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偽りの父娘ですが、勇者討伐の旅に出ます!  作者: てちてち


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20/23

20 創造神様初登場




〈ゴホンッ、あー、エレナちゃん?起きてくれるかな?〉



 眠っている私の頭の中で、声が響く。



〈エレナちゃん、僕創造神だよ。起きて?〉



(えっ?!創造神様?)



〈そうだよ。女神が迷惑かけてごめんね。体はどう?〉



(あ〜、体辛いです。どうにかして欲しい…)



〈そうだよね。体がこっちにあれば何とか出来たんだけど、下界にあるから手が出せないんだよ。少しだけ僕の力を流しておくね〉



(ありがとうございます)ホワ~ンと体が温かくなる。なんかスゴい。



〈ううん。昼間は起きていられるぐらいにしか出来ないから、夜はちゃんと眠ってね?〉



(はい、分かりました)



〈それと、エレナちゃんのマジックバッグに懐中時計入れといたの。ミスリル製だよ。ソレにあの黒木が何処にいるとか、何をしているかとかの情報を流すから、上手く使ってね。僕が作ったから、中々の仕上がりになったよ。拘りの一品だ。大事にしてね。それから、マジックバッグは魔力を注ぐと、好きな型に変えられるんだ。凄いでしょ?〉



(え〜と、はい。ありがとうございます)



〈あのアホ女神は、捕らえて牢獄にぶち込んだから安心して?〉



(おおー!捕まえて頂けたのですね!ざまぁーみろー!)眠ってなきゃ踊りたいぐらいだわっ!



〈ふふふ、喜んで貰えて嬉しいな〉



(どうやって捕まえたのですか?)



〈ん?僕の名前でデートしようか?って手紙を送っただけ。ちなみに宛名は書いていない〉



(えっ?それって、勝手に勘違いしてノコノコ創造神様の前に来たって事ですか?ププッ)



〈そうだよ。ほんとバカだよね。僕があんな奴とデートする理由なんて無いのにね〉



(ブホォッ、ん゙ん゙失礼しました。もう一人の若い男はどうなりましたか?)



〈アレも捕らえたよ。女神に付いて来たから一緒にね〉



(デートに連れて来たんですか!?)



〈アレは女神に妄信的だったから、何も考えてないんだよ。女神の行く先が、自分の行く道だと思ってる〉



(うわぁ~、気持ち悪っ)



〈ただ、いくら僕でも女神を処分するには、時間がかかるんだ。罪状を揃えないとね。罰を与えるのは少し待っててね?〉



(捕まえて頂けたので私は…。でも無いか。散々罵倒されて蹴られて殴られましたし、餓死寸前だったし、水すら貰えなかった。あの見習いじーさんも、酷い目に合ってたし)



〈うん、全部聞いてる。辛い目に合わせてごめんね?この埋め合わせは必ずするからね?〉



(はい、分かりました。楽しみにしています。じーさんは元気にしていますか?)



〈うん。今回良く働いてくれたから、昇格させるよ。今ここにいないんだ。伝言ある?〉



(いつかまた、話がしたいです)



〈分かった。いつか話が出来るようにするよ〉



(ありがとうございます!)



〈じゃあ、そろそろ切るね。また声掛けるから〉



 プツンッと音がして、私が返事をする前に交信が切れた。



 創造神様ってせっかち?



 不思議な声をしていたなぁ〜。じーさんとも話がしたかったなぁ〜。




◆◇◆◇◆◇



 そしていつの間にか朝になっていた。



 ずい分深く眠ったようで、昨日より私の体は軽く感じた。創造神様のおかげかな?



「んにゅ。おはようごじゃいましゅ、ユリュウシュしゃん…」アレ?口が回らない…



 うっそ〜ん。何てこった。



「おはようエレナ。良く眠れたか?」ユリウスさんは起きていて、もう着替え終わっていた。



「はい、ありがとうごじゃいましゅ。お腹がしゅきまちた…」ユリウスさんの眼差しがイタイデス…。



 モソモソと着替えながら、昨日の話を覚えているか聞かれた。



 もちろん、覚えていますとも。話し方だけ変わったのよ。



 ユリウスさんが爆笑している。私の頭を撫でながら「可愛いなぁ〜」と言う。



 ぐへっ。イケメンにそんな事されたら恥ずかしいじゃん!



 私の顔が真っ赤になったのが分かり、思わずユリウスさんの手を払い除けてしまった。



「顔を洗って出掛けるぞ。悪いがまた金出して貰えるか?色々買う物があるんだよ」



 あっ!そうだ渡す物があるんだ。



 私は空間収納に手を突っ込み、まず金貨の入った麻袋を取り出した。



 ユリウスさんに渡す。いちいちやり取りするのは面倒だ。



 麻袋から金貨を出し、返そうとするユリウスさんを手で止めて、そのまま持っててもらう。



 次に取り出したのは、マジックバッグだ。ユリウスさん専用肩掛けカバン。喜んで頂けたら嬉しいな。



「コレちゃち上げましゅ。ちょーじょーちんからのぷれじぇんとでしゅ。アホ女神からの迷惑料だしょうでつ」



 ユリウスさんが笑ってる。



「創造神からのプレゼント?迷惑料?また話がデカくなってるな」



「しょれマジックバッグでしゅ。魔力をちょちょぐと自分のしゅきな型に変えりゃれるしょーでつ」



「ええっ!そりゃありがたいな。滅多に手に入らないんだぞ!」ユリウスさんがメチャクチャ喜んでいる。



 私も嬉しい。ありがとう、創造神様。



 ユリウスさんは、金貨の袋を何度も出し入れして確かめていた。



 私も、自分用のマジックバッグを取り出した。白い肩掛けポーチだ。桜の絵が付いている。



 可愛いけど、可愛い過ぎる…。



 つい、眉間にシワを寄せてしまった。



 次は懐中時計を確認。ふんふん。さすが創造神様が拘った一品。



 コレは…マズいぞ…。蓋の真ん中に魔石が付いてて、それを囲うように蔦に掴まるキジが二羽。凝りすぎですよ!それに、魔石も付いてるっ!



「綺麗な時計だな。それも貰ったのか?」



「コレ、ミチュリルでつ。こんにゃ高価にゃ物にちて…。もうっ!いい加減にちてっ!」



 一目見ただけで高級品だと分かる…。持ってるだけで色んな奴に狙われる気がするんだけど、気のせいかな?



 どうしてくれるのよっ!



「良い物貰って良かったじゃないか。大事にしろよ」ユリウスさんから、また頭を撫でられた。



 的外れな事を言われて、キッと睨んでしまった。



「ちがいましゅ。コレは黒木の情報をちゅたえてくれる魔道具でしゅ」私は試しに魔力を流してみた。



 蓋の裏の鏡の部分に文字が出た。



『現在、クロキは帝国城内にて拘束されている。理由不明』



 拘束?何したんだろうアイツ。でも、帝国にいる事は分かった。今はそれで良いよね。



「ほら、もう出掛けるぞ。今日はたくさん歩くからな」そう言ってユリウスさんは、私にローブを着せて革靴を履かせてくれた。



 何てお優しいのでしょう。ムフフ。



 新たな革靴の感触を確かめる。爪先をトントン鳴らして、少し大きめな革靴は思いの他履きやすかった。



 ユリウスさんはなぜか、拳を握りしめ私を見ながら微笑んでいた。








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