世界の始まり
荒れ狂う風が吹き荒ぶ広き荒野。
その中心に、時の流れに風化された古き遺跡が佇んでいた。
崩れかけた石の階段を昇ると、そこには巨大な石碑が聳えている。
その石碑には、太古の文字と壁画が刻まれていた。
語るは、世界の始まりと、失われた神々の物語──
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「古の時、天に二柱の神がいた。
一柱は“武器”を創り、もう一柱は“能力”を創った。
やがて二つは一つとなり、《始まりの武器》が誕生した。
一柱がその武器を振るうと、山が生まれ、風が吹き、水が流れた。
もう一柱が振るえば、草木が芽吹き、獣が駆け、人が息吹いた。
かくして、豊かなる世界が築かれた。
だが時は流れ、一柱の神は《始まりの武器》に魅入られ、
力に酔い、もう一柱を欺いてそれを奪い取った。
その刹那、狂気の力が解き放たれる。
武器を振るえば、異形の怪物が無数に生まれ、
大地は荒れ、森は燃え、海は黒く濁り、空すら裂けた。
人も獣も踏み潰され、世界は絶望に染まった。
残された神は、命を賭して暴走する神に挑んだ。
力は及ばぬと知りながら、全てを護るために──
そして、己の存在と引き換えに、悪しき神を打ち滅ぼした。
最後に、神は再び災いが起きぬよう、
世界を分かち、武器に宿る能力を散らした。
こうして生まれたのが、無数に枝分かれした《パラレルワールド》と、
それぞれに眠る力、《ワールドウェポン》である。」
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伝承はここで終わっている。
風は今も吹き続ける。
まるで、この物語の続きを誰かに託すかのように──




