表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/20

白虎の剣

訓練を受けて数週間が経過した。

ユーロックは芋虫のように地べたに横になっていた。


「もう無理だ...きつい...ダルい...」


「まだまだ!本拠地の周りをあと10週だ!」


「嫌だぁー!」


ユーロックは駄々をこね、手足をばたつかせて拒否する。


「こんなもので弱音を吐いているようじゃ強くなれないぞ!」


「それは分かっている...だけど毎日、腕立てと腹筋、懸垂、それぞれ100セット...それから外周50週と龍雅と戦闘訓練でサンドバックにされる…もうボロボロだ!」


「銃という武器は遠距離攻撃としては優秀だが使う人間が貧弱なら誰にも勝てないぞ!ほら立って走る!」


龍雅は彼女を無理やり起こして走らせる。


この数週間、ハードな訓練に対して弱音を吐きつつも投げ出さず頑張っている...

これまで脱走しようとした者もばっくれる者もいたが彼女はすごいな...

まだまだだが伸び代はある...


へとへとになって帰ってきたユーロック。


「はぁ...はぁ...走り終わった...」


「まだ、帰ってくるのは遅いがよく走りきった!食事にしよう!」


食卓に着くとテーブルには既に豪華な食事が並んでいた。


「やっと飯だ...」


彼女は目を輝かせた。

訓練を終えた団員たちも続々と食卓に集まった。


「みんな午前の訓練ご苦労!それでは食材と料理人に感謝を込めていただきます!」


すると団員全員が手を合わせた。


「いただきます!」


ユーロックは口に詰め込むように食事をしていた。


「このラーメンも小籠包もうめぇ...」


「そうだろ?ここの料理人の腕は一級品だ!」


龍雅は腕を組み得意げに呟くとユーロックはジトっとした目で彼を見つめた。


「なんでお前が誇らしげなんだよ...」


ユーロックは何かを思い出したかのように呟く。


「そういえば、団長見てないけどどこにいるんだ?」


「団長は()()()()のため、白虎の剣の本拠地に向かった...」


「四聖会議...?」


「四聖会議とは年に一度各軍団の団長が集まり情報共有とレギオンの対策や軍団との連携を話合う会議だ...」


「なるほど...」


その頃、四聖会議では。

円卓にそれぞれ東西南北に座り会議をしていた。


黒い服を纏った老人が口を開いた。


「ここ最近、ワシら、玄武の盾に「レギオンの特殊個体を目撃した」という報告が南の住人から複数来ておる...そして、その特殊個体が複数種類あるらしいの~。」


赤い豪華な服を纏った女性が淡々と呟く。


「それは我々、朱雀の弓にも同様の報告が入っている...」


白い虎柄の服を纏った若い男が手を挙げた。


「その特殊個体の種類についてはこの白虎の剣、団長である虎 邪亮(フー・シェリャン)様が答えてやる!

まずこの特殊個体は3種類に存在する。

体長約5~6メートルの大型個体、

武器を使わず様々な能力を使う能力個体、

武器を武装している武器個体だ...


通常レギオンってのは人間とほぼ変わらない大きさで生身で攻撃する獣だが...

なぜだか知らんが世界のあちこちで急に湧き始めた...」


老人は青龍の鉾の団長に目線を向ける。


「この特殊個体についてお主の考えを聞きたい、青龍の鉾、団長の源 禹素劝(ユエン・ウースケン)殿...」


彼女は淡々と呟く。


「東の方では特殊個体となるレギオンは観測されておりませんが、奇妙な少女が一人現れ、今我が軍団に監視対象として置いています…」


老人は少し体を起こした。


「なんと、してその少女とやらは何者なんじゃ?」


ユエンは少女の詳細を共有した...


すると朱雀の弓の団長はあきれた顔をで呟く。


「この世界とは異なる世界から来たですって?何を馬鹿なことを...デタラメに付き合う気はないわ...」


「俺も信じる気にはなれねぇなぁ…別の世界から来たってだけでも意味わからねぇのにそいつがワールドウェポンを持ってるだと?

それはどの世界探しても1つしかねぇし、だいたいお前が持ってるのが気に食わねぇ...

俺様によこせ、青色野郎...」


邪亮はユエンの方を睨みながら彼女に対して指を指した。


「これは渡せるものではないし私は女だ野郎ではない…あなた、馬鹿なの?」


彼女は半分呆れた顔で呟く。


邪亮は煮えたぎった表情でガンッ!とテーブルに片足を乗せて右手は爪を立てるようにして呟く。


「あぁ゛...

喧嘩売るってんなら買ってやるぜ...前々からお前が気に入らなかった...てめぇの面今ここズタズタにしてやる...!」


その状況を見て耐えかねた老人は大声を出した。


「お主らやめんか...!」


邪亮は老人の声をうちけるように叫んだ。


「引っ込んでろ!ジジイ!」


ユエンは座りながら邪亮の方を見上げながら睨みつける。


「私も、話しを脱線させてロクに会議もできないあなたは嫌いよ...」


このままいても時間の無駄だわ...


「バカバカしい付き合ってられないわね...私は帰るわ...」


朱雀の弓の団長は呆れた顔でその場を去る。


それを見て老人は慌てて引き止める。


「おい、お主待たんか…まだ会議が...って行ってしもうたわい...」


老人は険悪になっている二人を見て疲れた表情を浮かべる。


「これを老いぼれ一人じゃ止められん...ワシも帰るとしようかのぉ~。疲れてしもうたわい...」


そう呟くと付き添いに来ていた団員と共に席を離れた。


白虎の剣の戦闘訓練場に向かった二人。


周りは団員たちの声で溢れていた。


「おいおい、聞いたか?団長と青龍の鉾の団長が戦うんだってよ...!」


「まさに龍対虎の勝負...勝つのはどちらか...」


「おい、お前...そんなん邪亮団長が勝つに決まってんだろ!団長は強ぇからなぁ!」


二人が向かい合う...

邪亮はユエンに指を指す。


「お前はワールドウェポンを持っているだろうが強ぇのはその武器だけ...俺の方が強ぇ...!」


「見くびらないで欲しいわね...」


邪亮は腰にから中華の剣を引き抜いて構えた。

ユエンはイヤリングを触ると青く輝く、すると光が槍の形へと変化した。


属性司槍(ぞくせいしほう)エレメンタルストライカー!】


中華風の電子音が鳴り響く。

彼女は武器を少し回すと構える。


相変わらず意味わからん武器だな...

こいつから奪い取って俺の物にしてやる...


ドラが戦闘訓練場に鳴り響き戦いの火蓋は切って落とされた。

彼は戦闘開始とともにユエンに向かって走り出す。


彼女はダイヤルの付いた槍を構える。

ダイヤルには元素記号のが彫られている。

ダイヤルを回すとドラムロールのような電子音が流れる。

シャキン...!シャキン...!シャキン...!

回るダイヤルは一段ずつ止まる。

すると電子音が流れる...


【ファイヤー!】


中華風の音楽が流れると彼女は槍を大きく振りかぶる。


【フレイムストライク!】


槍がそう唱えると炎の斬撃を飛ばした。


「ははっ、そんな炎で俺が止められるかよ!」


邪亮そう呟くと高く飛び上がり斬撃を避けると彼女に剣を振り下ろす。


「喰らえ拳法奥義!冰牙(氷塊の牙)!」


彼の刃は氷に包まれ肉食獣の牙のように鋭くなった。


「流石は団長だ...動きが速ぇぜ...」


「そういえば、団長のアビリティウェポンの能力は《《氷点下》》全てを凍らせる能力だよな?」


「あぁ、あの技は周りの空気を剣先に集めて凍らせて剣先を強化する技だな…」


団員たちの歓声が広がる。


まずい...この攻撃は...


ユエンは急いでダイヤルを回す。

シャキン...!シャキン...!シャキン!


【サンダー!】

【ライトニングストレート!】


雷の光が一直線に横に光と彼女は一瞬で後ろに下がって攻撃を回避した。


「っ...!」


邪亮は目を見開き驚いた表情を浮かべた。


なんだ今の...?全く見えなかった...


彼の剣が突き刺さると地面にクレーターができた。



地面に大きくひびが入るのを見て彼女は冷や汗を垂らした。


危なかった...あれを喰らったら私は確実に即死だった...


彼はニヤケながら呟いた。


「なんだよ、逃げんなよ…せっかく一瞬で片付けてやろうと思ったのによぉ...」


「あなたは確かに強いけど氷なら熱には勝てないでしょ!」


「また、なんか出すのか?そのワールドウェポンの能力は《《元素操作》》だったよな…出してみろよ...なんだろうと凍らかせてやるよ...」


ダイヤルを回す。


【マグマ!】


【ボルケニックバースト!】


彼女は槍を地面に突き刺す、すると地面から大量の溶岩が溢れ出し波のように邪亮に襲い掛かる。


彼の口角が上がる。

その直後、溶岩が一瞬にして凍りついた。


「嘘っ!マグマを凍らせるなんて!」


「俺の能力は氷点下、マグマ程度じゃ溶かせねぇぜ…」


邪亮は剣で凍った溶岩を切り刻むと回し蹴りをして塊を彼女に飛ばした。


【グランド!】


【ロックウォール!】


槍から岩の壁を生成して防いだ。


彼に勝てる方法は...はっ!


彼女は防御している間に考えていると目を見開き何か思いついた表情を浮かべた。


「おいおい、また防御か?

面倒だからさっさと片付けてやる...」


彼は剣を逆手持ちして縦に構えると彼の周りにある空気が凍る。


「寒っ...」


観客はあまりの寒さにブルブルと震える...


「拳法奥義!冰冻白虎(凍結させる白虎)!」


彼の体を包み込むように氷でできた巨大な虎が出現し、咆哮を上げ、彼女に向かい突進してくる。


すると突然、戦闘訓練場から槍の音が鳴り響く。


【ウィンド!】


【ドラゴニックハリケーン】


ユエンの周りに青色の風が巻き上がり風は巨大な龍の形に変化した。


風の龍と氷の虎が互いに激しくぶつかり合う。


「龍より虎の方が強ぇんだよー!」


その時彼女は。


あの氷点下の能力瞬時に凍らせると言っても限度がある、マグマを出したあの時、ほんの少しだけど凍らなかったところがあった...

なら、凍らせられないくらい能力を出せばいい...


風の斬撃で氷の虎はバラバラに粉砕された。

龍は徐々に小さくなる竜巻が消えた。

ユエンは振り返ると邪亮は気を失っていた。


「私の勝ちね...」


そういうと彼女は白虎の剣を後にした。


その頃、青龍の鉾の本拠地では...


「くっそ、攻撃が当たらない...」


「全然当たってないぞ!蹴りをする時のはもっと腰の回転を活かせ!こんな風にっ!」


戦闘訓練で龍雅に攻撃が当たらないユーロック。蹴りを躱され彼女の背中に龍雅の蹴りが入る。


「痛ぁー!」


背中を抑えてうずくまるユーロック。


「動きがまだぎこちない、体の関節を活かしきれてない!」


成長速度は並だが、始めた頃よりは攻撃のスピードは早くなってるし体力も伸びてきている...


「よし、今日の訓練は終わりだ!

夕食にしよう!」


「やっと夕食か...!」


背中痛てぇ...けど前と比べて攻撃をもらう量も減ってきた...前より強くなったことを感じる...

この調子でどんどん強くなってみせる...


団員達と夕食をしていると食堂から誰か来た。

すると団員は全員立ち上がった。


「団長とお疲れ様です...」


彼女は柔らかい表情で呟く。


「みんな今日の訓練お疲れ様...

龍雅、私が不在の間、私の代わりに働いてくれてありがとう...」


「いえいえ...それよりその姿は...?」


彼女は服装はところどころ汚れていた...


「あぁ、これ?ちょっと向こうで一悶着あってね...」


龍雅は何かを察すると引きつった顔で呟く。


「あぁ、なるほどー...」


「とりあえず、私はお風呂に入ってくるよ...

みんなはゆっくりしてていよ...」


そういうと彼女は食堂を後にした。


一方、白虎の剣では。


「目が覚めましたか、団長...」


「あぁ?どこだここ...」


「団長室です...」


俺は確かアイツと戦って...

負けた?この俺様が...


立ち上がると大声を上げて暴れ始めた?


「この俺様があんな奴に...

神器(ワールドウェポン)を持ってるだけのカスに負けるだと!」


「お、落ち着いてください...」


「うるせぇ!てめぇは出てけ!」


「し、失礼します...」


部下は部屋を去った。


先代の団長はしっかりしていた...

今の団長はすぐ癇癪を起こす乱暴者...

なんだよ...まるで猛獣じゃないか...


邪亮は壁を殴って、煮えたぎった表情を浮かべた。


「クソ、あんな奴にが持つより俺の方がふさわしいはずだ...」


「力が欲しいのか?」


どこからか声が聞こえる。


「誰だ!」


「我はお前に力を授けてやる、ワールドウェポンを穿つ力を...」


「俺に力を...?」


「そうだ...お前はあの者が憎いのだろ?

倒したくはないか?」


「俺に力をくれ誰もが勝てないほど凄まじい力を...」


「フフッ...いいだろう!お前に力を授けよう...」


すると禍々しい暗黒の光の玉が邪亮の体に入る。


「ぐぁぁぁぁ!」


邪亮は苦しそうに声を荒らげると体から邪悪なオーラが彼を纏い目が赤く光った。


「源 禹素劝、潰してやる...」


邪悪な力を手に入れた邪亮...

後にユエンに魔の手が振り返ること彼女はまだ知らない...

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ