロンドン支部付近で反応あり! 規模不明――警戒レベルBからAへ上昇中!》
レイ「次の戦場か……」
ナツキ「いいじゃない、こっちも勢いついてきたし。」
シュン「ユニオン・フォーム、クセになるぜ!」
《ソラノア》に帰還し、翼が朝焼けに染まった。
戦いは、まだ始まったばかりだった。




